魂萌え!(上) の商品レビュー
夫が突然死去し、悲しみに沈む…と思いきや、子の問題やら、夫の嘘や愛人やら、友人のアルツハイマー疑惑やら、年齢と現実が一気にリアルになる様は、未来を見るようでなんとも言えない気持ちになる。爽快感はないのに、先を読みたくなる。
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風呂場で倒れ急逝した夫。残された妻の敏子は59歳。 これからどうやって生きていこうかと考える前に、遺産相続や夫の愛人騒動が出てきて戸惑う敏子。 今まで専業主婦で世間を知らなすぎる自分に愕然とする。 2017.9.18
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女は既婚か独身かに関わらず幾つになっても恋をすることで身につけるものに気を使うようになり、その結果綺麗になる 夫の死により 今までに関わらなかったような人達との出会いにやり、2人の間や子供達の間に距離感のようなものがあったことに気づく
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2016.11.27再読。 まだ私は敏子の年齢でもないし、旦那も死んでないし、子供たちも成人してないけど、もし数年後に自分も同じ状況になったら……と考えると身につまされる。
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59歳の関口敏子が、とつぜん夫の隆之を病でうしなってしまうところから、物語がはじまります。悲しみに暮れる暇もなく、夫に伊藤昭子という愛人がおり、しかも夫が愛人の蕎麦屋のために500万円を出していたことが明らかになります。さらにアメリカにわたって実家を顧みなかった息子の彰之が遺産を...
59歳の関口敏子が、とつぜん夫の隆之を病でうしなってしまうところから、物語がはじまります。悲しみに暮れる暇もなく、夫に伊藤昭子という愛人がおり、しかも夫が愛人の蕎麦屋のために500万円を出していたことが明らかになります。さらにアメリカにわたって実家を顧みなかった息子の彰之が遺産を目当てに家にもどるといい出します。心をかき乱された敏子は、家を飛び出してカプセル・ホテルで一人宿泊することになります。 ところが、カプセル・ホテルで知り合った「フロばあさん」というあだ名をもつ宮里という老女に金をたかられ、そればかりか風呂場で意識をうしなってしまった彼女の第一発見者となり、さらに彼女の甥である野田という男が夜逃げしたために、またしても厄介ごとに巻き込まれます。その一方で彼女は、夫の通っていた蕎麦打ち教室のメンバーの一人である塚本という男と身体をかさねてしまいます。 著者の作品はこれまでいくつか読んできましたが、テーマばかりが先走っているような印象で、個人的にはあまり合わないと感じていました。それにもかかわらず、本作は最初から最後までおもしろく読めました。スピード感のある展開に思わず引き込まれてしまいます。
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夫に死なれた平凡で世間知らずの59歳の主婦が、社会や現実に直面し変わっていく物語。 ストーリー的にはとても需要がありそうなのだが、内容のほとんどは不幸や不運、騙し騙され、金の問題、健康、負の感情などのオンパレードで、主人公の主婦だけではなくその周りの人達にも、これっぽっちも幸せな...
夫に死なれた平凡で世間知らずの59歳の主婦が、社会や現実に直面し変わっていく物語。 ストーリー的にはとても需要がありそうなのだが、内容のほとんどは不幸や不運、騙し騙され、金の問題、健康、負の感情などのオンパレードで、主人公の主婦だけではなくその周りの人達にも、これっぽっちも幸せな出来事が訪れない。世間は厳しい、生きるのは難しいと思わせる内容。確かに人生は簡単なものでは無いけども、それと同じくらいの光や希望があるとわたしは思う。 特に、主人公の主婦のネガティブ思考には感情移入できないほど不幸体質すぎた。そしてそれをとりまく全ての人達、子供、親戚、友達、知り合い、、偏った思考の人達ばかり。 下巻でまさかの展開があればいいけど、、後編に期待。
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専業主婦、二人の子供を育て上げ、定年退職を迎えた夫と二人、つつましく生活していた主人公敏子が、夫の突然死により、様々な出来事を乗り越えていくストーリー。 長男は渡米したきり8年間も音沙汰がなかったのに、夫の葬式で突然、嫁と二人のこどもを連れて帰国し、同居と遺産の分け与えを迫る。娘も2年前に実家を出て暮らしていたが、交際中の男性と結婚の予定があり、もらえるお金は欲しい、兄だけがいい思いをするなんて、と敏子を困らせる。 残された家族がそんな事態になる上、夫が長年不倫をしていたことが発覚してしまい敏子の心境はどんどん荒れていく。何も知らなかった、普通の主婦であった敏子が、色々な経験を積み、乗り越えていく姿を、かげながら見守るように読み進めた。時々、煮え切らない彼女の様子にイライラしてしまうことも。。。ただ、下巻でどのようにラストをむかえるのか、楽しみでもある。
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--- 夫が突然、逝ってしまった。残された妻、敏子は59歳。まだおいてはいないと思う。だが、この先、体も精神も衰えていく不安を、いったいどうしたらいい。しかも、まじめだった亡夫に愛人だなんて。成人した息子と娘は遺産相続で勝手を言って相談もできない。「平凡な主婦」が直面せざるを得なくなったリアルな現実。もう「妻」でも「母」でもない彼女に、未知なる第二の人生の幕が開く。
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人の思惑が渦巻き、本当に他人を思いやっているのは誰か、悶々とさせたまま下巻へ。桐野夏生らしい、人間の生臭いやりとりが好き。
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【本の内容】 <上巻> 夫が突然、逝ってしまった。 残された妻、敏子は59歳。 まだ老いてはいないと思う。 だが、この先、身体も精神も衰えていく不安を、いったいどうしたらいい。 しかも、真面目だった亡夫に愛人だなんて。 成人した息子と娘は遺産相続で勝手を言って相談もできない。 「平凡な主婦」が直面せざるを得なくなったリアルな現実。 もう「妻」でも「母」でもない彼女に、未知なる第二の人生の幕が開く。 第5回婦人公論文芸賞受賞。 <下巻> 夫の愛人と修羅場を演じるなんて、これが自分の人生なのか。 こんなにも荒々しい女が自分なのか。 カプセルホテルへのプチ家出も、「あなたをもっと知りたい」と囁く男との逢瀬も、敏子の戸惑いを消しはしない。 人はいくら歳を重ねても、一人で驚きと悩みに向き合うのだ。 「老い方」に答えなんて、ない。 やっぱり、とことん行くしかない! 定年後世代の男女に訪れる、魂の昂揚を描く。 第5回婦人公論文芸賞受賞作。 [ 目次 ] <上巻> <下巻> [ POP ] 普段はありそうにないようなドラマチックな話ではなく、ごく身近に起こりそうな、それでいて今までありそうでなかった話。 退職した男性が第二の人生をどんな風に過ごそうと途方にくれる物語や、熟年離婚を決意する妻の話などはどこかで目にした事があるものの、今まで夫をはじめ周囲に頼ってきた専業主婦が突然の夫の死に直面し、一体どうしたらよいのか全くわからなくなってしまうというシチュエーションは、そういうことは十分にあり得るのに想像もしたことがなかったことにハッとしてしまいました。年齢的にもまだ遠い先のこと。 なんて一言では言い切れない、多分あっという間に来てしまうだろう59歳の出来事。 増して突然おきた夫の愛人の発覚や、遺産をめぐっての心無い子供達とのやりとりなど、安穏と生きていた人間にとって大きな荒波を乗り越える、という大冒険に違いありません。 途中挫折して他の人の言葉に負けそうになる主人公に幾度もハラハラしました。それを頼りない足取りで息切れしながらも乗り越えようとしちゃうんだから。 女は強し! [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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