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コンテナ物語 の商品レビュー

3.9

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2016/05/09

コンテナってなんだっけ? どーやって普及したっけ? マルコム・マクリーンがコンテナの普及に貢献したという話を軸に、1950年代からのコンテナが普及し、世界各国で使われるようになったのか、どれくらい使われてるのか 2016/5/9

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2016/01/03

予想していたのとはまるで違う、かなりエキサイティングな内容だった。 元々トラック運転手からスタートしたマルコム・マクリーンがコスト意識から発想したコンテナが、 時代を先取りし過ぎて様々な既得権益層から圧力を受けながらもイノベーションを起こしていく話。 効率化・機械化に伴い仕事を...

予想していたのとはまるで違う、かなりエキサイティングな内容だった。 元々トラック運転手からスタートしたマルコム・マクリーンがコスト意識から発想したコンテナが、 時代を先取りし過ぎて様々な既得権益層から圧力を受けながらもイノベーションを起こしていく話。 効率化・機械化に伴い仕事を失う港湾労働者の労組による妨害、 機械化に反対してストライキをし、港湾を利用できなくする様はラッダイト運動を想起させる。 旧態依然とした料金体系に固執するICC、 そして「こちらのほうが美しい数字だから」と既存のコンテナのサイズをガン無視で作られる標準コンテナ規格。 もちろん、これらはすべて現実の話。 人類は約20年もの間、コンテナを使いこなせなかった。 なお後半はほぼデータ分析に終止していて面白みはあまりない。

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2017/03/08

2015/12/08 ビル・ゲイツが2013年おすすめの本で紹介されてた 2016/11/19 ひろゆきもオススメしてた 図書館 読みにくい 数ページ読んで返した

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2017/07/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

町中に見かけるコンテナについて書かれた本。コンテナとは、ただの鉄の箱にあらず。この鉄の箱が物流、いや産業界全体に及ぼした影響について理解できます。非常に読み応えのある本。 コンテナリゼーションによって物流が効率化され、海外の荷物が早く安く届くようになる→人件費の高い先進国で物を作らず、人件費の安い国で物を作った方が効率が良くなる→先進国の製造業が不況になる。。コンテナを作った人が破産するくらいの破壊力を秘めたコンテナリゼーションについて、わかりやすい本です。

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2015/07/08

ビル・ゲイツが”The Best Books I Read in 2013( http://www.gatesnotes.com/About-Bill-Gates/Best-Books-2013 )”の中の1冊として取り上げた本。 今や物流において当たり前に使われているコンテナ。...

ビル・ゲイツが”The Best Books I Read in 2013( http://www.gatesnotes.com/About-Bill-Gates/Best-Books-2013 )”の中の1冊として取り上げた本。 今や物流において当たり前に使われているコンテナ。しかし、コンテナが使用され始めたのは1950年代の終わり。しかも、コンテナは海運会社にとっても、港湾で荷の上げ下ろしを担当する沖仲仕にとっても厄介な存在で、決して物流に大革命を起こすような箱だとは誰も思っていなかった。 しかし、その可能性に気づいた一人の男の執念ともいえるこだわりが、物流を変え、それは世界の大型港の運命を変え、トラックや鉄道輸送、更には戦争の兵站の常識をも変えてしまった。 まさにコンテナを巡る、コンテナが世界の常識を変えたという物語。

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2015/06/08

世界の物流を支える「コンテナ」はどのような経緯で発明され、普及したのか。一人の企業家のアイディアが、利害関係者間の泥沼のような抗争の果てにイノベーションとして結実するまでの壮絶かつ壮大な物語。 コンテナ登場以前の海運業は、様々な形状の貨物の荷積みや荷卸しといった労働集約業務がボ...

