狐になった奥様 の商品レビュー
よく出来ている構成 狐になってしまった妻への愛情と小狐への愛情が感動的だった。 ラストは感動的なシーンで終わった。
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タイトルといい荒唐無稽なストーリーといい、ツッコミを入れたくなるかと思いきや、全くその余地がない。読み終え表紙を返して気付いた「一切の批判をよせつけない」とのウエルズの評。主人公が絶えず繰り返す自己批判がゆえかもしれない。唸る、とはこういうことか。
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最初から最後まで違和感があって、読後感もなんか良くない。 テブリック?さんだっけ、奥さんのシルビアさんが狐になったのが、明確にテブリックさんの思い込みかと思ってた。奥さんがいなくなってから別の場所かなんかで狐を奥さんと思い込むみたいな。 本の中では、一緒に散歩していて気づいたら狐...
最初から最後まで違和感があって、読後感もなんか良くない。 テブリック?さんだっけ、奥さんのシルビアさんが狐になったのが、明確にテブリックさんの思い込みかと思ってた。奥さんがいなくなってから別の場所かなんかで狐を奥さんと思い込むみたいな。 本の中では、一緒に散歩していて気づいたら狐になっていたことになっている。えっ、本当に狐になっちゃったの?ってなった。 テブリックさん自身も狐の奥さんに執心しているの悩んでいるの痛ましい。その割にはほんのページ数少なかった。もっと苦悩してる分量多くても良かったのに。 気になったのは、お風呂入ってなくて臭そうだったこと。この地域のこの時代の人がどの程度お風呂入ってたかわからないけどお風呂入れよって思った。一回お風呂入る記述があったので作者も気になっていた? あと、家が汚さそう。テブリックさん家事やってたと、記述あったけどちゃんと掃除してたのかな。 仕事してなさそうなのに、ずっと生活できててお金がありそうなのも気になった。 最後あっさり終わってたのもありがちなんだけどもやもやする…
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ある日、最愛の妻が狐になってしまった。夫は変わらず愛し続けようとするが、妻は人間の記憶を忘れ始めて狐になっていく…。 最初はカフカの「変身」を家族側の視点から描いた作品かと思ったが、読み進めるうちに「これはストーカー小説かも」と考え始めた。 ある日、妻が変貌する。夫は妻の変貌...
ある日、最愛の妻が狐になってしまった。夫は変わらず愛し続けようとするが、妻は人間の記憶を忘れ始めて狐になっていく…。 最初はカフカの「変身」を家族側の視点から描いた作品かと思ったが、読み進めるうちに「これはストーカー小説かも」と考え始めた。 ある日、妻が変貌する。夫は妻の変貌を受け入れられず、元に戻るよう努力する。しかし、妻は嗜好が変わってしまい現状に満足しているのだ。それでも昔の妻の姿を忘れられない夫は追い続ける。 突然変わってしまったパートナーの姿を受け入れられず、昔に戻るよう強制する。何だかノンフィクションで読んだストーカーそのものに感じるのだが。変わった相手に対して変わらぬ愛を注ぎ続けるって、美しいようだが一方で支配的とも言える。 愛は束縛とも言うが、現在を生きる人間にとって過去に縛り付けようとする存在は重いだけだ。
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まず言いたいのは、お前は金持ちだからこんなことができるんだってことで、金がなければ狐になって即終了である。あんな生き物飼ったらどれだけの維持費になるというのか。 とは言え金に困らんチートを前提にするなら、後はキツネってけっこう可愛いんだけど、スゲー臭いっていうのが!エゲレス人が体...
