近くて遠い中国語 の商品レビュー
中国旅行では筆談すればなんとかなると日本人は考える。しかしそんな甘くない。日本人の習ってきた漢文と中国語とは全く別の言葉なのだ。 というのが著者の主張。それより日本人はもう漢文をほとんどできなくなっていると思うけれど。 P64:科挙の合格者たち、高級官僚の共通語としてできあ...
中国旅行では筆談すればなんとかなると日本人は考える。しかしそんな甘くない。日本人の習ってきた漢文と中国語とは全く別の言葉なのだ。 というのが著者の主張。それより日本人はもう漢文をほとんどできなくなっていると思うけれど。 P64:科挙の合格者たち、高級官僚の共通語としてできあがったのが「官話」=「お役人様の言葉」。これをマンダリンmandarinというのうになったのは、マレー語で官吏を表すことばがポルトガル語で使われたのが、英語に入ったものという。(???)満洲族の旦那様=満大人が語源は俗説。 P116:甲骨文字、金文は、書きにくくてもそこに書かれなければならないものであった。そのためできるだけ短く書こうとして、文書と音声言語との間に大きな隔たりを生じた。 P120:甲骨文や金文も、返り点や送り仮名をつければ日本語で訓読できる。→だから白川静もできた。 P124:漢字が表意文字であったから、日本や韓国で自分たちの言語を表記することができ、漢字文化圏ができた。音読みと訓読みの併用。(韓国、ベトナムでも) P126:漢字文化圏はアヘン戦争の敗北(1842年)頃から終わりはじめた。 P206:現代中国語:「,」と「、」は違う。「、」は日本語の「・」のように事物を併記するときにつかう。「頓号」と呼ぶ。
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国旅行では、たとえ会話はできなくても筆談すればなんとか通じると、多くの日本人は考える。しかし、現実はそんなに甘くない。日本人が習ってきた漢文と中国語とはまったく別の言葉なのだ。 中国語と漢文と日本語との間によこたわる、漢字の違い、単語の違い、用法の違い、文法の違いをやさしく解説し...
国旅行では、たとえ会話はできなくても筆談すればなんとか通じると、多くの日本人は考える。しかし、現実はそんなに甘くない。日本人が習ってきた漢文と中国語とはまったく別の言葉なのだ。 中国語と漢文と日本語との間によこたわる、漢字の違い、単語の違い、用法の違い、文法の違いをやさしく解説し、知っているようで知らないリアルな中国語を紹介。
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著者が大学の先生だけあって、当たり前ですが、大学での語学授業に合間に話される 中国・中国語ネタが満載です。どれも、やはり、アカデミズムっぽく、中国語の成り立ち、日本語との違いなどを、わかり易く説明してくれています。 著者と中国語との距離感がわかって、非常に面白いと思います。 そ...
著者が大学の先生だけあって、当たり前ですが、大学での語学授業に合間に話される 中国・中国語ネタが満載です。どれも、やはり、アカデミズムっぽく、中国語の成り立ち、日本語との違いなどを、わかり易く説明してくれています。 著者と中国語との距離感がわかって、非常に面白いと思います。 その距離感は、やはり、長い間、中国語との格闘の末に導き出されたモノで 非常に説得力があります。 これから、中国語を勉強する人や、今、現在勉強している人に対して、 「あなたが勉強しているモノは、こういうモノなんだよ」と、 教えてくれます。 この本を読んでも、中国語の能力は上がりませんが、どのように中国語と 付き合っていけばいいか?のヒントには確実になります。
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・3/26 「とらえどころのない中国人のとらえかた」と一緒に衝動買いしてしまった本.やっぱり中国語にまつわる本はついつい手が出てしまう.中国語という言語そのものの事情だけでなく漢字についての解説や発音など、中国語という言語そのものについて述べられているので大変勉強になる.やっぱり...
・3/26 「とらえどころのない中国人のとらえかた」と一緒に衝動買いしてしまった本.やっぱり中国語にまつわる本はついつい手が出てしまう.中国語という言語そのものの事情だけでなく漢字についての解説や発音など、中国語という言語そのものについて述べられているので大変勉強になる.やっぱりやればやるほど中国語の勉強は面白くなるものなのかもしれないな.勉強はじめはハードルが低いが習得までの先が長いというのがちょっと気にかかる.がんばろうっと. ・4/1 読了.最後は中国語文の読解だったからいまいちだったけど、それなりに勉強になったかも.
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いささか不純な動機(笑)で始めた中国語のお勉強。確かに発音や四声は難しいけど、始めて一ヶ月そこそこであっちの人と電子筆談(メールのやり取り)できる(WEB翻訳の助けを借りてですが)というとっつきやすさがある反面、文法構造は英語に近いし、同じ字を使ってても意味のかけ離れた単語はある...
いささか不純な動機(笑)で始めた中国語のお勉強。確かに発音や四声は難しいけど、始めて一ヶ月そこそこであっちの人と電子筆談(メールのやり取り)できる(WEB翻訳の助けを借りてですが)というとっつきやすさがある反面、文法構造は英語に近いし、同じ字を使ってても意味のかけ離れた単語はあるしで、なかなか一筋縄ではいかないなぁ、という感じもします。 そのわけがとってもわかりやすく書かれた本。中国語をかじり始めた人にはとってもためになります。
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日本における近年の漢字ブームの立役者と一人といったら本人は気を悪くするだろうか。しかし、阿辻さんの語り口で、漢字に興味を持った人は多かろう。その阿辻さんが、中国語教師として(漢字学だけで暮らしているわけではない!)自分の学習経験を晒しながら、中国語とはなにかを知らない人のために書...
日本における近年の漢字ブームの立役者と一人といったら本人は気を悪くするだろうか。しかし、阿辻さんの語り口で、漢字に興味を持った人は多かろう。その阿辻さんが、中国語教師として(漢字学だけで暮らしているわけではない!)自分の学習経験を晒しながら、中国語とはなにかを知らない人のために書いた中国語入門書。しかも、それは日本人の漢字で現代中国語がどれだけわかるかを問いかけたもの。本当に中国語をマスターしようと思えば、日本人のもっている漢字の知識ではだめだという含みが本書の根底にはある。したがって中国語ができる人にはちょっともの足りないか。帯に「中国語ができる人は読まないでください」というのは、本当は逆説なのだろうが、案外著者の本音のような気もする。最初読んだときは、中公も功労のある阿辻さんだからこんな本も書かせたのだと思ったが、再読すれば味の出てくる本である。
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中国語を始める人に読んでもらえると楽しいと思う一冊。 大事な部分がかなりある。 そして中国語は漢字だからといって、日本人に学びやすい言語であるという幻想を軽く打ち砕いてくれている。ありがたい本。
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