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『こころ』『それから…

『こころ』『それから』の続編と言われる長編作品。 過去の業はいつまでも彼らを縛り追ってくる、彼らに門は開かれない。テーマは強く的確に描き表わされていて、言いようの無い恐ろしさを感じました。 要所要所の描写が過不足無く鮮やかで、絵として印象に残ります。 宗助と御米のつましく薄暗く小...

『こころ』『それから』の続編と言われる長編作品。 過去の業はいつまでも彼らを縛り追ってくる、彼らに門は開かれない。テーマは強く的確に描き表わされていて、言いようの無い恐ろしさを感じました。 要所要所の描写が過不足無く鮮やかで、絵として印象に残ります。 宗助と御米のつましく薄暗く小さな生活世界が、私には愛しかったです。 過去の重さに苦しみながら、それでも宗助は御米の元へ帰ってきた。襲い来る弾劾に打ち勝つ強さを持たなくても、二人は全き不幸の中にいたというわけではないんじゃないか

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過ちを犯した男と女。…

過ちを犯した男と女。平穏な日常と、心の中に渦巻く罪悪感。心の平安を求めて止まぬ、現代人の心の孤独を描く。

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 人間小説です。「門…

 人間小説です。「門」の意味を考えさせられます。宗助夫妻につつましい生活ぶりがなぜか心を打ちます。 子供のできない夫婦にはある因果がまつわってると占い師にいわれ、夫婦の過去が明らかになります。 最後は少し怖い感じがしました。

文庫OFF

2026/04/09

未読だった夏目漱石前期三部作を読了。何となくノルマを果たした気分。 「三四郎」は、熊本から出てきた純朴な青年が、一目惚れした女性との恋に破れる話。 「それから」は、親友から妻を奪い取る話。 「門」は、不倫で結ばれた夫婦が、まるで罪人のように、周囲の目をはばかりながらひっそりと暮...

未読だった夏目漱石前期三部作を読了。何となくノルマを果たした気分。 「三四郎」は、熊本から出てきた純朴な青年が、一目惚れした女性との恋に破れる話。 「それから」は、親友から妻を奪い取る話。 「門」は、不倫で結ばれた夫婦が、まるで罪人のように、周囲の目をはばかりながらひっそりと暮らす話。 それぞれ主人公は別ではあるが、物語として連続性がある。 どれも恋愛をテーマにした小説ではあるが、決してロマンチックな物語ではない。 平凡な日常が描かれる中、その背後に確かに息づく男女の情念が、病巣のようにさえ感じられる。

Posted byブクログ

2026/03/22
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社会の掟ではなくて愛を選んだ2人の“その後”の物語。 読み終えて、なんとも言えない複雑な気持ちになったな。宗助もお米も愛し合っていて、仲がいい。そんな中、子供ができないところは同情して辛くなった。でも「この2人は不倫して結ばれた」という事実を思うと、なんとも言えない気持ちになる。 不倫をしたら、幸せになることは許されないのか。不倫をしたら社会からは閉ざされて、誰からも信用されなくなってしまうから、夫婦の2人で生きていかなきゃいけない。それはある種の“呪縛”のように感じられるね。 昔は好きでもない人と結婚しなきゃいけない人がたくさんいた。だから今の時代から見たら、昔の不倫は同情してしまう部分が少なからずある。好きな人と結ばれても、ずっと罪悪感はつきまとう。 そんな逃げ場のない息苦しさを事細かく表現する夏目漱石の筆致にとても圧倒された。

Posted byブクログ

2026/02/19
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三部作の中で1番モヤモヤと謎が残る作品だった。 あらすじに「親友である安井を犠牲にして成立した宗助とお米の愛。」と書いてあるが、その過去が明かされるのはしばらくしてからなのでこのあらすじを読んでいなければ序盤は献身的なお米と宗助が仲良くささやかに暮らしているようにしか見えない。私はあらすじを読んでいたのでその部分が気になって仕方なく、先入観を持って前半部分を読んでしまった気がする。このあらすじ合っているのか?と思っていた。 過去が明かされる場面に入ってからぐっと面白くなる。過去を明かすシーンでの、お米と宗助の閉鎖的で共依存な関係を表すための文章が豊かで印象深い。「彼らの命は、いつのまにか互いの底にまでくい入った。」「二人の精神を組み立てる神経系は、最後の繊維に至るまで、互いに抱き合ってできあがっていた。」など。 しかし安井をどう犠牲にしたのか最後まで直接的な明記が無く、そこが読み終えた今でも気になり続けている。安井とお米の関係も明言はされず、まあ安井からお米を奪ったのだろうがそこの流れも読みたかった。 そして宗助が参禅する部分が難しかった……。

Posted byブクログ

2026/01/29
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高校時代に読んで以来で、8年振りくらいに再読。 話の筋は覚えてたけど細部はすっかり忘れてた。 宗助とお米が結ばれて社会と決別する流れを覚えていなかったのだけど、元々その辺りは詳細に書かれていないから覚えているはずもなかった。 でも書かれていないおかげで色々想像できた。 過去の過ちに報いる形でお米が死んだり、宗助が耐えきれず狂ったり、安井との一件を知った坂井が激昂したり、安井と宗助とお米が再会したり…っていう安直な展開にならないのが好き。 過ちが生活の所々に影を落としながらも時々幸福を感じて細々と命を繋いでいくことが示唆されるラストのやり取りも好き!

Posted byブクログ

2025/03/21
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三四郎→それから→門につれて主人公の表現や環境が陰鬱で諦念をまとったものに変わって行くその変化が印象深かった。どの作品も明治時代の東京を舞台にしていて個人の自由、自立が重要視され始める時代になった結果、登場人物がある行動を選択する葛藤が描かれていてよかった。『門』ではその葛藤した選択の後が描写されていて「ようやく春が来た」となっ ても「じき冬がまたくる」と返してしまうほどに罪の意識に苛まれ、今後もずっとその重荷を背負って生きて行く主人公が痛ましかった。

Posted byブクログ

2025/02/20
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難しい。格別面白かったわけではないんですが、面白くないと断定できるほどこのストーリーの全てを味わい尽くしたかの自信がもてません。読み返そうとは今思えないのですが、何か認識しづらくて小さいヒントみたいものが散りばめられていそうな文章のように感じてしまって、読んだ実感はあっても理解できた実感が0です。 読み終えて真っ先に思ったのは、「安井の元から宗介とお米がいかにして離れたか見当がつかないので、宗介の苦しみに共感できない」ということでした。夫婦で社会からのつまはじきものとして生きることにしたこと、この結論だけしか分かりません。なんかこういうよく分からんけど結果そうなったみたいなのが全編多いです。 多分、私には早すぎた小説な気がしました。

Posted byブクログ

2024/12/07

夫婦仲が悪いわけでもないのに宗助とお米の暮らしに漂う後ろ暗さや倦怠感のようなものは一体何なのか、謎のまま物語は進む。そして残り3分の1くらいでやっと真相が少しづつ明らかになっていく構成が実に上手い。

Posted byブクログ