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働かない の商品レビュー

3.6

10件のお客様レビュー

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2021/08/18

古今東西の働かない人、怠け者の流派やスタイルを紹介するような本。 著者の息子が働かないでダラダラしているので本書を執筆したとあるが、肝心の著者が「働きたくない」「何もしたくない」(本書の原題はDoing Nothing)人の気持がみじんも分かっていないので、どうも話に出てくるエピ...

古今東西の働かない人、怠け者の流派やスタイルを紹介するような本。 著者の息子が働かないでダラダラしているので本書を執筆したとあるが、肝心の著者が「働きたくない」「何もしたくない」(本書の原題はDoing Nothing)人の気持がみじんも分かっていないので、どうも話に出てくるエピソードが空回りしているように見える。 反体制のサボタージュで働いていないって、それはさすがに特殊な例でしょうよ。 自分は無気力で働かない・働けない人の大元にあるのは「虚無」「疲労」「諦観」と「居心地の良さ」が同居した奇妙な状況だと思うのでそのヒントがあればと思ったが、特に参考になるような記載はなかった。

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2019/09/08

働かない系の本は、近年でこそインフルエンサーが遊びが仕事になるみたいな話で盛り上がってるけど、歴史的にはあまり語られてない。 人文・社会学の範囲から色々言ってて、一回だとわかんないからまた欲しくなったときにみよ。

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2017/02/12

タイトルが最高。本棚に置いてみるといい。厚さ2センチの背表紙にデカデカと書かれた「働かない」の文字をみるたびにビックリする。 18世紀から現代までの英米の怠け者たちを追っていく。 労働に反抗する「怠け者」たちはいつの時代もいたことは心強い。 (それぞれの時代背景や思想は違っている...

タイトルが最高。本棚に置いてみるといい。厚さ2センチの背表紙にデカデカと書かれた「働かない」の文字をみるたびにビックリする。 18世紀から現代までの英米の怠け者たちを追っていく。 労働に反抗する「怠け者」たちはいつの時代もいたことは心強い。 (それぞれの時代背景や思想は違っているが) 最後に日本のフリーターの話も出てくる。2017年にはちょっと時代遅れか? 読んでると気持ちが揺さぶられ自分の労働倫理について考えたくなる。 バートルビーの「しないほうがいいのですが」(I would prefer not to)の言葉は座右の銘にしたい ちょっと高めだが、買う価値は十分ある。 しかしこの大著を書いた著者も翻訳者も「働かない」とは真逆の労苦をしなきゃいけないのは皮肉な話だ。 ていうか500ページを読むのも重労働だし。

Posted byブクログ

2015/06/01

働かない生活を目指した偉大?な先人たちの記録がとてもよくまとまっている。 志を同じくする自分としては残念なのだが、こうした偉大な先人たちが成しえなかった「働かない」生活をするのは困難だという風に思えてきて、いまは「なるほど、ならば働かざるをえまい」と思うようになってしまった。 ...

働かない生活を目指した偉大?な先人たちの記録がとてもよくまとまっている。 志を同じくする自分としては残念なのだが、こうした偉大な先人たちが成しえなかった「働かない」生活をするのは困難だという風に思えてきて、いまは「なるほど、ならば働かざるをえまい」と思うようになってしまった。 また、産業革命直後の労働環境の過酷さなどについても勉強になった。

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2014/11/23

米国文化史を講じる著者が「怠け者」の誕生とその類型を語ったもの。 古代ギリシャやキリシタンの教えに見えるように、元来労働とは罰であり怠けるのが自然の姿であったが、産業革命以降の勤労倫理がこれを批判し、やがて「怠け者」の概念が生まれたとの指摘。 ゼークトの組織論に通じるものを感...

