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中陰の花 の商品レビュー

3.5

37件のお客様レビュー

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    4

  2. 4つ

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2015/10/16

2015.10.15了 選考委員全員の支持を集め第125回芥川賞を受賞した作品であり、現役僧侶による生死のはざまについての言及とのことで、嫌が応にも期待は高かった。 にしても。 自分には合わなかった。 変にこ難しいかと思えば、変な感じにど直球、大阪弁も効果的でなく、ちぐはぐな...

2015.10.15了 選考委員全員の支持を集め第125回芥川賞を受賞した作品であり、現役僧侶による生死のはざまについての言及とのことで、嫌が応にも期待は高かった。 にしても。 自分には合わなかった。 変にこ難しいかと思えば、変な感じにど直球、大阪弁も効果的でなく、ちぐはぐな感じは最後まで続き、クライマックスであるはずの紙縒のタペストリーは全く映像として喚起できない。 終始上から庶民に、笑いや共感を見込む計算の元、わかりやすく解説しようとしてくれている感じがした。 真に価値あるものへの無力な妬みに過ぎないのかもしれないが。 自分にとっては、表題作より、同時に収録されている「朝顔の音」のほうがしっくりきた。 とにかく暗くてやりきれない設定ではあるが、情景は手に取るように浮かぶし、読みながら考えることが多かった。単純にその世界に入り込めた。 顳顬草子の後に読んだから薄味に感じてしまったのかな。

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2015/06/26

テーマ的にも興味深かったし、表現も豊かで面白かったと思うんだけど、短すぎて、読み応えに欠けたのが残念。そこは完全に好みの問題。 お坊さんが書いたものだから、特別なような気がして読んだけど、いなかに行くとわりとあるある話な内容かもと思った。

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2015/06/22

芥川賞受賞作『中陰の花』。作者自身、ここまで言っていいものかと、戸惑いながら書いていたと語る「死後」についての見解は、とても興味深かった。わたしにとっては、初めて腑に落ちた死後といっても過言ではない。 もう一つの『朝顔の音』は、不気味な短編。

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2014/12/04

「成仏させる」というのは、死者の魂ではなく、遺族の魂のほうを成仏させるという感じかなあ、と解釈する僧が、知人の占い師の死や、霊感らしきものを感じるという妻の、流産した赤ん坊の供養をしたいという願いなどから、死んでまだ成仏していない魂というものの在り様について考え不思議な体験をする...

「成仏させる」というのは、死者の魂ではなく、遺族の魂のほうを成仏させるという感じかなあ、と解釈する僧が、知人の占い師の死や、霊感らしきものを感じるという妻の、流産した赤ん坊の供養をしたいという願いなどから、死んでまだ成仏していない魂というものの在り様について考え不思議な体験をするという話。通常の意識下ではなかなかとらえられないそのその不思議な現象についてよりも、僧侶とその妻の日々の暮らしの規律正しさと、交わされる会話の中にあらわれる故人のことを思う気持ちの優しさなどに惹かれる。

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2013/09/26

2001年上半期芥川賞受賞作。同じ時期の候補には阿部和重、長嶋有もいた。本書の著者、玄侑 宗久は現役の臨済宗の僧侶という特異な経歴。そして、小説の主題も、世界観もかなり特殊だ。そのことは、真っ向から死の問題に取り組んでいることからも明らかだ。それでいて、一向に抹香臭くなく、明るく...

2001年上半期芥川賞受賞作。同じ時期の候補には阿部和重、長嶋有もいた。本書の著者、玄侑 宗久は現役の臨済宗の僧侶という特異な経歴。そして、小説の主題も、世界観もかなり特殊だ。そのことは、真っ向から死の問題に取り組んでいることからも明らかだ。それでいて、一向に抹香臭くなく、明るく真摯な向き合い方だ。このような形でなら死を受け入れることができそうな気がする。表題となっている「中陰の花」は、まさしくこの小説中の「花」だ。また、妻の圭子さんの大阪方言での合いの手が、物語に柔らかさとふくらみを同時に与えている。

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2013/03/27

僧侶である則道(そくどう)は、妻の圭子と二人暮らし。所謂"おがみや"として様々な予言をし、自分の死をも予知して最期を迎えたウメさん。鉱泉を開き、妻と共に自らの宗教体験を語る石屋の徳さん。流産のために産まれる前に亡くなった我が子と、圭子が「成仏してない」と主張するウメさんとを弔うた...

