日本人になった祖先たち の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
何処より来たりて -2008.05.12記 篠田謙一著「日本人になった祖先たち」-副題:DNAから解明するその多元的構造-によれば、 現在のDNA分析と化石の研究といった知見から、現代人に直結する新人は20万年~10万年前にアフリカにあらわれ、 出アフリカは8万5000年~5万5000年前頃、地球上の各地へと拡がっていった、と類推されている。 写真の図は、その世界拡散の経路と時期のあらましを示したもの。 中東から東へと、アジアに向かった集団がオーストラリア大陸に辿り着くのが4万7000年前、 東アジアにもほぼ同じ頃到達したと見られ、西のヨーロッパに現れたのははおよそ4万年前と考えられている。 日本列島へは、東南アジア諸島の南方海上の道から、あるいは東アジアの朝鮮半島から、さらにはシベリアからの北方ルートと、それぞれ時代を隔てつつ重層していることになる。 1万5000年前頃になると、当時は陸橋だったベーリング海を越えてアメリカ大陸へ進み、 またたくまに南アメリカの最南端にまで到達している。 人類にとって最後に残された未踏の地は、南太平洋に点在して浮かぶ島々やニュージーランドだった。 このルートは、今から6000年ほど前、中国の南部か台湾あたりにいた先住民が農耕をたずさえて南下を始めたことに端を発し、東南アジアの海岸線を進み、パプアニューギニアへと辿り着く。 そして3000年ほど前、そこをベースに南太平洋の島々へと乗り出し、 ほぼ1000年以上の年月をかけてこの広大な海域に行き渡るようになる。 最終の地とみられるニュージーランドに達したのは今からわずか1000年前のことだ。
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現在が2018年で、本が出版されたのが2008年なので、少々古い本ではありますが、江戸期の日本人の学びを知るための勉強の一環として、思想面だけでなく、さまざまな側面で日本の歴史を学んでます。その一つとして分子人類学の観点からの日本人の成り立ちを知りたいと思い、購入しました。 母系...
現在が2018年で、本が出版されたのが2008年なので、少々古い本ではありますが、江戸期の日本人の学びを知るための勉強の一環として、思想面だけでなく、さまざまな側面で日本の歴史を学んでます。その一つとして分子人類学の観点からの日本人の成り立ちを知りたいと思い、購入しました。 母系の遺伝を知るためにミトコンドリアDNAの変異とグループが役に立つこと、分子人類学的にも、代表的な日本人の由来説である「二重構造論」を支持すること、父系遺伝は細胞核のY染色体の遺伝子が役に立つが、ミトコンドリアDNAに比べてまだ研究が進んでいないこと、特に古人骨の分析はできないことなどが要点と感じました。 特に、分子人類学の観点から見たときに日本人は二度、大変大きな体格の変化を経験していて、縄文から弥生と、そしてもう一つが江戸から明治の時代移行だったとのことです。歴史的、思想的、また現代日本人の学びの原点である江戸期の教育を捨て去ったという点でも、この明治維新は大変に大きな転換点でしたが、精神面のみならず、肉体面でも著しい変化を遂げていたというのはある意味ショックでした。江戸の末期、西洋の学者が駕籠かきの驚異的な体力の元を知るために、彼らの主食であった芋から肉食にした途端、全く力が出なくなってしまったという報告がありました。体躯的には現代日本人とは比較にならぬほど、こじんまりとしていた当時の日本人ですが、強靭さという面では、いわゆる産業革命により一足早く発展したと思われている西洋、そのために福沢諭吉始め、明治初期の偉人たちはこぞって西洋化を進めたわけですが、江戸の時点で市民生活は十分に満ち足りて、幸せな社会を日本は構築していたことがわかります。これは歴史人口学の研究成果からも裏付けられている。 そんなところへ、明治維新によって日本人は精神どころか肉体までも改造されて滅んでしまったということは実にショッキングな話です。 著者は最終章で、 私たちはかつて、「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理念を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と宣言したことがあります。… DNAを用いた人類の由来に関する研究は、この日本国憲法前文の精神の正しさを生物学の立場から保証しているように思えます。 と書いてますけれども、実に本末転倒な話で、現実離れした締めくくりであったのは少々残念です。(逆にこういった締めくくりだからこそNHK出版が出したのでしょう。 この10年でY遺伝子による人類系譜の研究も進んでいるということなので、最近の別の本を読んでみようと思います。
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日本人になった祖先たち 篠田謙一 NHK ミトコンドリアDNAの分析技術の進歩により大きな事実が見えてきた 骨の遺伝子から家系部とは別の母性系列のよる祖先を遡る その結果一人のアフリカ女性に人類全ての発生を見ることができる 考古学や人類学とは別の観点から紐解く日本列島人 旧石...
