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鶴見俊輔評集成(1) の商品レビュー

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2010/05/23

書評には何かと関心があるので、TVでも新聞でもついつい見たくなる。多分それで読んだ気になれるというところが(?)あるようだ。 まして関心のある評者が、一冊にまとめていると文句なしに手に取る。かつて池沢夏樹の『読書癖』4巻も楽しんだが,同じみすず書房が、3巻にまとめたこのシリーズも...

書評には何かと関心があるので、TVでも新聞でもついつい見たくなる。多分それで読んだ気になれるというところが(?)あるようだ。 まして関心のある評者が、一冊にまとめていると文句なしに手に取る。かつて池沢夏樹の『読書癖』4巻も楽しんだが,同じみすず書房が、3巻にまとめたこのシリーズも面白い。  いかにもこの年代の読書という「モリスの記号論大系」や「世界の新思想」というグループもあり、そして日本型ファシズムを分析したと、丸山眞男「現代政治の思想と行動」があり、橋本文三「歴史と体験」も取り上げている。  また「新しい古典/ドス・パソス『U・S・A』」などは、現在読み直すとまた違った感想となりそうだ。  そして子母沢寛「上州天狗」山本周五郎「小説の効用」白井喬二「富士にたつ影」「宮本武蔵」以前の吉川英治。大佛次郎「鞍馬天狗」などと幅広く楽しめる。「ガロの世界」と「荒地の視点」が並んでいるのも「朝鮮人の登場する小説」もその時代を感じさせる。  とくに関心を持って読めたのは「三木清のひとりの読者として」「戦争に抵抗した人たちの生涯を記録」「桑原武夫」だった。いずれも1968年のものだが、その頃、こういう書評には見向きもしなかったことも思い出しながら。

Posted byブクログ