僧侶である則道(そくどう)は、妻の圭子と二人暮らし。所謂"おがみや"として様々な予言をし、自分の死をも予知して最期を迎えたウメさん。鉱泉を開き、妻と共に自らの宗教体験を語る石屋の徳さん。流産のために産まれる前に亡くなった我が子と、圭子が「成仏してない」と主張するウメさんとを弔うため、圭子が作った紙縒(かみより)に包まれながらお経をあげる則道。そこで二人は紙縒に不思議な動きを認め、そして圭子は呟くのだ―「成仏やなあ」と。 タイトルにもなっている「中陰」とは、この世とあの世の中間、という意味らしい。ネットで霊体験を検索する則道は、次のように考える。「多くは真剣に自分の信じる世界を描いているようだ。それは間違いない。しかしそれぞれの描く世界を総合しようとしても、そこには全くと言っていいほど整合性がなかった(p67)。」つまり中陰の花って、自分の信じる世界への入り口みたいなもの、だからみんなバラバラで、圭子がいう「成仏は成仏だ」というのも、この世の人の視点からではなく、死んだまさにその人にとってのものなのではないか。つまり、それぞれのやり方で「ほどけた状態」になることこそ成仏なのではないか、と。 旅行をするとき旅先のことについて、全く知らないなんてことはないはずなのに、現代人の多くは旅先不明(行き先は勿論「死」だ)の旅をしていると、河合隼雄氏は解説でこう記している。あまりにも現実的・物質的な世界にだけどっぷり浸かるのはなんだか恐いと自分は思う。「死ぬ」という事実は極めて現実的なのに、死後の世界はある意味でとっても非現実的。どれだけ現実を生きようと、いつかは自分たちが認識している現実の外に放り出されてしまう。だから、時に「死」という非現実について思いを巡らせることは、人間の行き着く先を見つめる行為だという意味で大切であり、それが「生きる」という極めて現実的なことにも繋がっていくのではないかと思う。

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2013/02/16

久しぶりに芥川賞受賞作を読みました。 小説を書きなれていないせいか、描写がもったりしていてシャープさがないですね。 悪くはないけれど、光るものもない。 テーマは「おっ」と思うけれど、活かせない。 最後の花の完成が最大の見せ場なんですけど、やっぱりちょっと地味。 内容に対して、...

久しぶりに芥川賞受賞作を読みました。 小説を書きなれていないせいか、描写がもったりしていてシャープさがないですね。 悪くはないけれど、光るものもない。 テーマは「おっ」と思うけれど、活かせない。 最後の花の完成が最大の見せ場なんですけど、やっぱりちょっと地味。 内容に対して、作者の力がまだ追いついていない印象でした。 13.02.05

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2013/02/15

この世とあの世の中間。成仏とは何か…普段全く考えたことのないテーマだったが、親もそろそろだし、じっくり考えてもいいころかも。いいきっかけになった本。

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2020/06/15

なんだか難しかった。単語が分からないのではなく、指している事象を納得するのが難しかった。 禅宗の僧侶と近所に住むおがみやウメさんの最期。妻、圭子が数年前流産した子供。成仏とはどういうことかを現在のお坊さんの視点で小説にしたもの。 これは難しいなあ。普段、全く考えたり想像したり...

なんだか難しかった。単語が分からないのではなく、指している事象を納得するのが難しかった。 禅宗の僧侶と近所に住むおがみやウメさんの最期。妻、圭子が数年前流産した子供。成仏とはどういうことかを現在のお坊さんの視点で小説にしたもの。 これは難しいなあ。普段、全く考えたり想像したりしていない事柄だから、中陰(あの世とこの世の境)という状況に思考がついていきにくい。そういう事を自然と普通に普段に考えるような年齢になって再度読むと、私にもストンと落ちるのかもしれない。

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2012/11/27

読書サークルの課題図書。 うーん。主人公の妻 圭子が 紙縒りを作り続けることを象徴に  闇に入っていくかと思ったが そうでもなく 綺麗な感じがする小説。

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