まず言いたいのは、お前は金持ちだからこんなことができるんだってことで、金がなければ狐になって即終了である。あんな生き物飼ったらどれだけの維持費になるというのか。 とは言え金に困らんチートを前提にするなら、後はキツネってけっこう可愛いんだけど、スゲー臭いっていうのが!エゲレス人が体臭を云々するくらいだからかなり臭いんだろうなぁ。残念。 てかキツネになった奥様と酒飲んで乱痴気騒ぎして翌日に神様に誤ってたけど、あれはやってたんじゃないか。子キツネも君の子じゃないんか。というくらい、キツネには優しいけど、犬とかバシバシ撃ち殺す暴れん坊っぷりでやっぱエゲレス人は怖いわ。
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額面通りであれば狐に変身した妻と亭主の話だが、肉体的な意味合いでなく精神的な変化と受け取り、1人で戦慄した。 若妻を以前と同じ人間とは思えなくなった。 自分の洋服を着ることを嫌がり、自由奔放に振る舞うようになり、ついには出奔し他の男の子供を産み、嬉しげに私に見せ、なつかせようと...
額面通りであれば狐に変身した妻と亭主の話だが、肉体的な意味合いでなく精神的な変化と受け取り、1人で戦慄した。 若妻を以前と同じ人間とは思えなくなった。 自分の洋服を着ることを嫌がり、自由奔放に振る舞うようになり、ついには出奔し他の男の子供を産み、嬉しげに私に見せ、なつかせようとする。私はこの家族の面倒をみる。。。 自分を裏切り蔑ろにした「あの女狐めが」人間である訳がない。あいつはある時に狐に変わったのだ、という主人公の病んだ心の叫びを勝手に感じて勝手にホラー化して読んでしまいました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間が狐になるわけない、から、狐になった奥様を描こうと思ったら、それは作者の空想になる。 この狐が、全く奥様でありながら、狐でもある、というさじ加減が絶妙。 最終的には奥様ではなく、狐を愛してしまうというオチが痛快。
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シュール。妻がある日突然狐になり、日に日に人間性を失い動物に近づいていく。夫は、完全に狐になり意思の疎通ができなくなった妻を愛することがやめられず、苦悩する。愛に関する性(さが)。人間を人間たらしめているものは何か。
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とても切ないファンタジーでした。いや、これは童話に近いかも。現代のファンタジーやラノベ的なものならばもっともっと書き込み読者の想像力の自由さを支配しようとするが、古い時代の作品らしくアッサリサッパリと書かれてい、そのため想像力が嫌でも掻き立てられ主人公の心情に吸い寄せられてしまう...
とても切ないファンタジーでした。いや、これは童話に近いかも。現代のファンタジーやラノベ的なものならばもっともっと書き込み読者の想像力の自由さを支配しようとするが、古い時代の作品らしくアッサリサッパリと書かれてい、そのため想像力が嫌でも掻き立てられ主人公の心情に吸い寄せられてしまう。小説もアニメも絵画もそうだが、受け手に想像する余白を残してくれている作品の方が好きだ。
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変身譚というものは昔からあり、好きな作品が多いので、チェックしていたつもりだったが、これは見落としていた。岩波文庫だけど、読みやすく、非常に面白い。変身譚で素晴らしいものは色んな読み方ができるものだ。ヨーロッパは、人間が動物になるパターンが多く、これもそうだが、人間に戻らないのは...
変身譚というものは昔からあり、好きな作品が多いので、チェックしていたつもりだったが、これは見落としていた。岩波文庫だけど、読みやすく、非常に面白い。変身譚で素晴らしいものは色んな読み方ができるものだ。ヨーロッパは、人間が動物になるパターンが多く、これもそうだが、人間に戻らないのは、昔話とは違い、近代以降の人間の有り様を描こうとする作家ならでは。カフカの「変身」と似ているが、これは変身した人間の心情の直接描写はなく、妻がいきなり狐に変わってしまった夫の心情を描いている。 男と女の理解しあえない様子、解き放たれた女の生き生きとした、かつ得体の知れない姿、不貞を受け入れる心情を描いて、尚且つ純愛小説になっている。 結婚する前に男性は読むといいかも。 夫婦の幸せとは何か、考えさせられる。 女が自由に生きる難しさも。
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