日本人になった祖先たち 篠田謙一 NHK ミトコンドリアDNAの分析技術の進歩により大きな事実が見えてきた 骨の遺伝子から家系部とは別の母性系列のよる祖先を遡る その結果一人のアフリカ女性に人類全ての発生を見ることができる 考古学や人類学とは別の観点から紐解く日本列島人 旧石器人・縄文人・弥生人・・・現代人の有り様を地球規模の流れの中で 読み解いていく新たな証拠と展望 見てきたような小説もどきであったかつての バラバラの証拠をつなぎ合わせながらの推測も面白いけれども 証拠の隙間を埋めるDNAに刻まれている暗号を解くスリルは格別のものだ 更にスゴイのは第十章の「DNAが語る私達の歴史」である 未来を見通すDNA的世界観へと導く著者の思想と人間性 末法と呼ばれるこの混沌と行き詰った暴力社会の夜明けが見えてくるようだ 205ページ以降を読み解く 国家と民は別の存在と考えるべきである 国ができる前にそこに住んでいる様々な民がいるわけなので 侵略にならないようにこの基本を認識している必要がある 直接の子孫と周辺に暮らす親戚がいることも考えて行動する必要がある 近い関係ほど複雑な利害関係が生まれるのでだけれども 本質的にいがみ合う必然性などないことを理解している事が大事 血統とDNAをどうとらえるか 血統とか家系は利己的な対立を生み出し 競争とか権利とか所有という概念によって争うことにつながる これを遺伝子情報から紐解くと一人ひとりが2万個以上の遺伝子からなり それだけの数の系統をお互いのもっていることになる 男をイメージしてしまうY遺伝子もその2万分1にすぎないことを 認識するべきなのだろう 核のDNAは受精の度に組み換えされて伝わるので系統を遡ることは不可能 ミトコンドリアDNAやY染色体のDNAも集団的な解析を可能にするだけで 個々の過去を探し出せるわけではないことを理解しておく必要がある 個々の遺伝子が何万年もの長い歴史を持っていても その組み合わせは一人ひとりのものであると同時に 様々に立体的なネットを構成しているというわけだ 人類皆親類であり大家族の中の個性ある一人ひとりだということだ 原則として交流は緩やかに流れることが大事で 旅する者が侵略にならない形を選ぶ必要がある 数の論理で相手を破壊するのではなく 切磋琢磨による発見と変化をたのしむべきなのだ 過去をベースとする経済などの物的な社会価値観にのみに とらわれたグローバリズムでなく 意識という全体観をベースとするグローバリズムを視野に入れた 両輪によるバランスの取れた未来を創造していくことが 調和を目指す幸福感でお互いの心を満たす唯一の方法なのだろう
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日本人の身体的特徴が大きく変化したのは、これまで2回 ①縄文→弥生 ③江戸→明治 これまで、縄文→弥生の変化は、同じ人種が変化したのか、大陸から大量の移民が来て変化したのか、議論あったが最近では、大陸からの移民説(二重構造説)のほうが、遺伝子から見ても有力らしい。 では、縄文人は...
日本人の身体的特徴が大きく変化したのは、これまで2回 ①縄文→弥生 ③江戸→明治 これまで、縄文→弥生の変化は、同じ人種が変化したのか、大陸から大量の移民が来て変化したのか、議論あったが最近では、大陸からの移民説(二重構造説)のほうが、遺伝子から見ても有力らしい。 では、縄文人はどこから来たのか、というと色々とわかれているらしく、①起源地は3万年前のバイカル湖周辺で、一部は北方からアメリカ大陸に渡り、一部は南下して東アジアに広がった起源 ②東南アジアが分布の中心であるグループ のミックスではないのか、という説が言われている。 日本は実は複数の異なる集団から構成される多民族集団である。
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ミトコンドリアDNAの解析により、母型の系統をたどり民族移動を推測する話。 1.日本人にはほぼすべてのハプロタイプが存在する。 2.4人に一人がD型のハプロタイプ、7人に一人がB型のハプロタイプ すべての遺伝子はアフリカに起源を持つが、そこからの分岐があり、アフリカ集団、アジア...