米国文化史を講じる著者が「怠け者」の誕生とその類型を語ったもの。 古代ギリシャやキリシタンの教えに見えるように、元来労働とは罰であり怠けるのが自然の姿であったが、産業革命以降の勤労倫理がこれを批判し、やがて「怠け者」の概念が生まれたとの指摘。 ゼークトの組織論に通じるものを感じます。ヒトの本性に従うならば、有能で怠惰な者は司令官に、無能な働き者は即時銃殺という主張は実に理に適ったものでありましょう。 また「何もしない」という気高い余暇の態度。樽に住んだ思想家ディオゲネスの理想にも通じます。 突き詰めると、現代の無政府ポゴ党のスローガン"全ての労働はクソである"に至るように思います。とはいえ、これは自明のことなのであえて声を荒げて主張するまでもありません。 ○労働に対する嫌悪は、時の始まり以来の規範であったとすら言えるかもしれない。…つまり生存に不可欠な労働とは、ユダヤーキリスト教の伝統にあっては原初の呪いであり、原罪に対する罰なのである。古代ギリシャ文明において神々と人間とを峻別するのは、神々が「労苦と不幸から遠く離れて」いることだとヘシオドスは書いている。…古代ギリシャにおける労働とは、堕落した世界のなかで死すべき人間に課せられた呪いであり、奴隷の領分、頽廃の罰、あるいは債務であった。 ○私たちはいつも余暇の権利について話すが、怠惰の権利について話したことはないのに気がついたことがあるだろうか?さらに言えば、ここ現代の欧米社会において、「何もしない」ことは本当に存在するのだろうか。私とはまったく異なる、より厳しく、より疎外された勤勉な生活をしている人々ですら、自由な時間に「何もしない」ということをしない。彼らはいつも何かしている。 ○例えば日曜日のように、普段の活動をすべて停止できるとき、彼は幸せを感じる。「なぜなら、予定が何も詰まっていない一日、怠惰でいられる静かな一日、それはつまり自由であるということだからだ。現代の怠惰の気高い形態が最終的に行き着くところは、自由だからである」

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2014/04/13

// memo 副題の「「怠けもの」と呼ばれた人たち」のとおり、もう史上の怠け者やそれを支持する理屈をあれこれ集めた本。根性すわった怠け者から軟弱な怠け者(というのはつまり働き者、ということなんだろうか?)、屁理屈から上のラファルグのような真面目なものまで様々。別にそこからすごい...

// memo 副題の「「怠けもの」と呼ばれた人たち」のとおり、もう史上の怠け者やそれを支持する理屈をあれこれ集めた本。根性すわった怠け者から軟弱な怠け者(というのはつまり働き者、ということなんだろうか?)、屁理屈から上のラファルグのような真面目なものまで様々。別にそこからすごい教訓を引き出すわけではないけれど、仕事が嫌いなのは別に罪ではないので、その確認の意味でもどうぞ。

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2013/07/26

働かない人間に腹が立つのはなぜか?という自分の息子の姿を見て感じた疑問から怠け者の歴史研究をする著者。が、背景・経緯・構造等々はある程度解明できたものの、その答えは明確化できなかったように思う。(が、多少のモヤモヤは晴れてある程度スッキリはしたような) 本書を通じ、労働倫理という...

