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名文で巡る国宝の阿弥陀如来 の商品レビュー

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2015/06/09

タイトルのとおり、国宝の阿弥陀如来像に関する名文を集めた一冊。 最近はわかりやすさが重視されすぎて、仏像の世界でも「サルでもわかる」的なまとめ方の雑誌や書籍があふれている。いわゆるマニュアル本だ。 私はマニュアルに書かれた見方から離れたい。 目の前のお像と静かに向き合い、その...

タイトルのとおり、国宝の阿弥陀如来像に関する名文を集めた一冊。 最近はわかりやすさが重視されすぎて、仏像の世界でも「サルでもわかる」的なまとめ方の雑誌や書籍があふれている。いわゆるマニュアル本だ。 私はマニュアルに書かれた見方から離れたい。 目の前のお像と静かに向き合い、その背景に心を向けたい。その上で内なる自分と向き合う。そんな時間が愛おしくてならない。 この本は、国宝の阿弥陀仏とそういう向き合い方をした文筆家の記録をまとめたもの。なかでも白洲正子の平等院は彼女のインサイトの深さが存分に描き出されており、感嘆のため息しかでない。 寺に詣でよう。阿弥陀仏に会おう。

Posted byブクログ