ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック の商品レビュー
フィッツジェラルド大好き村上春樹による、フィッツジェラルドゆかりの地についてのエッセイ等いくつかの文章と、短編小説2本。 短編の片方は傑作の一つであるリッチボーイであり、もう片方は二流作品。リッチボーイの完成度の高さがよけい際立つ。なお「リッチボーイ」は若く才覚ある男性としての...
フィッツジェラルド大好き村上春樹による、フィッツジェラルドゆかりの地についてのエッセイ等いくつかの文章と、短編小説2本。 短編の片方は傑作の一つであるリッチボーイであり、もう片方は二流作品。リッチボーイの完成度の高さがよけい際立つ。なお「リッチボーイ」は若く才覚ある男性としての享楽的な楽しみにいつまでも縋り付く三十路男を描いており、人によっては精神的にぶち殺される可能性もあるため注意が必要。 妻ゼルダの伝記はなかなか読み応えがあり、またフィッツジェラルドという作家の、「経験したことをフィクショナイズすることでしか小説を書けない」という性質上、読む価値があると言える。 「夜はやさし」について、文章の順番を入れ替えた2バージョンがあるんだよという解説の章、その後森慎一郎という方が2014年にオリジナルバージョンを翻訳しており、私はこれを先に読んだが、作品はもちろん、この訳がすばらしい。入れ替え後バージョンが好きだという村上春樹氏にはぜひ死ぬまでに入れ替え後バージョン側を翻訳して出版していただきたい。買いますので
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グレートギャツビー、夜はやさし、それからいくつかの短編を読んでフィッツジェラルドの世界に魅せられた今、これ読んで本当に良かった 最後のエククァイアの記事なんか最高 スコットの優美さを感じられた 2行の詩を送って悦に入る笑 なんだか見ているこちらが手を差し伸べたくなるような人だっ...
グレートギャツビー、夜はやさし、それからいくつかの短編を読んでフィッツジェラルドの世界に魅せられた今、これ読んで本当に良かった 最後のエククァイアの記事なんか最高 スコットの優美さを感じられた 2行の詩を送って悦に入る笑 なんだか見ているこちらが手を差し伸べたくなるような人だったんだろうな ゼルダのことも詳しくしれて良かった ヴァイタリティをもてあましてしまったゼルダ 自分自身と通じるところがあって、胸が痛んだ いまフィッツジェラルドが評価されていて嬉しい グレートギャツビーが映像化されているから私は彼を知れた 死してようやくまっとうな、それ以上の評価を受けたのは彼らしいのかも これからも読みたいこの人の作品の数々を
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「リッチ・ボーイ(金持の青年)」だけで☆5。 今、主人公と同じくらいの年になって読むと、うわあああああやめてくれえええええってなる。とても心を抉られる素晴らしい作品です。
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リッチ・ボーイ、とても良かった… 終わりに向かうにつれて増幅していく喪失感がなんとも言えない。 切なさの上を行く、大人になることで感じるノスタルジーよ…
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大変素晴らしい本には変わらないのですが、若い頃の筆なので、村上春樹の若干の女性嫌悪が透けて見える箇所があって、それは結構私にとっては悲しみだった。まず、フィッツジェラルドの晩年の愛人であり、その死を看取ったシーラ・グレアムに対して。どうしてもスコットと同一化している部分があるので...
