最後から二番目の真実 の商品レビュー
ひとりディック祭り継続中。この時代にくるとだんだん面白い作品が多くなってくる。(と同時にへんな作品になってくるような気が・・・) 延々と続く核戦争を逃れて市民は地下シェルターで戦闘ロボットの生産ノルマを与えられての苦しい生活。 しかし、政府のプロパガンダも嘘で塗り固められていた...
ひとりディック祭り継続中。この時代にくるとだんだん面白い作品が多くなってくる。(と同時にへんな作品になってくるような気が・・・) 延々と続く核戦争を逃れて市民は地下シェルターで戦闘ロボットの生産ノルマを与えられての苦しい生活。 しかし、政府のプロパガンダも嘘で塗り固められていたのだ。 ごまかし、嘘からの脱出を図ろうとするものの、ほんとうにそこから逃れることはできるのか?というやるせないテーマに奇妙なガジェットの数々。贋物代表格のシミュラクラも大きな役割を果たしています。暗殺用ロボットとして登場し、逃げ切れないとわかると古いTVに擬態する兵器が気になる~ 比較的ストレートなSFですが、ディックの不安な世界認識がうつってくるようで怖い。このあたりの作品からが、なんか変だけど凄いディックの始まりなのか。
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前半なかなかテンポが上がらず読み進めるのがつらかった。中盤以降の展開はなかなか良い。他の有名な作品に比べるとインパクトには欠けるが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
風呂敷を広げまくった挙句、ぐちゃぐちゃに畳んだというか丸めた(?)ような話。それなのに、なぜか面白かった感じがするのが不思議。 途中で殺人事件が起きてミステリー風になるのかと思いきや大してならなかったり、主人公が二人かと思いきやいきなり出てきた探偵(SFに探偵っていう、この不思議な組み合わせ!)に視点が飛んでみたり、結局何が書きたかったんだかよく分からんし、とっちらかってるんだけど、悪くなかったな、と思える(わたしには)。これが解説に書いてあったディックの持ち味ってことなのだろうか。 わたしとしては、地下の人々を欺き続ける地上世界の補佐官(と書いてヤンスマンと読む)たちの苦悩をもっと描いてほしかった。人によっては、もっと殺人事件を中心に描いてほしかったという人もいるだろうし、地下塔(アント・タンク)の人々を中心に据えてほしかったという人や、歴史改竄の部分をしっかり読みたかったという人もいるだろう。いろんな感想があるだろうけど、きっとみんながこの作品に多少の不満を抱くのではないかと思う。 それが、読んだ人自身もまだ気付いてないかもしれない自分の興味関心を探り当ててくれるかもしれない。逆説みたいだけど、自分にとって何がつまらないのか知ることは、何が面白いのかを知ることと同じだ。 もしかしたら、それが読んだ人にとっての「最後から二番目の真実」だったりするのかもしれない。 とか言ってみたかっただけ。わーい。 わたしの感想も風呂敷をぐちゃぐちゃにして、終わる。 原題:The Penultimate Truth penultimate には「最後の一つ前の」という意味があるみたい。 ウィクショナリー先生によると 語源はラテン語の「paenultimus」……paene (“almost”) + ultimus (“last”)なのだそうだ。
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東西対立により核戦争がもたらされた未来、人々は戦禍を逃れるために地下にもぐった。十数年にわたって、未だ戦禍は絶えない……と地上の情報では伝えられてきたが、実は戦争は数年で集結していた。地上は今、少数特権者の支配下に置かれていた。 解説によれば、本書は様々な短編のモチーフを寄...
東西対立により核戦争がもたらされた未来、人々は戦禍を逃れるために地下にもぐった。十数年にわたって、未だ戦禍は絶えない……と地上の情報では伝えられてきたが、実は戦争は数年で集結していた。地上は今、少数特権者の支配下に置かれていた。 解説によれば、本書は様々な短編のモチーフを寄せ木しているようである。以下、覚書として。 ・「地球防衛軍」 ・「歴戦の勇士」 ・「ヤンシーにならえ」 ・「融通のきかない機械」 設定は面白いのだが、いまひとつ、登場人物に感情移入できない。 アント・タンクのプレジデント、ニコラスは半ば強制的に地上に駆り出された身の上で、本来なら「無知」ゆえの狼狽ぶりがあってもいいはずなのだが、変に冷静で、どこか傍観者の気さえある(確かに地下のトラブルを解決せんと来ているわけだから、地上のいざこざなどどうだっていい、という思いもあるかもしれない。だとしても、冷めすぎている)。 登場人物の薄さ以外は、やはりディック、偉そうに言ってしまうが、面白い。
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図書館より。 核戦争から逃れるために地下に移り住んだ人々、しかし戦争はとっくに終わっていて…という設定がとても面白かったです。マスメディアに対しての皮肉ともとれるストーリー展開も好きでした。 惜しかったのは登場人物たちの個性が弱かったことや、設定をもっと生かせそうなところがあ...
図書館より。 核戦争から逃れるために地下に移り住んだ人々、しかし戦争はとっくに終わっていて…という設定がとても面白かったです。マスメディアに対しての皮肉ともとれるストーリー展開も好きでした。 惜しかったのは登場人物たちの個性が弱かったことや、設定をもっと生かせそうなところがあったところでしょうか。少しアイテムやキーワードを盛り込みすぎて、消化しきれていない感じがしました。
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映画「アンダーグラウンド」によく似た設定。ガジェットや人物設定に様々なアイデアが詰め込まれてて面白い。拡げた風呂敷をさっとかき寄せて縛ったようなラスト。装画も好き。
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核戦争が続く世界。地上を汚染する放射能を逃れて人々は、巨大な地下塔にひそみ、戦闘ロボットの生産に追われる生活を続けていた。 ときどき、地上の世界の様子や権力者の声明が上映されるが、これは、すべて、まやかしだった。 戦争は、10年以上前に終わって、地上は少数の特権階級が支配する世界...
核戦争が続く世界。地上を汚染する放射能を逃れて人々は、巨大な地下塔にひそみ、戦闘ロボットの生産に追われる生活を続けていた。 ときどき、地上の世界の様子や権力者の声明が上映されるが、これは、すべて、まやかしだった。 戦争は、10年以上前に終わって、地上は少数の特権階級が支配する世界になっていたのだ。 年老いた技師の命を救うために地上へと向かう塔長、地下へ送る映像を作るエリートたち、人工臓器を独り占めして生き延びる支配者……多数の視点で物語が作られる。
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「作り物の世界」が人工的な論理性の内に止まっていて、存在の不安にまで達していない。アイデア倒れの小道具が多い。リアリティーの欠如。明るい結末。ディックの作品としては失敗作。でも読めてうれしい。
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ディックの初期の作品のようで。 彼の短編で読んだ事あるような超能力や小道具が一杯出てきており、ニヤニヤしてしまいます。地下が舞台ってのも個人的には好みだったり。 ただちょっと投げっ放しジャーマン。 それすら「ああ、ディックにもこんな若い時期あったんだあ」と思えてしまうのはえこ贔...
ディックの初期の作品のようで。 彼の短編で読んだ事あるような超能力や小道具が一杯出てきており、ニヤニヤしてしまいます。地下が舞台ってのも個人的には好みだったり。 ただちょっと投げっ放しジャーマン。 それすら「ああ、ディックにもこんな若い時期あったんだあ」と思えてしまうのはえこ贔屓でしょうか。
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主人公の「職業人としての生きがい」と「自分個人」のあいだをうろうろ具合が良い。 若干、大きな展開を受動するだけ感は否めないけれども。
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