蓼喰う虫 の商品レビュー
離婚を決めた夫婦の話…
離婚を決めた夫婦の話。盛り上がりには欠けるけど、単純に一言では言い表せない夫婦間の感情が描かれています。
文庫OFF
谷崎潤一郎をちゃんと読んだのはもしかしたら初めてかもしれない。 時代は古いが、綺麗な文章でしっかりと絵が浮かんでくる。人形浄瑠璃などこれまで興味はなかったが、見てみようかという気になってしまう。 優柔不断な主人公なので、話は進まないのだが、これから何か過ちが起こるのか?という...
谷崎潤一郎をちゃんと読んだのはもしかしたら初めてかもしれない。 時代は古いが、綺麗な文章でしっかりと絵が浮かんでくる。人形浄瑠璃などこれまで興味はなかったが、見てみようかという気になってしまう。 優柔不断な主人公なので、話は進まないのだが、これから何か過ちが起こるのか?というところで終わってしまった。
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とてもよかった 二人の心理描写が細く描かれていた。 表紙にもなっている子供の絵には思わず心を打たれた。
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中後期谷崎の代表作。関係が冷めてしまった夫婦にまつわる話。夫公認で間男の元に通う妻と、娼婦の元に足繁く通う夫、二人の関係や内面の微妙な葛藤が、詳細にというよりはもはやくどくどといっていいぐらいに描かれる。谷崎自身の私生活を反映した作品とも言われるが、周囲の人間には容易には伝わらな...
中後期谷崎の代表作。関係が冷めてしまった夫婦にまつわる話。夫公認で間男の元に通う妻と、娼婦の元に足繁く通う夫、二人の関係や内面の微妙な葛藤が、詳細にというよりはもはやくどくどといっていいぐらいに描かれる。谷崎自身の私生活を反映した作品とも言われるが、周囲の人間には容易には伝わらない当人たちの関係や葛藤の機微に谷崎の想いが表されているのかもしれないなと共感しつつ読んだ。人間関係や愛情の根本が何かという部分には本作では踏み込まれないのですが、その辺りは「蓼食う虫」というタイトル付けとも関わってくるのだろうか。
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時代を経てもなんだか今と通じるようなちょっと粋な姿が面白かった。 子供のことを案じながらも、別れる夫婦だけどでも、お互いのことは思いやれていて壊滅的なわけでもない感じ。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1757180962067333468?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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面白くないわけじゃないんだけど、あまりにも静。 序盤引き込まれるんだけどな、結局これからのところを見せてもらえないからか、文学的にはこれでいいんだろうけどストーリー的にはどうしてもドロドロ展開とかそういうの望んじゃった感あるから、え、これで終わり?感。 あとは単純に価値観の問題...
面白くないわけじゃないんだけど、あまりにも静。 序盤引き込まれるんだけどな、結局これからのところを見せてもらえないからか、文学的にはこれでいいんだろうけどストーリー的にはどうしてもドロドロ展開とかそういうの望んじゃった感あるから、え、これで終わり?感。 あとは単純に価値観の問題。わかるよ、夫婦の微妙な感覚、子供への気遣い。 でも大事なことだからこそ高夏に任してほっとしてなんかいないで、両親が子供にきちんと正面から向き合ってほしいなって思っちゃう親心。 妻が〜みたいな感じで進んどきながら夫が風俗通ってたこと詳しく話すのはわりかし最後の方になってからで、何となく男の狡さ?みたいなの感じてもうた。 本作全体の量に対して、謎の3人メンツで浄瑠璃見るとこちょっと長すぎかな?笑
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文庫本の裏表紙に著者の私生活を反映した問題作、と書いてあるのが気になって読んでみた。 物語の冒頭、旦那が出かける前に身支度を妻が手伝ってやるシーン。 それだけのことなのに、女性の姿態の描写が妙に生々しく、さすがの描写でいきなり引き込まれた。 世間体を気にして離婚に踏み切れない...
文庫本の裏表紙に著者の私生活を反映した問題作、と書いてあるのが気になって読んでみた。 物語の冒頭、旦那が出かける前に身支度を妻が手伝ってやるシーン。 それだけのことなのに、女性の姿態の描写が妙に生々しく、さすがの描写でいきなり引き込まれた。 世間体を気にして離婚に踏み切れない主人公。 子供に自分の口から言うのさえ憚れて、従兄の口から子供に伝えてくれないかと思っている。 妻の父親にもなかなか切り出せない。 グズグズぶりがなんとも情けない。 こんなんだから嫁が旦那に魅力を感じず、外で彼氏を作るんだよ!と思ってしまった。 前編を通して昭和20年代の日本の雰囲気を満喫。 TVもネットもない時代、娯楽であった文楽、人形浄瑠璃を楽しむシーン満載。 決してキレイとはいえない芝居小屋でのトイレ事情や裸電球の照明など、芝居好きの私には興味深かった。 妻の父親は50代後半だというのに、やたら老人という描写。人生100年時代となった今でいうと70代位でしょうか。
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妻譲渡事件がモチーフなのでしょうが、後半は物語を彩る小物たちを使って陰翳礼讃を小説に落とし込む実験作だったのかとも思ってしまった。
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谷崎潤一郎のフェミニズムが自分に通じる部分があって、今作も読んでいてしっくりきた。そのフェミニズムの形は現在のLGBTQ運動の高尚な志しに根付いた立派なものなんかでは決してなく、極個人的な生きやすさの為に選択した受動的で頼りないismなのだ。
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