戦略論の原点 の商品レビュー

J.C.ワイリー【著】,奥山真司【訳】

2019/11/17

海軍将校による、戦略論。
戦略とは何かという、入門も兼ねている。
短くて読みやすい。

戦略とは、戦争に勝つ方法。
戦争の目的は、敵の破壊にではなく、コントロールにある。
戦略は、順次戦略と累積戦略に分類できる。

2018/11/27

元海軍将校が、戦略とは何か、ということを書いた本。

戦術書ではないので、軍事的な専門用語はほとんど登場しないので、初心者でも読みやすい。

学術的に捉えられなかった「戦略」という概念を、定義し、これから発展していこうと試みる本。
なので、内容自体はかなり当たり前の事が多い。
その当たり前をしっかりと定義して、これからみんなで発展していくための礎になる本である。
現代人としては常識なことが多いが、軍隊が直面している問題などを解説されているのは非常に興味深い。
また、累次戦略と順次戦略の分け方、累次戦略の重要性など、戦争、という狭いカテゴリでなく、ビジネスや生き方まで広く応用できる新たな「戦略論」は、読んでいて面白かった。

マハン先生の本よりも読みやすかった印象がある。「戦略」というものを学ぼうとする人には良い書物となるだろう。

2018/11/18

1回読んだだけでは理解できず。
・累積戦略と順次戦略
・海洋、航空、陸上戦略理論及び毛沢東の理論（ゲリラ戦）：総合理論ではなく特定の条件下のみで有効。
・
・・・

2015/12/30

著者はかなり慎重に論を進めているので，肝心の総合戦略に関する話は7章でようやく語られる．なので，せっかちな人はそこから読み始めて，必要に応じて前の章を参照すると良い．
半分以上が後書きと参考記事，イントロダクション，訳者による解説となっているが，全体を読むと，著者の言わんとしていることや考えていたことについて，よりはっきりと見えてくる．
今では，企業戦略などを語る上で根底にあるような考え方の一つを解説している，という風にも見える内容で，語る内容も普遍的なだけに，「何を当たり前のことを」という印象を受けるところもある．しかしこれが1960年代の段階で書かれたということを考えれば，かなり先進的だったのでは無いだろうか．著者は1993年に逝去しているが，インターネットという新たなフィールドが大きな地位を占める現在の状況をもし彼が目にしたら，何を考えただろうか，というのは気になるところである．

2015/12/27

(1) いかなる防止手段が講じられようとも戦争は起こる。
(2) 戦争の目的は、敵をある程度コントローすることにある。
(3) 戦争は我々の計画通りに進むことはなく、予測不可能である。
(4) 戦争における究極の決定権は、その場（戦場・現場）に立ち、銃を持っている男が持つ。

2011/07/01

20/12/11 70
戦略とは、何かしらの目標を達成するための1つの「行動計画」であり、その目標を達成するために手段が組み合わさったシステムと一体となった、1つの「ねらい」である。

戦略それ自身の中に道徳・倫理的な価値が含まれていない。

戦争では全く別の二つの種類の戦略が使われる＞順次戦略、累積戦略

戦争は我々の計画通りに進むことはなく、予測不可能である。＞平時においてたった一つだけのプランを準備するだけではダメだという結論に達する。
最初に必要になってくるのは、戦争計画の範囲の拡大や戦略コンセプトの幅を最大限に広げることであり、発生する可能性のあるあらゆる戦況のタイミングと特徴の両方を無理なく受け入れることができるような「知識のまとまり」なのである。

戦前や戦中でも常に活用できるような戦略のコンセプトをまとめたもの＞状況が突然変化したり、使用中のプランどおりに戦争が進まなくなったりしたときにいつでも使えることができるような、最も広範囲にわたるいくつもの予備の戦略の蓄積なのだ。

意見の不一致＞自分たちの弱点をはっきりと示してくれるような機能を持つシステムに組み込まれていると言うこと＞最も有利な点