働かない人間に腹が立つのはなぜか?という自分の息子の姿を見て感じた疑問から怠け者の歴史研究をする著者。が、背景・経緯・構造等々はある程度解明できたものの、その答えは明確化できなかったように思う。(が、多少のモヤモヤは晴れてある程度スッキリはしたような) 本書を通じ、労働倫理というものは「働かざる者食うべからず」「天職」といった宗教的価値観(日本の場合は武士道らしい)によるある種の刷り込みによるもので、結局は怠ける事は罪ではなく、人間の真の欲求なのではという印象を受けた。それが、自分が怠けている・何もしないで何かを得るときは罪悪感と同時に喜びを覚える一方で、他人が怠けているときには、笑いや嫉妬や怒りの感情が引き起こされるという事の説明になるのではないだろうか。(という事は、不労所得を得る事が天職という思考回路を得たなら最強なんだろう) が、著者は結論的に次のように述べ、どちらの立場もとらない。「労働に対するふたつの立場は、お互いを煽りたててより極端になっていくかもしれない。だが、ふたつはともに、反対からの圧力にもなれながら、働くことをめぐる私たちの感情をかたちづくっていく。私たちの文化に存在し、私たちの原動力となっているふたつの主要な幻想―すなわち、完璧に実現された天職という夢と、罪悪感ぬきでのんびり暮らす夢―を打ち砕いていきながら。労働倫理とスラッカー倫理は、こうした幻想に異議を申し立て、労働生活に対する私たちの考え方を改めさせる。そしてこのプロセスは、人々の生活が絶え間なく変化していくにつれ、繰り返し必要となるのである。」要するに幻想的な両者を単純な二元論で語るではなくスペクトラムとして捉え、両極の間を揺れ動きながらバランスを取っていくしかないのかもしれない。(ここがどうもスッキリしないところではあるんだが、きっと自分は二元論に縛られてるんでしょう。もう少し中道を大切にしたいです) 日本人は釣りバカのハマちゃんやフーテンの寅さんに怒ったりはしない(最近は怒る人もいるらしいが)。これは非現実的な映画の世界と言ってしまえばそれまでだが、自分の中の怠ける倫理への願望を素直に認める勇気も必要だろう。が、「怠け者なら孤独になるな、孤独なら怠け者になるな」には留意する必要があるのかもしれない。 本書は欧米の歴史書のような体裁なので、具体例が多すぎてかなり冗長で読みにくい。もう少しコンパクトにして欲しかった。

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2013/06/02

 最近ではニートとかひきこもりとか、昔でいえばヒッピーとか、産業革命が起きてから「働かない」という生き方をする人たちがいた。  それは、産業革命以降は、時代の「働く」という価値観が常に変わり続け、「当たり前に働く」という「当たり前」が失われたからでもある……ように思う。  しか...

 最近ではニートとかひきこもりとか、昔でいえばヒッピーとか、産業革命が起きてから「働かない」という生き方をする人たちがいた。  それは、産業革命以降は、時代の「働く」という価値観が常に変わり続け、「当たり前に働く」という「当たり前」が失われたからでもある……ように思う。  しかし、働かない……と言うことについて真面目に書きすぎです! 読み応えが半端なくあった。

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2012/08/31

怠惰論を構築しただけで素晴らしい。ただし、パラグラフリーディングが全くできないくらい、文章の構成が不明でまとめの箇所もなくて読みにくい。ま、この本を読んでるようじゃー本物の怠け者にはなれないんだろなー。

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2009/11/30

400ページ以上にわたり、働かない怠け者(スラッカー)と 勤労者との主張が書かれている本。 著者の息子の怠惰とそれを見て怒る著者から始まり、 さまざまな時代の勤労主義と怠惰(スラッカー)主義を対比させる。 ベンジャミンフランクリンとサミュエルジョンソン、 マルクスとラファルグ...

400ページ以上にわたり、働かない怠け者(スラッカー)と 勤労者との主張が書かれている本。 著者の息子の怠惰とそれを見て怒る著者から始まり、 さまざまな時代の勤労主義と怠惰(スラッカー)主義を対比させる。 ベンジャミンフランクリンとサミュエルジョンソン、 マルクスとラファルグなどを対比させ、 時代背景を交えながら労働の歴史のアウトラインをなぞる事が出来ました。 日本のフリーターに関する記述もあります。 労働と怠惰はいつの時代にもセットで存在し、 いくら規則で縛ったとしても解決はされなかった。 だからこそ、これらとうまく付き合っていかなければならないのかなと思いました。 休む時は休む!仕事するときはする! 実際にこの「働かない」という本を読むのにかなり「労力を費やし」ました。 ただ、ある程度の哲学の知識やアメリカの時代背景などが分からないと 理解しにくい個所が多いです。 私も読んでいてわかりにくいところが多かった・・・。

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