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定本 謎解き『死霊』論 の商品レビュー

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2019/08/19

埴谷雄高 「死霊」解説本 自序〜9章まで わかりやすく解説。埴谷雄高が 登場人物に込めた思想や役割、死霊のどこに目付けして読むか を知ることができる この本で気付いた「死霊」目付けポイント *物語構造は 三輪4兄弟の各々の思考が極端化していき、終盤で 津田安寿子が与志に変化...

埴谷雄高 「死霊」解説本 自序〜9章まで わかりやすく解説。埴谷雄高が 登場人物に込めた思想や役割、死霊のどこに目付けして読むか を知ることができる この本で気付いた「死霊」目付けポイント *物語構造は 三輪4兄弟の各々の思考が極端化していき、終盤で 津田安寿子が与志に変化を与える *キーワードは 虚体、自同律、虚在、観念、未出現と無出現 死霊 *三輪与志、三輪高志、矢場徹吾、首猛夫は 三輪広志を父とする四兄弟 *与志のsad 高志のbad 首のglad 矢場のmad が極端に思考されているのが 死霊の構造 *与志は観念の子と定義される〜実在の人間から超越していって 創造的虚在へ変化する *与志の自同律の不快=未出現のまま虚在するはずの与志を呼び出す起動力 自序〜作品の方法論、意図を提示 *非現実〜停止している地点から踏み出す→三輪与志の虚体、三輪高志の夢魔、矢場徹吾の無出現、首猛夫の死の理論 *虚体〜3章までは 存在に対して平手をくらわす否定を意味、4章以後は 創造的虚在(未出現宇宙を引き出す)を意味 自序〜ジナ大雄(全否定者)と釈迦(全肯定者)の対話を予告 *否定者=三輪与志、三輪高志、矢場徹吾、首猛夫 *肯定者=岸博士(自然科学的現実主義)、津田夫人(常識者)、神様、ねんね、尾木恒子(三輪与志を肯定へ転換)、津田安寿子 *大雄=無そのもの→釈迦は無に黙っているほかない 1章 永久運動の時計 *ねんね、神様の父によって作成〜自然は永久運動〜そこに2以上のものが存在すれば、それは永遠 *岸博士=人は一定の型にはまる〜人は異なった思惟形式を持たない→自同律(私は私である)の信仰者 *死霊の世界は 異なる思惟形式〜一つの基本観念からそれていく→それていくことを続け、虚体という存在を創造 *三輪与志は 自同律を否定→虚体を求める 7章=埴谷雄高の弾劾思想 *キリスト、釈迦への弾劾 *チーナカ豆の主張=5章〜6章を経て到達した無限、無出現、未出現の思想 *時空の無限大の果てから〜新しい自分が創りあげられた=自己創出=与志の虚体創出 *虚の創造→未出現こそ虚

Posted byブクログ