ミトコンドリアDNAの解析により、母型の系統をたどり民族移動を推測する話。 1.日本人にはほぼすべてのハプロタイプが存在する。 2.4人に一人がD型のハプロタイプ、7人に一人がB型のハプロタイプ すべての遺伝子はアフリカに起源を持つが、そこからの分岐があり、アフリカ集団、アジア集団、ヨーロッパ集団に分類されている。 4万年前の中国南部に起源を持つとされるB型は東南アジアとともに日本にも分布しており、さらに太平洋の島々、南米にまで分布を広げている。一説によるとこれが縄文人。かなり古い時期にこの移動があったと考えられている。ただし、現在の東南アジア内陸部の主流はF型で、B型は山岳部に限られる。日本では、この基層の上に、中央アジアから東アジアにかけて優勢であり世界でも一番人数が多いとされるD型が入り込んできたとされる。これはアメリカの先住民族でも見つかっている。これが弥生人。 ミトコンドリアハプロタイプの分析だけで、その特徴や移動を説明しきれるわけではないし、他の遺伝子解析(Y染色体による父型分類)によっても解析できたりもするが、現実のDNAタイプによる分類は、病気のかかりやすさ等の研究にも応用できるかもしれないという意味では、実益がある。 微妙な問題を含む可能性はあるものの、国や民族の歴史自体がせいぜい数千年の話なので、遺伝子集団を中心に考えるほうが、様々な問題や対立について、より正確に事実を認識できるのかもしれない。
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この本の内容も、今では時代遅れになってるのかな。 よくわからないけれど、一人一人の人間の違いなんて、誤差の範囲に思えてくる。 本土日本人 甕棺人骨
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ネアンデルタール人のような旧人がアルリカで生まれ世界に拡散し絶滅し、数十年前、直接的な人類の先祖が再びアフリカで生まれた。女性だけに受け継がれていくミトコンドリア遺伝子のパターンから、人類がどんなルートで世界に拡散していったのかを科学的に追うサイエンスストーリー。アイヌや琉球民族...
ネアンデルタール人のような旧人がアルリカで生まれ世界に拡散し絶滅し、数十年前、直接的な人類の先祖が再びアフリカで生まれた。女性だけに受け継がれていくミトコンドリア遺伝子のパターンから、人類がどんなルートで世界に拡散していったのかを科学的に追うサイエンスストーリー。アイヌや琉球民族のマイノリティーを除けば単一民族という意識を思いがちな日本人だが、DNA的な観点からみれば、充分すぎるほど、多種多様の血がいりまじっている。瀬名秀明のパラサイトイヴをもう一度読んでみようかな。
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遺伝子検査して興味が出たので、ざっと読み。 ミトコンドリアDNAによる分類で、(母方だけの)自分のルーツがわかる。ちょっと面白かった。
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日本人がどこから来たのかをDNAレベルで解析した研究に基づき書かれた本。 DNAやミトコンドリアから、人類の移動ルートや時期がある程度特定されていると言う事を聞き、現代の技術力はとんでもないところまで進化しているんだと痛感した。 そもそも学術書に近い感じの文書なので非常に読む...
日本人がどこから来たのかをDNAレベルで解析した研究に基づき書かれた本。 DNAやミトコンドリアから、人類の移動ルートや時期がある程度特定されていると言う事を聞き、現代の技術力はとんでもないところまで進化しているんだと痛感した。 そもそも学術書に近い感じの文書なので非常に読むのが大変だった。
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筆者は分子人類学という、DNAの解析により人類の歴史や成り立ちを紐解こうという学問をされています。 主に、母系に引き継がれるミトコンドリアDNAの解析によって、アフリカを出た人類がどのようにアジアへと拡散し、日本にたどり着いたのか? 日本人というのはもともとどこからやって来た...
筆者は分子人類学という、DNAの解析により人類の歴史や成り立ちを紐解こうという学問をされています。 主に、母系に引き継がれるミトコンドリアDNAの解析によって、アフリカを出た人類がどのようにアジアへと拡散し、日本にたどり着いたのか? 日本人というのはもともとどこからやって来た人々によって形成されたのか? を考察していきます。 アフリカを出てアジアを通り、アラスカからアメリカ大陸へという流れがあった、ということは聞いたことがありましたが、それがけして一本道では無く、何度か波のようにそういった流れがあったというのは、言われてみればそうかぁ、という感じでした。 日本人の成り立ちですが、確としたことはやはりまだ分かっていないようです。 ただ、南からのルートと北からのルートがあったらしいこと、大きく分けて縄文人と弥生人(渡来人)の2度の波があり、二重構造になっているらしいこと。 このあたりは間違いがないようです。 筆者は基本的には生物学者という立場のようで、いわゆる考古学的なアプローチはほとんどありません。 考古学的アプローチにより想定されるルートと必ずしもDNA解析によるルートは一致していないようで、これからまた新しい発見とかがあり、だんだんとどちらが正しいのかはっきりしてくるのかもしれません。 遺伝子関係の話はチンプンカンプンでも、そこから予想される人の拡散の歴史についてはわかりやすく解説されていますので、分子人類学ってなんぞや?という感じで読んでみても良いかもしれません^^。
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