卍 の商品レビュー
最近映画にもなった谷…
最近映画にもなった谷崎文学の中で最高のエロティシズムが表現されている本。性別に関係なく、人を狂おしいほど愛しすぎてしまった人々がたんたんと描かれています。その愛が狂気に変わってしまうとき、人はどのような終末を迎えるのか?!
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作者が関東出身にも係…
作者が関東出身にも係らず、関西弁で上方の生の文化を織り交ぜながら同性愛と人間の情欲の畢竟が描かれている作品。
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関西弁で、しかもひた…
関西弁で、しかもひたすら語り形式で話がすすんでいく。読んでいて新鮮な感覚が得られました。
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関西弁の独白体で綴ら…
関西弁の独白体で綴られた同性愛の世界。自らの魅力で人を操ることが生きがいのような一人の美女と、彼女を愛してしまう男と女の、駆け引きというか欺き合いに、ぐいぐい引き込まれて一気に読めてしまいます。ただ、昔風のコテコテの関西弁なので関西圏以外の人には少し読みづらいかも。
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女性の同性愛が描かれ…
女性の同性愛が描かれています。関西弁もあいまって美しくもエロティックな世界が繰り広げられています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昭和二年、大阪、有閑階級の四人の男女がおりなす愛憎劇である。柿内園子(語り手)、徳光光子、柿内孝太郎、綿貫栄一郎である。徳光光子は美人で怪しい魅力があり、崇拝者がいないと生きていけないという人間で、柿内園子は主婦、柿内孝太郎は園子の夫で弁護士、綿貫栄一郎はやさ男で何をしているのかは分からない。 第一フェーズ:女子技芸学校で園子と光子が同性愛関係ではないかという噂がたつ。園子は否定するが、光子と会うと同性愛が本当になる。 第二フェーズ:着物を盗まれたという電話で園子は光子に呼び出され、指定された宿に行くと綿貫がいる。その後、綿貫と光子の関係が明らかになっていく。綿貫は基本的に陰謀家で不能者ということを隠し、園子と同盟を結び自分が光子と結婚できるように画策するが、光子にとっては綿貫は自分を証文で縛る陰険な男である。綿貫は園子が光子と心中するのではないかと疑い、園子と交わした証書を孝太郎のもとにもちこむ。 第三フレーズ:同性愛の関係が夫にバレた園子は光子と狂言自殺をはかり、睡眠薬でのむ。看病をしている間に孝太郎が光子と関係をもつ。そして孝太郎は綿貫が光子につきまとわないように金で処理をするが、園子と孝太郎夫婦はふたりして光子に魅了され、夫婦はたがいに光子の愛を競って嫉妬しあい、毎晩、光子に睡眠薬を飲むように強制されて衰弱していく。そして、ある日、すべての内幕が綿貫と梅どん(光子づき女中)によって新聞にあばかれ、三人は睡眠薬で自殺をはかるが、園子一人だけが死ねず、二人が実は自分を裏切って情死したのではないかと疑う。 スリルがある作品である意味でミステリーではないかと思った。戦前の民法では妊娠中絶が重罪だったり、男30歳、女25歳に達しないと親の許可をえない「自由結婚」できないという話などもあって興味深い。
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これほど人間の愛情という感情に切り込んだ小説を初めて読んだような気がする。 物語は当事者である柿内未亡人の語りで語られるのもリアルさが増し、どんどん引き込まれた。 ただ内容に引き込まれれば引き込まれるほど、気持ち悪い感情が出て来て、読むのを止めようかと思うけど辞められない麻薬のよ...
これほど人間の愛情という感情に切り込んだ小説を初めて読んだような気がする。 物語は当事者である柿内未亡人の語りで語られるのもリアルさが増し、どんどん引き込まれた。 ただ内容に引き込まれれば引き込まれるほど、気持ち悪い感情が出て来て、読むのを止めようかと思うけど辞められない麻薬のような物語だった。
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随分と前に読んだ川端康成の乙女の港振りにシスターフッド(のようなもの)を題材とした本を読んだ!やはりこの関係性が異性との関係よりも上等なものとされるのは、男尊女卑だった当時だったからこそなのだと思う。同性に崇拝される方が何倍もよい気持ちになるの、すごくわかる。ただの安っぽい褒め言...
随分と前に読んだ川端康成の乙女の港振りにシスターフッド(のようなもの)を題材とした本を読んだ!やはりこの関係性が異性との関係よりも上等なものとされるのは、男尊女卑だった当時だったからこそなのだと思う。同性に崇拝される方が何倍もよい気持ちになるの、すごくわかる。ただの安っぽい褒め言葉なんかでなく、本当の意味での崇拝。異性間では出せない神々しさを感じる。
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エスがもつ特有の愛のカタチ。周りからは理解されないかもしれないけれど、男尊女卑が激しかった当時では、女性同士の絆というものは特別に固かったかなと考える。進んでいくにつれて新情報がたくさん出てきて振り回され、読み終えるまでが早く感じた。普通に面白かった。
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いやはや恐ろしい女よ光子は。これはこれは全員光子の沼にハマっていく様子が面白かったわぁ 4人全員の絡み合いを描いた作品の題名が卍って谷崎潤一郎のセンスの良さひかりすぎている。最後にかけて本当にページを捲る手がとまらなくなった。そんで持って夫まで死ぬんかい!!で園子は生き残るかい!...
いやはや恐ろしい女よ光子は。これはこれは全員光子の沼にハマっていく様子が面白かったわぁ 4人全員の絡み合いを描いた作品の題名が卍って谷崎潤一郎のセンスの良さひかりすぎている。最後にかけて本当にページを捲る手がとまらなくなった。そんで持って夫まで死ぬんかい!!で園子は生き残るかい!!驚愕のラストでした。夫が園子といた時は恋愛を分からなかったけど光子としてからは恋をしたことに気づくのが好き。これの実写化はハードル高そう〜
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