犯罪不安社会 の商品レビュー
日本はいったいどうなってしまったのだろうか? こうなりゃ、戦前のなく子も黙る特高警察級の警備が必要でないだろうか。そして少年だろうとなんだろうと徹底的に罰するべきだ。凶悪犯は改善の余地なんてないんだから。平和な日本が来ることを祈願。
Posted by
国民の不安をあおって、それで儲けている誰かがいる。 そんな気がしました。 とりあえず、マスコミの言うことはまず疑ってかかるようにします。
Posted by
治安悪化神話。確かに。納得して安心してしまった。刑務所の福祉の砦化、社会のセーフティネットに漏れた人の犯罪者化、等、「何となく聞いたことがある」話ではあったが改めて社会の仕組みを考えた。090130
Posted by
取り締まられるのは誰なのか? 規制が進めば進むほど「犯罪者」「法律違反者」は、実際の治安とは関係なく増えます。昨日まで問題なかったことが、今日から違法になるのだから当然ですよね。「犯罪者予備軍」を「犯罪者」として取り締まり出すと、取り締まられない人間はいなくなります。絶対に犯罪を...
取り締まられるのは誰なのか? 規制が進めば進むほど「犯罪者」「法律違反者」は、実際の治安とは関係なく増えます。昨日まで問題なかったことが、今日から違法になるのだから当然ですよね。「犯罪者予備軍」を「犯罪者」として取り締まり出すと、取り締まられない人間はいなくなります。絶対に犯罪を犯さない事を証明する事はできませんから。周りの不審者を取り締まって安全になったつもりが、自分が不審者として取り締まられる事になりかねません。
Posted by
メディアに惑わされない目を持とう、っていう本。 刑務所の実態の側面を知ることができたのでよかった。
Posted by
治安悪化という言説を統計データの分析で打ち破った最初の章が、すべて。環境犯罪学への批判もよかったけど。
Posted by
犯罪白書を見ると凶悪犯罪は減少傾向にあるのに、マスコミに煽られている現状をキチンと説明しているのが◎ 隣人を犯罪者予備軍としてしか見做せない社会なんてイヤです。
Posted by
【社会】(2007年8/4) 私自身、「犯罪は増えている、凶悪犯罪は特に悪質化している」と思い込んでいたが、そのような一般の意識が実はメディアの論調変更の影響による部分が大きいという話。正直、目からウロコがとれた思いがした。宮崎勤と小林薫の事件を比べたとき、事件の内容や加害者の異...
【社会】(2007年8/4) 私自身、「犯罪は増えている、凶悪犯罪は特に悪質化している」と思い込んでいたが、そのような一般の意識が実はメディアの論調変更の影響による部分が大きいという話。正直、目からウロコがとれた思いがした。宮崎勤と小林薫の事件を比べたとき、事件の内容や加害者の異常性はそれほど差は無いにも関わらず、メディアの取り上げかたが全く違ったという話は納得させられた。10数年前の「加害者にばかり興味がいく風潮」は自身もおかしいと感じていたが、現代の「不審者(と思わしき人)は社会から排除していく」という風潮は、よもすれば追い詰められた犯罪者を増やしかねないということで、危険ですらあると感じられた。読み終わってなぜか「雇用問題を何とかしなければ」という考えになっていた。
Posted by
日本の安全神話は本当に崩壊したのだろうか?という根源的な問いから始まる本書は、日本社会の問題点を「犯罪」という視点から精緻に分析した新書とは思えないほど完成度の高い一冊である。 一章では浜井氏が種々の統計の的確な分析により、政治家やメディアで「言論人」と呼ばれる人々が「治安は...
日本の安全神話は本当に崩壊したのだろうか?という根源的な問いから始まる本書は、日本社会の問題点を「犯罪」という視点から精緻に分析した新書とは思えないほど完成度の高い一冊である。 一章では浜井氏が種々の統計の的確な分析により、政治家やメディアで「言論人」と呼ばれる人々が「治安は悪化している」と叫んでいることがいかにいい加減で根拠の無いことかがよく分かる。論文を下敷きにして書かれたものだけあって非常に緻密であり、それでいて分かりやすい。この章だけで一冊の新書を成しうる完成度である。社会学者ジョエル・ベストの「鉄の四重奏」schemeは犯罪「不安」の悪化プロセスを分かりやすくモデル化していて大変参考になった。 2章では芹沢氏が犯罪総数は減少しているにもかかわらず特定の「凶悪」犯罪がなぜこれほどにクローズアップされ、またそのクローズアップされた報道がどれほど実社会に影響を与えているかということを社会学的観点から解き明かしている。犯罪者は社会の歪の犠牲者という論調から怪物としての犯罪者を排除すべきという論調へと変化していく時間的・犯罪史的プロセスが説明されていた。 3章は「犯罪不安社会」の出現と「地域コミュニティの再生」がいかにリンクし、またそれがどういう帰結をもたらすのかが記される。大変逆説的ではあるが、地域コミュニティの再生を志向すればするほど人間相互の不信は煽られるということである。 そして最も衝撃を受けたのが4章。刑務所の社会的役割(受刑者を断ることは出来ない)を前提に、弱者切捨ての縮図としての刑務所の実態を描写している。例示として挙げられた刑務官と受刑者との面接シーンは、滑稽でありながらも衝撃的である。また、無期刑の受刑者が15年ほどで仮出所するという言説がいかに根拠の無いものであるかをデータを元に述べている(恥ずかしながらこの事実は知らなかった)。著者が法務省出身者で、刑務所運営の現場に居ただけあって説得力のあるものだった。 最後に、本文より・・・「官公庁の公的資料である白書は、その発行までに(中略)いくつものスクリーニングを経る必要があり、その過程でいろいろな利害調整や他の政府見解との整合性がチェックされる。つまり白書の文章には相当の手が入ることになる。統計は客観的な数値であるためにあまり手が入らない。白書を資料として分析するコツは文章にとらわれずデータや統計を虚心坦懐に読み取ることである。白書の命はデータにあるのだ。」 公開資料分析の姿勢について、その大切さを端的に示しているといえる。 総じて新書とは思えない完成度の高さだった。警備会社の勃興に象徴される市場としての「犯罪対策」が成立してしまっている今、本書にある「信仰に基づく犯罪対策」がはびこっている現状は変わるのだろうか?「治安が悪化した」原因は規範意識の低下でもなんでもない。そもそも治安なんて悪化していないのだから。「古きよき時代」へのノルスタジーでしかない「美しい国」を標榜する安倍首相初めとする政治家に是非読んで欲しい一冊である。
Posted by
統計ってのはいかようにも見せられる。データの意味を理解していかなければ。今の治安悪化(のイメージ)はメディアのミスリードか。
Posted by