格差が遺伝する! の商品レビュー
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2007年時点での内容ではあるが、分かりきったことを並べているだけ、という印象。 データをもとに分析しているんだけど、著者のバイアスもだいぶかかってそう。 母親の4タイプとこどもの成績、というところがかなり乱暴で、のび太・スネ夫・ジャイアン・しずかちゃんのママに類型化されている。4タイプに分けるところまでは良いけどこの4タイプって全体から見ると偏ってる。しかもそれぞれのママの性格やパーソナリティなんて知らないし。。。そもそもこの4タイプの定義として、こどものこういうところに悩みを持っている、と書いてるあたり、因果関係を証明する根拠として成立していない。 全体を通してこれといって目新しい情報はなかったものの、襟を正すという意味では読んで良かったかな、とは思う。
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そりゃそうだよね、そっちの方が学力上がりそうだよね、ということを数値的に示してくれている本。親の素質が問われる部分を突きつけられると、求められるものの大きさに負けそうになる。 文中で気になったのは、土日休みと文化体験スクールというキーワード。 土日休みの親の方が子供の学力が上がり、夫婦生活の満足度が上がり、いいことだらけだが、社会的に土日の労働力の必要性は増している。それにより土日休みを取れる夫婦は減少しており、特に低学歴や低収入の夫婦はそれらの職種に就いていたり、時給の高い土日に働かざるを得ないことが多い。それによって貧困やいわゆる下流化の再生産されるという話。 文化体験スクールは放課後に文化的な豊かな経験を与える場を作ると良いのではないかという話。スポーツ観戦、クラシック鑑賞、職業体験など。文化体験は非常に重要だと思うが、この重要性を認識できるかどうかという点で既に格差があるかもしれないと感じた。重要と思っている家庭では既に様々な文化体験を積極的にさせているだろう。だからこその提言なんでしょうが…。
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子供の成績は親の経済力に比例するというのをインターネット調査を使って明らかにしている. ただ調査対象が一都三県(神奈川・埼玉・千葉)なので,まあ限られた母集団でのなかでの調査であることに注意.でも感覚的には理解できるかな.
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親の経済力が、子供の成績や進学に相関性があるということは、昨今指摘されていることである。本書は、インターネットによる実際に子供を持つ家庭にリサーチを行い定量的にその問題を検証している。著者は親の経済力が子供の成績に直結しているしているというよりも、食事をきちんと摂る、読書をするな...
親の経済力が、子供の成績や進学に相関性があるということは、昨今指摘されていることである。本書は、インターネットによる実際に子供を持つ家庭にリサーチを行い定量的にその問題を検証している。著者は親の経済力が子供の成績に直結しているしているというよりも、食事をきちんと摂る、読書をするなど親の行動や生活習慣などが子供に伝承された結果であると指摘する。下流という層に属する人達が、極端にいえば無気力で向上心が無く、生活に希望を持っていない現状が格差を固定化し、子供達もその枠の中抜け出すことが出来ないことが、本書のタイトルにある「格差の遺伝」ということである。こうした指摘の根拠となっているのはアンケートの数値結果のみであり、著者も認めているように仮説である。こうした議論の説得力という点では、物足りない感じは否めないが、だらしの無い、無気力な親から、向上心旺盛、学力も高く、コミュニケーション能力に秀でた優秀な子供達はそうそう育たない、ということは直感的に理解はできる。 問題の本質はやはり、もしくはがんばりが報われるという社会においては、格差の固定化が本人のコントロールできる以外の側面で行われてしまっているという実態があるということであろう。本書では、そうした問題の指摘はあるものの、残念ながら解決策としての政策提言の域には踏み込んでいない。あくまでも、アンケート結果の定量的分析のみを基にした主観論が全体を通して述べられており、本書の内容を稚拙なものにしているのは残念である。
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2007年刊行。内容はタイトルどおりであり、その具体的な内容がアンケートデータをもとに列挙される。苅谷教授の研究テーマと被ったり、他の類書が多数存在することから二番煎じ、三番煎じの感なしとしない。立ち読みで十分。
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副題の「子どもの下流化を防ぐには」というタイトルに惹かれてこの本を手に取りました。読み進めていくうちに、うなずくことしきりでした。作者は、「下流」を単に所得が低いと言うことではなく、意欲が低い人たちと定義しています。周りに意欲が低い子どもがいる人たちには、下流を再生産させないため...
副題の「子どもの下流化を防ぐには」というタイトルに惹かれてこの本を手に取りました。読み進めていくうちに、うなずくことしきりでした。作者は、「下流」を単に所得が低いと言うことではなく、意欲が低い人たちと定義しています。周りに意欲が低い子どもがいる人たちには、下流を再生産させないための必読書です。
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目新しい話が一つもない。 わかりきったことを、という感じ。 ただ、読んだ後、現実の厳しさに切なくなる。
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データの羅列とちょっと著者の思い込みっぽい分析。 そもそも「成績のよい子=上流」なのか? そうなる可能性は高いとは思うが、それすら崩れてきているのが現実なんじゃないの?
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統計のデータで判断をし過ぎているとしかいいようがない。 自分の意見を統計データにすり替えているような印象を受ける。
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かみさんが買ってきた本だ。かみさんは斜め読みしてやめたらしい。 「よくもまあ、こんなわかりきったことを」 これが私とかみさんの共通した感想だった。 統計をもとに下流でやる気のない親のもとに生まれた子供はやはり同様に育つことを読み解いている。「下流社会」は読んでないがその内容は何と...
かみさんが買ってきた本だ。かみさんは斜め読みしてやめたらしい。 「よくもまあ、こんなわかりきったことを」 これが私とかみさんの共通した感想だった。 統計をもとに下流でやる気のない親のもとに生まれた子供はやはり同様に育つことを読み解いている。「下流社会」は読んでないがその内容は何となくわかっている。この本はそれを少しだけ展開しただけで、目新しい情報は皆無だった。 また、我々は統計というものは結論が先にあった場合、それに近づけて読み取れるし、都合の悪い統計を隠すこともできてしまうことを知っている。それに、統計の中で子供の学力を母親の自己申告にしているのも若干信憑性に欠ける。 今、学校の通知表で親は子供の学力を推し量れなくなっている。「できる」と「もうすこし」の評価では、オール「できる」であっても、かつてのオール5かもしれないしオール3かもしれない。上流の親はそれでもうちの子はできると思いたしだろうし、中流の親はそれが「普通」と考えるかもしれない。5段階評価の復活を望みたい。 ところで、あとがきに宝島社の女性が提案したタイトルが過激すぎて紹介できないとあるが、そのタイトルはおそらく『下流の子は下流』であろう。(もちろん「蛙の子は蛙」のもじりね)
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