ゲームとしての交渉 の商品レビュー
学生時代に読み、大きめの交渉をする様になってもう一度読み、さらに十年以上経って読み、都合三度目。草野耕一さんの本は少な目なので、法律の専門書以外は全部読み、全面的に信頼している。 この前の総選挙と同時の信任投票のときに、最高裁判事になられているのを知って驚いた。 書いてある内容...
学生時代に読み、大きめの交渉をする様になってもう一度読み、さらに十年以上経って読み、都合三度目。草野耕一さんの本は少な目なので、法律の専門書以外は全部読み、全面的に信頼している。 この前の総選挙と同時の信任投票のときに、最高裁判事になられているのを知って驚いた。 書いてある内容は、利得マトリックスの状況別に、有効な交渉のやり方を述べたもの。決して、安易なハウツーものではなく、プロの交渉家としての規範について、論理的にかつ実践的に述べてあり、何度読んでも為になる。 ポーツマス条約締結前に東大法学部の七教授が出した文書(最低限死守すべき条件として、状況を全く弁えない条件をあげつらったもの)の見識のなさを指摘する箇所に、プロの交渉家としての自負心を感じる。
Posted by
20年ほど前に読んだ本を再読。大きく影響を受けていることを再確認した。交渉家である著者(草野耕一という弁護士で去年最高裁の判事になったというニュースを見た)が経験を交えながら、交渉の戦略について教えてくれた。また優秀な交渉家がどういったものかを教えてくれた。内容がすばらしいので星...
20年ほど前に読んだ本を再読。大きく影響を受けていることを再確認した。交渉家である著者(草野耕一という弁護士で去年最高裁の判事になったというニュースを見た)が経験を交えながら、交渉の戦略について教えてくれた。また優秀な交渉家がどういったものかを教えてくれた。内容がすばらしいので星5つ。 日清戦争の下関講和会議で、強者必勝型でないのに陸奥宗光があえて恫喝的な超強気の交渉をおこなったのは、日本側も弱みを持っているブラックメール型だったからこそという微妙な綾の解説など、なるほどの連続だった。 他には、 ・手っとり早く情報を集めるうえでしばしば効果的な方法は、相手のBATNAが何であるかを率直に相手に聞くことである。交渉家は多くの場合、真実か又はこれに近いことを答えるはずである。 ・どちらがバーゲニング・パワーを強く持っているかを直感的に知るには、いずれの当事者がより交渉に熱心であるか、その温度差を見ることだ。
Posted by
良くないと思いつつ、つい感情的になってしまう自分がいて、どうすればもっと上手く他人との話し合いをまとめられるか、ってのは永遠の課題。それに対するいくつかの示唆はもらえた作品だと思う。あとはそれをいかに骨肉としていくか、ですかね。
Posted by
[ 内容 ] 交渉とは闘争であり、また一方で、お互いの利益をはかるためのものである。 だが何よりも交渉はそれ自体として楽しいものである。 交渉の理論と経験を紹介しつつ、その楽しみを語る。 [ 目次 ] 1章 協調的交渉 2章 戦略的交渉 3章 強者必勝型交渉 4章 ブラックメー...
[ 内容 ] 交渉とは闘争であり、また一方で、お互いの利益をはかるためのものである。 だが何よりも交渉はそれ自体として楽しいものである。 交渉の理論と経験を紹介しつつ、その楽しみを語る。 [ 目次 ] 1章 協調的交渉 2章 戦略的交渉 3章 強者必勝型交渉 4章 ブラックメール型交渉 5章 チキン・ゲーム型交渉 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
Posted by
経験豊富な弁護士があらゆる交渉について 実例をあげながら解説した書籍。 かなりがちがちの文体で書かれているため読みづらいが 内容的には結構参考になることが書かれていた。 交渉の目的とゲームオーバーの定義などわかりやすい。
Posted by
弁護士の方が交渉術をゲームとして分析する。たとえば説得は「感情的説得」「功利的説得」「論理的説得」にわけられ場合によって使い分けられるという。 戦略的交渉はゲームマトリクスによって成分の大小関係により「強者必勝交渉」「ブラックメール交渉」「チキンゲーム交渉」に分類し詳細に検討され...
弁護士の方が交渉術をゲームとして分析する。たとえば説得は「感情的説得」「功利的説得」「論理的説得」にわけられ場合によって使い分けられるという。 戦略的交渉はゲームマトリクスによって成分の大小関係により「強者必勝交渉」「ブラックメール交渉」「チキンゲーム交渉」に分類し詳細に検討されている。「強者必勝交渉」はシンガポールにおける山下・パーシバルの交渉、「ブラックメール交渉」は下関条約を結ぶ際の陸奥・李鴻章の交渉、「チキンゲーム交渉」はポーツマス条約を結ぶ際の小村・ウィッテの交渉を例として挙げている。そのほか著者が実際に携わった事例も多く掲載されている。
Posted by
- 1