大変素晴らしい本には変わらないのですが、若い頃の筆なので、村上春樹の若干の女性嫌悪が透けて見える箇所があって、それは結構私にとっては悲しみだった。まず、フィッツジェラルドの晩年の愛人であり、その死を看取ったシーラ・グレアムに対して。どうしてもスコットと同一化している部分があるので、ゼルダのことはかなり神格化されているため、(人間扱いはされていないのだけれど)一定の尊重はされている一方、シーラに対しての記述はかなりひどい。正直なところ、貶めが抑制の効いた筆致にべったりと張り付いていて(「グレアム嬢」といった言い回しがまさに)、スコットが真にこの女を愛していたのか、また後年この人がスコットを利用して大金を稼いだかは知らないけれども、こういう記述は少々アンフェアだし、男性が見せる理想の女性(女神=ゼルダ)に対する、娼婦への視線のようでこれはかなりいただけなくおもった。 また、ゼルダ・フィッツジェラルドの短い伝記は大変素晴らしくまとまっているものだけれど、これは正直涙なしには読めないですね。「2人の同一の体験を小説に先に描く権利はあるのか」これは夫婦なれど大変な問題だと思った。しかし、スコットはゼルダという生にインスパイアされ、それを消費しながら文学を高めていったのに対し、それに耐えられなくなり次第に精神が崩壊していくゼルダという生き方をこちらはかなり見事にまとめているのではないか。ゼルダの伝記を読んで、そもそも女は10代後半〜20代前半に過剰に価値がインフレ状態になることに問題があると感じた。このしっかり人生の基礎を作らなければならない時期に、「なんかこのまま一生いけそうな気がする」ような過剰な何かが起こっていること。そして仕込みをおろそかにし、若さと美しさの絶頂が去った20代後半に愕然とする…。まあでも実際じゃあどうしたらいいのか分からないんですが。 あとは、フィッツジェラルドとヘミングウェイについて描く思い出兼評論文のようなものの翻訳で、「風と共に去りぬ」が酷評されていて私は泣いた。しかし、もうすぐ発表から90年くらいだとおもうが、どうだろう?100年の洗礼は耐えそうではないか?マーガレットミッチェルはいくつこういう言い回しに当たってきたのだろうと考えた。 そして「自立する娘」大変素晴らしいと思った。村上春樹はこの短編を30前後あるフィッツジェラルドのマスターピースより幾分か決定的に落ちると書いていたが、私は意外とそうは思わない。フィッツジェラルドの描く女主人公が大好きということもあるが、男主人公のものと比べてまず全然違う次元の切実さを感じるし、私はこれを非ハッピーエンドだと捉えたけれど。(もし原文がかなり安直なハッピーエンドならばそれは翻訳の問題だと思うが。)この男を愛しているか分からないが、父の死から発される孤独感が猛烈に怖くて、とにかく目の前の腕の中に飛び込んでしまう。この女の混乱ぶりたるや素晴らしい書きぶりだし、このすぐ後にあるのはとんでもない不幸だという予感もきちんとある。背が冷え、切々と哀しくなるような素晴らしい短編小説だった。 とにかくフィッツジェラルドの女主人公短編集が読みたいのだけれど…どこかにそんな編集はないものか。
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スコット・フィッツジェラルドの「マイ・ロスト・シティ」の翻訳で作家のみならず翻訳家としても活動の幅を広げた村上春樹が、スコット・フィッツジェラルドのゆかりの地を巡るエッセイや、妻であるゼルダ・フィッツジェラルドに関する評伝、短編集の翻訳などを収めた一冊。 ゼルダ・フィッツジェラ...
スコット・フィッツジェラルドの「マイ・ロスト・シティ」の翻訳で作家のみならず翻訳家としても活動の幅を広げた村上春樹が、スコット・フィッツジェラルドのゆかりの地を巡るエッセイや、妻であるゼルダ・フィッツジェラルドに関する評伝、短編集の翻訳などを収めた一冊。 ゼルダ・フィッツジェラルドに関する評伝は、彼女の特異な人生と物悲しい晩年を知ることができ、面白い。また、2作収められた短編では、「リッチ・ボーイ(金持の青年)」は「グレート・ギャッツビー」に通じる主人公の悲哀とそれを冷静に見つめる友人兼語り手のコントラストが印象に残る。 よほどスコット・フィッツジェラルド、もしくは村上春樹の彼に対する愛情に関して興味がある人でないと勧める気にならないが、個人的にはなかなか面白かった。
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村上春樹が好きかと言うと やっぱり好きなんだろう スコットフィッツジェラルドが好きかと言うと やっぱりすごく、すごく、本当に好きなんだろう スコットの何が好きかって 太宰治と一緒。 自分を好きになれなかったり、挫折したり、悲観的だったり、楽しみに浸るべき時に一瞬しか楽しめない...
