氷点(下) の商品レビュー
人間の心とは。ひとはひとりでは生きていけないけれど、実際みんな自分のことばかり考えていて他人なんだなと思い知らされる。愚かさを追求されているような感じで、苦しかった。 本当に罪とはなんなのか。神様しかわからないものなのか。いろいろな出会いをし体験して思い悩むことで、神様が気づかせ...
人間の心とは。ひとはひとりでは生きていけないけれど、実際みんな自分のことばかり考えていて他人なんだなと思い知らされる。愚かさを追求されているような感じで、苦しかった。 本当に罪とはなんなのか。神様しかわからないものなのか。いろいろな出会いをし体験して思い悩むことで、神様が気づかせてくれる。ドロドロのフィクションだけれど、人間の嫉妬深さ的なところはこの小説を通して気づかさせてくれたようである。すごいなぁ。 陽子がきらきらしていてすてきだったけどあの結末とは。続がきになります。
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登場人物のそれぞれが罪を抱えている物語。 唯一の良心は辰子かな。 お互いがお互いをゆるすことが大切。
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心理サスペンスとしてエンタテイメント的にも読める一方、この小説は、自分自身この人たちのような愚かさ醜さに陥る可能性が常にある、もしかしたらもう片足を突っ込んでいるかも知れない…と意識して読むと、底知れぬ恐ろしさ、虚しさを感じます。自分のこととして読むべき小説。 新聞連載の性なのか...
心理サスペンスとしてエンタテイメント的にも読める一方、この小説は、自分自身この人たちのような愚かさ醜さに陥る可能性が常にある、もしかしたらもう片足を突っ込んでいるかも知れない…と意識して読むと、底知れぬ恐ろしさ、虚しさを感じます。自分のこととして読むべき小説。 新聞連載の性なのか、だんだん似たような内容の繰り返しで冗長になり、内容も暗いため、読み切るのがしんどかったです。キリスト教の勉強をしてなかったら、挫折したかも。
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夫(啓造)と妻(夏枝)は、それぞれの虚栄心と自己主張のゆえに、悲劇を引き寄せてしまった。 娘を殺した犯人の娘だとしても、養女(陽子)には何の罪もない。 事実を夏枝のひどい仕打ちによって知った陽子は、自分の中の罪の可能性を見い出し、生きる望みを失う。 一途に精一杯生きてきた陽子...
夫(啓造)と妻(夏枝)は、それぞれの虚栄心と自己主張のゆえに、悲劇を引き寄せてしまった。 娘を殺した犯人の娘だとしても、養女(陽子)には何の罪もない。 事実を夏枝のひどい仕打ちによって知った陽子は、自分の中の罪の可能性を見い出し、生きる望みを失う。 一途に精一杯生きてきた陽子にも氷点はあったのだ。
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何度も読み返してます。 今回も涙が出ました。 「遺書」の下りは、遺書を書くに至った陽子の心情を欄外に想像してしまいます。 明るく、何事にも負けずに生きて来た陽子。 何も自分には罪はないのだけど、その陽子が「私の心は凍えてしまいました」と自分の全てが足元から崩れた深い悲しみに辛く...
何度も読み返してます。 今回も涙が出ました。 「遺書」の下りは、遺書を書くに至った陽子の心情を欄外に想像してしまいます。 明るく、何事にも負けずに生きて来た陽子。 何も自分には罪はないのだけど、その陽子が「私の心は凍えてしまいました」と自分の全てが足元から崩れた深い悲しみに辛く思います。 これから続氷点へと続きますが、幸せに続かないのがやり切れんです。
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相変わらず登場人物達の人生が罪と嫉妬と後悔をフォーカスにして高密度で進んでいく。暫くの放心を強いられるラスト数頁は見事の一言。
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やっぱ下巻もアホ夫婦やったなぁ。でも、啓造の陽子に対する心境の変化は分かる気がする。たぶん、自分なら親の特権で風呂は一緒に入るやろなぁ。夏枝はホラーやな。 できれば上下巻で終わってほしかったけど、今後の親子関係が気になるので「続 氷点」を読みます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
石原さとみちゃん主演で今冬ドラマ化って言う帯に惹かれて手にとったんですが、確か大分昔にもドラマ化したんじゃなかったっけか。。。 テーマは原罪。 はっきりいって重いです。 重苦しいです。 お互いが信じあえればこんなことにはなかったのにねぇ。。。 なんかね。 ドラマは2夜連続ということで放送されました。 夏枝役には飯島直子、辰子さんには岸本加代子さんと来ましたか! ちょっぴり省いている部分があるものの、ほぼ原作どおりの仕上がりで、前編・後編も、ほぼ氷点と続氷点というところで構成されてるようで。 (最後の部分だけ引っ張ってたみたいですが、どんでん返しがあるということで。) そこから一気にまま子いじめというか、子どもじゃないのっていうような夏枝の陽子に対するいじめが始まるんですねー。 また、そのいじめに耐える(というより立ち向かう)陽子の姿がけなげでけなげで。。。 恐ろしく強い精神の持ち主の主人公でありますヽ(;´Д`)ノ 皆さん見習いましょーー!
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妻の一時の感情によって実の娘は殺され、妻への復讐のため殺人犯の娘を養女に招き入れ、育てる一組の夫婦の話。 妻にも非があり、夫にも非があり、もっと言えばあの時、晴れていなかったら娘は外に遊びに出ることもなかったし、、と非の元を辿ればそれは際限のないことで、意識的であれ、無意識的で...
妻の一時の感情によって実の娘は殺され、妻への復讐のため殺人犯の娘を養女に招き入れ、育てる一組の夫婦の話。 妻にも非があり、夫にも非があり、もっと言えばあの時、晴れていなかったら娘は外に遊びに出ることもなかったし、、と非の元を辿ればそれは際限のないことで、意識的であれ、無意識的であれ、人は人である限り、人を憎み、傷つけ、傷つけられている。だから人間が生まれてくる事、それ事態が罪、原罪なのだということ。 まだ私にはピンとこないかもな。(2009年6月29日記)
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