世界の物流を支える「コンテナ」はどのような経緯で発明され、普及したのか。一人の企業家のアイディアが、利害関係者間の泥沼のような抗争の果てにイノベーションとして結実するまでの壮絶かつ壮大な物語。 コンテナ登場以前の海運業は、様々な形状の貨物の荷積みや荷卸しといった労働集約業務がボトルネックとなり、コストが高止まりしていた。そこに目をつけた一人の企業家が、同じサイズの箱に詰めて人の手を介さずに運ぶという画期的なアイディアを思いつくが、労組の反対、行政による規制の壁、同業他社や異業種との争い等、様々な難問に行手を阻まれる。 それでもコンテナによる物流の自動化と標準化は、関係者の努力に加え、規模の経済性という市場の論理も相まって海運・港湾事業の構造を一変させ、最終的には鉄道やトラック運送も巻き込み、グローバルなサプライチェーンを実現することになる。単なる物流オペレーション改革の歴史に留まらず、マクロ経済、グローバリゼーション、労働争議、経営戦略論、組織行動学など、実に多くの経営的要素を含んだ、読み応えのある良書。

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2015/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

コンテナの規格化・標準化はマイクロソフトのwindowsに匹敵する産業革命だと思う。それまで陸送・船での輸送・そこに載せるものもばらばらであったものを全世界でどんな手段でも同一サイズ・同一の吊り具を使えるように標準化したマルコム・マクリーンという人は本当にすごいと思う。標準化は世界を制するのだ。物流コスト・荷役の機械化・物流のグローバル化・コンテナリゼーション・JIT・システムの変革・梱包のユニット化・輸送が貿易を変えることで効率化を図った。普段は気付かないところを規格化してしくみそのものを変えてしまうのは仕事でも要求されるところだ。この考え方を参考にしていきたい。

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2018/10/20

コンテナの力により、地球に存在する物資の移動コストは意識できないほど小さくなった。日本にいるだけで、ベトナムで縫われたジーンズを履き、アメリカの牧場で育てられた牛肉を食し、インドネシアで組み立てられた電化製品を使える。貿易の足枷となるのは、もはや関税や為替といった仮想的な壁のみだ...

コンテナの力により、地球に存在する物資の移動コストは意識できないほど小さくなった。日本にいるだけで、ベトナムで縫われたジーンズを履き、アメリカの牧場で育てられた牛肉を食し、インドネシアで組み立てられた電化製品を使える。貿易の足枷となるのは、もはや関税や為替といった仮想的な壁のみだ。全てがごちゃまぜの状態で運ばれる世界から、全てが船でもトラックでも鉄道でも扱える、共通化された箱で運ばれる世界を構築するまでのコストは如何程のものだったのか。本書はコンテナが世界を縮めるまでに、誰が、何と、どう戦ったのかを記す物語。 破壊なくしてイノベーションなし。新しいシステムは、古いシステムを壊さずにはいられない。コンテナ化がまず破壊しにかかったのが、港での荷揚げを担う港湾労働者達だった。効率化を享受できる消費者から見れば、コンテナ利用に伴うターミナルの機械化に反対する理由はないが、何百年も前からあった職業で何十年も働き続けてきた労働者達に、明日から来なくていいと突き付けることは、社会システムとして許容できることなのだろうか。消え行く職を選択した個人の自己責任だとコストを押し付けることは簡単だが、ついさっきまでそうした職種を必要だと頼ってきたのは間違いなく消費者だ。まして無理やり首を切ったとて、失業者の増加は社会保障費、すなわち税金と治安に跳ね返ってくる。それを一時的に必要な痛みとして受け入れるか、緩やかな着地点を探すか。港湾労働業界では、労働組合の激烈な抵抗により、結果として後者の選択をとることとなった。 規格の戦いもまた、それぞれが最適な条件を続けたい、古いシステムとの戦いだ。全員が少しつづ損をとるか、少数の敗者を作るのか。論理的な正解は存在するのかもしれないが、試算が完璧にできるほど経済学は熟達していないし、結果をそのまま受け入れられるほど社会は成熟していない。最終的な決定要因は古代の頃から変わらない、権力と政治だ。 だがしかし、最速ではなかったとしても結果としてコンテナ化は成功し、最大ではなかったとしても社会はその利益を享受できている。これは最終的に良い方向に進んだ結果であり、悪い方向に進んでいる何かは、未だ停滞の中に押し留められているのかもしれない。 昨今で言えば、個人のスキルと創意工夫が重要視されるWeb系のエンジニアに比べ、組織の一員としての役割が期待されるSI系のエンジニアが下に見られることがあるが、基幹系、勘定系など今の世の中はSIerが構築するシステムに依存している社会であることは疑いようもない。職業というものは全て社会の要請により生じるものであり、ゆえに職に貴賎はなく、職に罪はない。 だが、それと既得権益による不正を同じにしてはいけない。各々が近視眼的なコスト=ベネフィットを主張するのではなく、社会システム全体の効率を考える。それがこれからの政治経済の役割かもしれない。

Posted byブクログ

2014/12/02

意外とアカデミックな趣向の一冊。コンテナ化の経済効果・貿易への影響やそれらへの政府介入が及ぼした作用など。これをの検討を「データだけに頼らず」また「経済モデルも使わずに」行っていくと冒頭に宣言。 コンテナリゼーションを「全世界の労働者と消費者に影響を与えた大きな動き」として捉える...

