竜を駆る種族 の商品レビュー
初ヴァンス。何だか微妙な印象。ジョアズとカーコロの対立はともかく、ストーリー上あまり存在感の無い波羅門、唐突に出てくるベイシック。短編として読むならありかもしれない。もっと長くてよかった。
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一触即発のバンベック族とカーコロ族、そして見た目も生態も異なり心して不干渉に努める波羅門たち。惑星エーリスに住む最後の人類の生き残り?である彼らは、予想される異星人ベイシックの襲撃にどう備えるのか。 これが始まりではなく終わりでもない物語で、壮大な人類の宇宙史の一部を切り取ったか...
一触即発のバンベック族とカーコロ族、そして見た目も生態も異なり心して不干渉に努める波羅門たち。惑星エーリスに住む最後の人類の生き残り?である彼らは、予想される異星人ベイシックの襲撃にどう備えるのか。 これが始まりではなく終わりでもない物語で、壮大な人類の宇宙史の一部を切り取ったかのようである。これと同じ物語世界の話は出ていないようだが、著者の中に構想はあったのだろうか? 一応SFとして分類されているが科学的表現はないに等しく、それが幸いし1962年発表作でありながら古さを全く感じない物語となっている。 竜の種類の名称が仏教由来で、これは翻訳者の独自案とのことである。かなり踏み込んだ大胆な意訳で、いいのか悪いのか…ということで作品は面白いのだが星はやや少なめ。
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国書刊行会のジャック・ヴァンストレジャリーを読んだのを機に、未読ものを落穂ひろい。 謎が謎のままで何じゃこりゃな話もあれば、気にならない話もある。ヴァンスのは後者。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本のキモは「竜を飼い慣らして改造し、兵器として使役 するヒト族」と「ヒトを飼い慣らして改造し、兵器として 使役する竜族」の戦という皮肉と捻りのきいたプロットに あるのだろう。それは否定しない。 だが、私がこの話でもっとも感じたのは、登場するキャラ クター達がすべてどこかしら愚かである点と、それを冷たく 見つめ、見放すかのような著者の視点だった。うがち過ぎ かも知れないが、当事者であれ傍観者であれ「戦争」という ものに関わっているあらゆる者に対して非難の声を上げて いる、そういう小説なのかも知れない。 もちろんそんな小賢しい理屈抜きで楽しめるファンタジー であることは間違いない。
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2016年1月27日読了。荒廃した惑星エーリスに暮らす、戦闘用に鍛えた「竜」を使役する人類。部族間での抗争が続く中、太古の昔にも襲来した「ベイシック」との再度の戦いを強いられ・・・。ヒューゴー賞の短編賞受賞作、とは言え300ページはあり「スピーディな長編」といった読後感。侵略者(...
2016年1月27日読了。荒廃した惑星エーリスに暮らす、戦闘用に鍛えた「竜」を使役する人類。部族間での抗争が続く中、太古の昔にも襲来した「ベイシック」との再度の戦いを強いられ・・・。ヒューゴー賞の短編賞受賞作、とは言え300ページはあり「スピーディな長編」といった読後感。侵略者(竜)を飼いならして戦闘用に育て、逆に戦闘用に調教した人類を使役する侵略者と対抗する、というねじれた設定が面白い。中立を貫く「婆羅門」の存在といい、この本1冊で終わらせるにはもったいない世界観だがこのアッサリしたところが魅力でもあるか。「婆羅門」はじめ羅刹、金剛、阿修羅などの竜に当てられた呼称は最初は「?」と思うが字面からにおってくるような迫力があり楽しい。
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つまんなくはなかった。なんて言うかいい意味で。 こういう淡々とした雰囲気は、大抵つまんなくて読むのが苦痛になるんだけど、これはそういうことがなかった。 舞台は中世っぽい世界観の異星かな。そこに宇宙から敵が攻めてくるんだけど、裏にもっと深刻な問題というか対立があって…という感じ。...
つまんなくはなかった。なんて言うかいい意味で。 こういう淡々とした雰囲気は、大抵つまんなくて読むのが苦痛になるんだけど、これはそういうことがなかった。 舞台は中世っぽい世界観の異星かな。そこに宇宙から敵が攻めてくるんだけど、裏にもっと深刻な問題というか対立があって…という感じ。 話のオチはついてない。ある意味「俺たちの戦いはこれからだ」的かも。 登場人物たちがこれでもかというほど、お互いに歩み寄らない話。異星の世界観と、全く理解し合わない人々を見るのが大事なのかな。 読了日2011/01/21
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どこか辺境の惑星で最後の人類かもしれぬ人々と、侵略する異星人との闘い……ではなく、異星人1+人類側3勢力の四つどもえの争い。 そこに、人類側の竜と呼ばれる生物たちと、異星人側のとある生物たちが戦力の主役となって争われる。 SFやRPGに比較的よく見られる展開に、「侵略者」に対し...
どこか辺境の惑星で最後の人類かもしれぬ人々と、侵略する異星人との闘い……ではなく、異星人1+人類側3勢力の四つどもえの争い。 そこに、人類側の竜と呼ばれる生物たちと、異星人側のとある生物たちが戦力の主役となって争われる。 SFやRPGに比較的よく見られる展開に、「侵略者」に対して、自分たちの世界に住む人々が争いを止め、一位団結して立ち向かう、というものが見られるが、これはそんな作風をシニカルに戯画化したかのよう。 ベイシック(異星人)が侵略しようとしてるのに、直前までバンベックとカーコロの二大勢力は争い、波羅門は巧妙に静観する。 このなかでもバンベックが理性的な人物として描かれるが、その彼もまた物語では道化のように翻弄される。 四勢力すべてが、理由は違えどまるで会話が成立しない。 どうしようもない感覚。 我々とは異なる異星の生物や文化をこの作家は描くのを得意としているとあるが、本作ではその部分はあまり満たされなかった。 竜がある以外は、自分たちとほとんど人類は変わらない。 竜にしても、もっと細かい性態を知りたいと思ったが、これは物語が戦闘場面を中心にしてるからか。 まるでシュミレーションRPGのように、各ユニット=様々な竜を状況に応じて使い分けていて、その点では個性的。 がちがちに文化人類学を参考にしたSFを読んでみたい。
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一応SFだが、ファンタジーになってもなんの違和感もない話だった。味付けがSFなだけのバリバリのパルプマガジン小説だ。(半裸のお姫様は出てこないけどね) ●面白かった点 相手種族を奴隷にして品種改良して生体兵器にするところ。今発表したとしたら編集者が止めるんじゃないだろうか? ●気...
一応SFだが、ファンタジーになってもなんの違和感もない話だった。味付けがSFなだけのバリバリのパルプマガジン小説だ。(半裸のお姫様は出てこないけどね) ●面白かった点 相手種族を奴隷にして品種改良して生体兵器にするところ。今発表したとしたら編集者が止めるんじゃないだろうか? ●気になった点 竜の生態に関する説明が全くない。ひたすら戦ってるだけ。
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