ヴィヨンの妻 の商品レビュー
「親友交歓」が切なすぎて笑える。 大好きなウィスキーは、 本当は井伏さんと一緒に飲むように取ってあったのに、 「全く付き合いの無かった」親友に対して極めて軽薄なる社交家になり強姦に近い形でウィスキーを取られてしまう。嗚呼。 読者にこのような人間はどうですか?と問う姿勢がある。...
「親友交歓」が切なすぎて笑える。 大好きなウィスキーは、 本当は井伏さんと一緒に飲むように取ってあったのに、 「全く付き合いの無かった」親友に対して極めて軽薄なる社交家になり強姦に近い形でウィスキーを取られてしまう。嗚呼。 読者にこのような人間はどうですか?と問う姿勢がある。 付加された有終の美が見事!! 「トカトントン」 「トカトントン」という音が聞こえるとすべてが無駄に感じて無気力になってしまう男の悩みの手紙。 その音が聞こえてくると無気力になってしまうとうのは、発想がすごい。 いつのまにか郵便局員をしているという設定も面白くもあり、朝日が出てくるまでに職場の掃除をし終える様は、ユーモアでもある。 公務員だろうが銀行員だろうが死にそうな生活をしている生活者などの状況設定は、太宰の手にかかればあっという間に出来上がってしまうんだろうな。 戸籍係という担当も味がある。
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面白かったです.人間失格より好き.ただ,この種の葛藤とかって小・中学生のうちに克服すべき類のものだと思います.
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「悲劇と喜劇の転換が面白い」とはある映画監督の言った言葉だが、この作品はまさにそれである。 悲劇から喜劇へ、喜劇から悲劇へ・・・倒錯に陥ってしまうほどだ。 短編なので読みやすい。お勧めです。
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表題作のヴィヨンの妻がすごく好き、というか印象が強い。けど、「おさん」の「お父様」にときめきを覚えてしまった。
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「音」が聞こえると聞いて.hack//G.U.を思い浮かべてしまったのは、たぶん俺がやんでいるからだと思われ・・・
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すっごいだらけてる時に「トカトントン」を読んだらぞっとした。返答が良い。拝復。気取った苦悩ですね。その通りだ。頑張ろうと思った。
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「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」←ぞくっとした! どん底の暗さの中にある妙な明るさが好きだ 「桜桃」「家庭の幸福」も
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恋愛小説だと思う。世の中とケンカし負けて逃げ込んでしまう不器用な男と、不憫そうに見えて実は男よりずっと自由な女と。恋愛小説です。
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ダメだダメだと思いつつ、つい手が伸びてしまう太宰治。傷ついた心を抱えて読めば、ノックアウト必至。「人間失格」と合わせて読めば、ひきこもりになること疑いなし。でもこれだけ影響力を持つ作家って少ないんじゃあるまいか。「人は誰からも影響をうけず、誰にも影響を与えない」と言ったのはたしか...
ダメだダメだと思いつつ、つい手が伸びてしまう太宰治。傷ついた心を抱えて読めば、ノックアウト必至。「人間失格」と合わせて読めば、ひきこもりになること疑いなし。でもこれだけ影響力を持つ作家って少ないんじゃあるまいか。「人は誰からも影響をうけず、誰にも影響を与えない」と言ったのはたしか太宰だったはずだが、なんの、私は毎回こてんぱんにやられてしまう。感受性の強い時に読んではいけない本。でもなんか、やめられない中毒性のある本。
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新潮から出てる太宰の文庫の中でこれが一番好き!一般的に作品としての評価は微妙かもしれないけど、死ぬ前の太宰の叫びが聞こえてくる作品集。
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