意外とアカデミックな趣向の一冊。コンテナ化の経済効果・貿易への影響やそれらへの政府介入が及ぼした作用など。これをの検討を「データだけに頼らず」また「経済モデルも使わずに」行っていくと冒頭に宣言。 コンテナリゼーションを「全世界の労働者と消費者に影響を与えた大きな動き」として捉えるともいう。 コンテナ普及前の1950年代前半の埠頭を描く「第2章」・・・筋肉のみがモノを言い事故も頻発したという過酷な労働条件。賄賂が横行するほどの不安定な収入。そして港湾労働の特殊性から生まれた、排他的な協働社会。 ニューヨーク対ニュージャージーというタイトルの「第5章」・・・ここでもコンテナリゼーションの及ぼした影響のひとつが、象徴的につづられている。いわく、コンテナリゼーションの伸展を境にして、旧港たるニューヨーク側の埠頭から、元々は「牧歌的」な様子だった対岸のニュージャージーの方に、勢いは完全に移行したのだという。 ニューヨーク側は内航輸送費、ストライキ、犯罪、それに施設の老朽化があだとなったらしい。また、勢いが急速に落ち込みつつあった時期にも、混載船用に新たな桟橋をつくるという「無駄遣い」等、「巨額な投資」を続行したとか。ただそれも結局は勢いをとどめられなかったのだ。加えて、次第にニューヨーク市の世論が、「港の機能はニュージャージー側に移ってもよいだろう」というように傾いて行ったというのも印象的。 「第6章」は組合のこと。「第7章」はコンテナの規格のこと。「第8章」はコンテナ専用船等を含む物流全体のシステム変革としてのコンテナリゼーションの意義について。いずれも非常に重要なポイント。 「第9章」として、ベトナム戦争でのロジスティクスでいきたコンテナ物流の強みが、エピソード的に語られている。戦争という有事では、平時とはかけ離れた危機管理や輸送量(そしてそれに伴うインフラ整備)が求められていたという者。その中でマクリーンが(リスクを背負って)コンテナリゼーションの意義深さを実際に示していったプロセスは心地よい。 「第10章」ではコンテナリゼーションへの世界中の港湾の対応を描いている。コンテナ船にとってみれば寄港地を減らしてコストやリードタイムを減らしたいのは当然のこと。一方、港湾としてもコンテナヤード整備にはずいぶん時間と費用がかかるわけで、このあたりから港湾の「競争」が本格化する、というのはなるほどそのとおりだろう。また当時米国の各市当局が自分たちの港の重要性を熱心に説いて回ったというのが印象的。

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2014/11/10

コンテナ型仮想化の話ではなく、主役は鉄の箱なコンテナ(-_-) ほんの50年ほど前まで、港の荷物の揚げ降ろしは、穀物の入った袋もあれば酒ビンも、てことで、基本マッチョな人海戦術。輸送コストがハンパないので、製造業の工場は港の近く、消費地と生産地の距離がそのまま参入障壁な世の中や...

コンテナ型仮想化の話ではなく、主役は鉄の箱なコンテナ(-_-) ほんの50年ほど前まで、港の荷物の揚げ降ろしは、穀物の入った袋もあれば酒ビンも、てことで、基本マッチョな人海戦術。輸送コストがハンパないので、製造業の工場は港の近く、消費地と生産地の距離がそのまま参入障壁な世の中やったそう。 紆余曲折ありながら、そんな世界にコンテナな物流システムを導入した皆さんのおかげで、ジャスト・イン・タイムでグローバルなサプライチェーンがやってきたYO!、という一見地味やけど実は相当なイノベーションだったんですよ奥さん、てお話。 とまあ面白い本やったけど、コンテナの台頭で職を奪われた港湾の荷役労働者、コモディティ化に耐えられず倒産した海運会社、と華々しい躍進の影の部分についてもきっちり章を割いてたのが、個人的には一番良かった。

Posted byブクログ