春琴抄 の商品レビュー
主従、師弟、男女といくつもの関係性を持ち乍ら、同化する事はできなかった。目の光を絶って漸く手に入れたひと。
Posted by
いつものドM路線かよ、と思いきや、なんか違う。 ドMはドMなんだけど、底には理解可能な愛があった。 愛するものが私の顔を見るなという。 そのとき吾が目を潰せるか? 通常なら、顔が変わっても愛すると言うだろう。 しかし、顔が変わってまで愛するに値する女性がいるか? 愛することので...
いつものドM路線かよ、と思いきや、なんか違う。 ドMはドMなんだけど、底には理解可能な愛があった。 愛するものが私の顔を見るなという。 そのとき吾が目を潰せるか? 通常なら、顔が変わっても愛すると言うだろう。 しかし、顔が変わってまで愛するに値する女性がいるか? 愛することのできる男がいるか? 愛は、行動ではない。
Posted by
美貌と三味線の才能を鼻に掛けわがまま暴力放題のドS春琴さんと泣き虫弱虫へたれ虫のドM奉公人佐助どんのお話です。 あからさまで無い遠回しな性表現が逆に官能的。 読み終わった後は「ん、もしや佐助が・・・」とじわじわ怖くなる。
Posted by
これすごく好き 佐助が痛々しくって仕様がない。ここまで思い詰めることが出来るのは、ちょっと薄ら寒い気もする。春琴に虐げられても変わらなかった愛情。この二人は、互いに関しては本当に「盲目」だったと思う。春琴は態度には出さないにしろ、佐助無くしては生きていけなかったんじゃないだろうか...
これすごく好き 佐助が痛々しくって仕様がない。ここまで思い詰めることが出来るのは、ちょっと薄ら寒い気もする。春琴に虐げられても変わらなかった愛情。この二人は、互いに関しては本当に「盲目」だったと思う。春琴は態度には出さないにしろ、佐助無くしては生きていけなかったんじゃないだろうか。その感情がねじ曲がって酷い仕打ちに及んだんだろうけど。 危なっかしくて、美しくて。自分は、好きなひとの為ならどこまでできるのかな。
Posted by
こういうベクトルがずれた恋愛って、 本人はいたって真面目なんだけど、 周りからみるとちょっとおかしいってやつだよね。 でも純愛ではある!!
Posted by
実は、実際の本を見た事のある人だったら、分かると思いますが、これ、そうとう薄い、つまりページ数の少ない本なんですよね。 これは、たしか、高校だったか、大学だったかの宿題で、何でも良いからテーマを決めて本を読まなければならない環境で読んだ本です。 つまり、一番ページ数の少ない物をネ...
実は、実際の本を見た事のある人だったら、分かると思いますが、これ、そうとう薄い、つまりページ数の少ない本なんですよね。 これは、たしか、高校だったか、大学だったかの宿題で、何でも良いからテーマを決めて本を読まなければならない環境で読んだ本です。 つまり、一番ページ数の少ない物をネ。(なんと不純な動機でしょうかね?) でもその不純な動機以上に内容は良かったですよ。 確かこれ、主演男優に「三浦友和」さんがなって映画化されたんですよね。 当時、話題だったような・・・・・。 丁稚奉公人の純愛を描いていると思ったんですが。
Posted by
谷崎潤一郎の短編小説 おばあちゃん家にあったのを拝借。 春琴が何者かに熱湯をかけられた為、佐助は自ら両眼を針で突いて失明した下りは 高校のときの自分にとってはかなり衝撃だった。
Posted by
美しい事の御師匠・春琴。彼女の唯一の欠点は目が見えないと云う事。そんな彼女の目となり手となり足となり、献身的に尽くす弟子・佐助。一見奴隷の様に酷い扱いを受けている様に見える。でも、此の作品ではこれまで妖婦的な女性ばかりを描いてきた谷崎には珍しく弱く脆い美しさを持った女性が描かれて...
美しい事の御師匠・春琴。彼女の唯一の欠点は目が見えないと云う事。そんな彼女の目となり手となり足となり、献身的に尽くす弟子・佐助。一見奴隷の様に酷い扱いを受けている様に見える。でも、此の作品ではこれまで妖婦的な女性ばかりを描いてきた谷崎には珍しく弱く脆い美しさを持った女性が描かれている。(気がする) 純愛小説だと思います。
Posted by
大阪道修町薬種商の愛娘、鵙屋琴こと春琴。 琴の名手と言われ育つも幼少の頃、全盲となる。彼女の手引き目として奉公人佐助が昼夜問わず世話を担う・・・二人の師弟関係の神髄とは何か。 文を紡ぐ言葉の細部まで瑞々しく情景的。官能的で美しい。 佐助と春琴の心に突かれて、 後半部は泣きそ...
大阪道修町薬種商の愛娘、鵙屋琴こと春琴。 琴の名手と言われ育つも幼少の頃、全盲となる。彼女の手引き目として奉公人佐助が昼夜問わず世話を担う・・・二人の師弟関係の神髄とは何か。 文を紡ぐ言葉の細部まで瑞々しく情景的。官能的で美しい。 佐助と春琴の心に突かれて、 後半部は泣きそうになる。 雲雀と春琴のくだりがじわり。 春琴があれ程の女であるにも関わらず目が離せなくなるのは 彼女の生命力溢れる姿があるからだ。 琴、 雲雀・鳥たちの声、 絢爛な食事、 絹ような肌、 師匠として人としての誇り、 これらのことへのこだわりが彼女の魅力を引き立てるんだと思う。 極上の、誇りある生活とは?
Posted by
古い作品なので読みにくいと思いがちですが、読み始めると吸い込まれていくように読んでしまいます。この作品の見所は、やはり佐助の思い「自らの生涯をすべて彼女に捧げる」という、 一途なものにあると思います。 また、主従関係でありながら、強い愛で結ばれる二人。 高校生のときは、佐助は、自...
古い作品なので読みにくいと思いがちですが、読み始めると吸い込まれていくように読んでしまいます。この作品の見所は、やはり佐助の思い「自らの生涯をすべて彼女に捧げる」という、 一途なものにあると思います。 また、主従関係でありながら、強い愛で結ばれる二人。 高校生のときは、佐助は、自分の目をつぶしてまで、なぜ、春琴を愛せるのか理解不可能でした。 逆に言えば、理解したくなかったのかもしれません。今になって読んでみましたが、ここまで愛せるって、ある意味ですばらしいと思ってしまいます。 到底マネはできないことです。愛する人のためなら、何でもできる!!っという言葉を発するはこの佐助しか許されないとも思ってしまいました。主従関係であっても、恋をした仲の二人。 尊敬する思いと、愛すること。全く違うような感じがするのに、2つの気持ちを、佐助は死ぬまで貫いた。これこそが「美」なのでは?と思いました。
Posted by