村上春樹が好きかと言うと やっぱり好きなんだろう スコットフィッツジェラルドが好きかと言うと やっぱりすごく、すごく、本当に好きなんだろう スコットの何が好きかって 太宰治と一緒。 自分を好きになれなかったり、挫折したり、悲観的だったり、楽しみに浸るべき時に一瞬しか楽しめない、または楽しむべき時にすら悲観的でいる。居ざるおえないその性格。歪んだものの見方が、自分と共鳴すると言うか、そういった作品を読み共鳴したつもりになりながら、そういった作品に助けられて(自分1人じゃないというね)、大人になってしまったから。 もっとハッピーですという明るい作品に包まれて世界は美しいとか思っていられたら、良かった。 でも結局、そうそう、そう思っちゃうんだよね。ひねくれてるからさ。苦しんじゃうんだ。辛いんだ。 という共感に、身を焦がす。 人が死ぬ。喜びの絶頂で。 忘れられていた悲しみが、胸に突き刺さる。 傷つくことが怖くて、見栄を張る、喋りすぎる。言ってはいけないことをつい口走ってしまう。 人と違うことがしたいのに、人と違うことが悲しい。 人と共鳴したいのに、絶対分かり合えないなどど思う。 そういう事を考えていて、悲しいだけで終わらないために、彼の本はあるんだと思う。
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舞台や映画のグレート・ギャツビーが好きで 今頃どういうわけかフラッパー・ファッションに 興味を持ったことがこの本を手に取るきっかけになった。 宝塚でフィッツジェラルドとゼルダのお話を舞台化した 原案もこの本であるらしい。 村上春樹さんは、近代アメリカ文学の良き紹介者でも あられ...
舞台や映画のグレート・ギャツビーが好きで 今頃どういうわけかフラッパー・ファッションに 興味を持ったことがこの本を手に取るきっかけになった。 宝塚でフィッツジェラルドとゼルダのお話を舞台化した 原案もこの本であるらしい。 村上春樹さんは、近代アメリカ文学の良き紹介者でも あられ、レイモンド・カーヴァーやフィッツジェラルド を早くから日本に紹介してこられた。 その蓄積があるせいか、この本の彼らの評伝は 紹介されているフィッツジェラルドの小品以上に リリカルでうつくしい。 ドライな文体なのに、フィッツジェラルドの作品の 持つ叙情性と端正さ、豪華さ儚さをよく示唆している。 ゼルダの作品も一冊に纏められた物が他の訳者さんで 出ているが、それも手に取ってみようか…。 ジャズエイジのファッションや音楽にも浸ろうか なんて思わせる一冊だった。 読みやすいし、ぜひ興味がある方には読んで欲しい。 燃え尽きる情熱と才能。こわれゆく美を湛えた クラシックなアメリカが描かれている。 私達が知っている喧騒のアメリカを背景に確かに 持ちながら、意外なことに貴族的な洗練と静けさ を求めて物凄いスピードで疾走し、割れてゆく。 全く違うアメリカンドリームの顛末を読むのも 興味深いのではないか。 スコットとゼルダは今もって 世界で最もドラマチックな恋人同士だが、 ロマンスと呼ぶべき香気を その軌跡は持っている。恋愛沙汰、ではなくて。 この本から色々広げて読んでいくと 彼らの友人だったヘミングウェイなど、 また違う面白さが味わえると思う。 そしてどういうわけか風と共に去りぬも 読みたくなった。不思議なものである。
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「ミッドナイト・イン・パリ」にご出演?されてたフィッツジェラルド氏の半生を追った旅行記や伝記など。「グレート・ギャツビー」を訳すための前準備的な本なのか?春樹さんはもともと好きみたいですね、フィッツジェラルド。
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村上春樹が影響を受けたというのがしっくりくる小説。 才能と類まれなる情熱を持った青年ギャッツビーと、大人しくてクールな傍観者である僕。僕は何もせず、回りのちょっと愚かな人たちの中で、青年期の不条理さを感じていく。情熱と愚かさと、それによって失われるもの。テーマが近い。
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