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国語学原論(下) の商品レビュー

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2024/02/29

下記引用、数字はページ数 P39 私の論旨は、上に述べた様に助詞助動詞に、用言の零記号の陳述と同様に、主体的総括機能を認めようとするのである。 P55 文の第一条件は、統一にあるのであって、統一されるものにあるのでないことは、国語に於いても、印欧語に於いても同様である。 P...

下記引用、数字はページ数 P39 私の論旨は、上に述べた様に助詞助動詞に、用言の零記号の陳述と同様に、主体的総括機能を認めようとするのである。 P55 文の第一条件は、統一にあるのであって、統一されるものにあるのでないことは、国語に於いても、印欧語に於いても同様である。 P100 国語の文の構造は詞が辞によって総括され、それが更に順次に詞辞の結合したものに包括される入子型構造の形式によって統一されるものである。 P159  一般には敬語は日本民族の尊敬推譲の美風の顕現であると考えられている。 P169 従って敬語は専ら語彙論的事実として研究されねばならないという結論に到達するのである。 P201 自己の言語によって自己の場面を変化させるという事実は、日常屡々経験することである。 P286 彼のソシュール批判は、やはり今日でも構造言語学の発想の中心を射抜く否定の力を持っている。 下巻カバー 言語の主体を離れた客体的存在であるとあるとする「言語実体観」や、言語を音声と意味の結合であるとする「構成主義的言語観」を真っ向から批判。言語はあくまでも主体的な活動それ自体である「言語過程説」に立ってなされた問題提起の書。

Posted byブクログ

2013/06/20
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下巻は文法論、意味論、敬語論、国語美論(懸詞の分析)をふくむ。文法論は上巻のつづきだが、文単位の分析で、文の成立条件、格の問題などが論じられている。つまり辞によって包摂されたものが文の条件である。意味論は「枝」を「杖」、「石」を「テーブル」というような客体の把握のしかたが意味であって、これは単なる譬喩ではないという。敬語論も基本的には上下尊卑の把握が基礎になっており、聞き手との関係なども加わってくる。「お母様が読んであげましょう」は子供が母親を尊敬して把握している、その把握の仕方に寄り添うことで親密の表現になるそうである。国語美論では包括関係がづれている懸詞を中心に分析している。全般に言語過程説につらぬかれていて、とても興味深い。前田英樹氏の解説はよく分かってためになる。

Posted byブクログ