下山事件 の商品レビュー
昭和24年に起こった下山初代国鉄総裁が轢死体で発見された所謂「下山事件」を追ったノンフィクション。 平成18年に発行された文庫本。購入したままの積読状態が20年近く。自殺として葬られたこの事件、状況証拠だけでも他殺。どうしてこの事件は起こったのか、なぜ自殺として処理されたのか、当...
昭和24年に起こった下山初代国鉄総裁が轢死体で発見された所謂「下山事件」を追ったノンフィクション。 平成18年に発行された文庫本。購入したままの積読状態が20年近く。自殺として葬られたこの事件、状況証拠だけでも他殺。どうしてこの事件は起こったのか、なぜ自殺として処理されたのか、当時を知る関係者の多くは鬼籍に入り、今となっては藪の中。 「この事件がきっかけとなって、戦後日本の針路が、大きく軋みながらドラスティックに変わったことは間違いない。労働運動は大きな転機を迎え、左派勢力は急激に衰退し、日本とアメリカとの関係はより強固なものとなった。翌年に勃発した朝鮮戦争では、米軍からの特需がその後の高度経済成長の大きなきっかけとなり、その帰結が日米安保と55年体制に結びついた。」 世の中は本当に怖い。この事件が今の時代に起こったとしたらと、無益な想像をしてしまう。
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下山事件の概要をさくっとしか知らなかったので興味深く読んだ。 作中の「彼」は、柴田哲孝さん? 事件の内容や真相よりは、著者の思いや主張が多かったかなあ。
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下山事件を学習するために読んだ。この本にもいろいろ批判はあるようだが、とにかく自殺というのは無理があることはよくわかった。
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本書を読み終えたのは2023年6月26日の深夜。まだ6月だというのに蒸し暑い。下山事件が起きたのは1949年(昭和24年)7月6日の未明。今夜のような蒸し暑い夜だったかもしれない。 本書は下山事件の真犯人を明らかにするような内容ではない。この闇を覗くことで、日本という国の暗部を見...
本書を読み終えたのは2023年6月26日の深夜。まだ6月だというのに蒸し暑い。下山事件が起きたのは1949年(昭和24年)7月6日の未明。今夜のような蒸し暑い夜だったかもしれない。 本書は下山事件の真犯人を明らかにするような内容ではない。この闇を覗くことで、日本という国の暗部を見極めたい。この闇に見えるものが、そのまま現代にも通じていることを確かめたい。そんな衝動と葛藤をそのまま描き込んだのが本書なのだ。 アメリカが描くシナリオ。その通りに事を進め、予定通りにうやむやになったこの事件。大衆をコントロールさせたら、アメリカ人の右に出る者はいないだろう。そのアメリカの傘の下で日本は経済的に成長した。 佐野眞一(1947-2022)の解説も秀逸である。
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国鉄三大ミステリーの1つ下山事件を追った作品。タイトルが「シモヤマ・ケース」となっているが、この事件を挟んだ途中から著者の葛藤がメインに、ジャーナリストの苦悩などになり、自分は入り込めなかった。
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まずは作者の付記を先に読むことをお勧めします。 この本で語られる「彼」こと柴田が自著でこの本のことを非難していると言うことは、予め知っておいた方が良いし、それについて作者がどう考えているかも知った上で、この本は読まれるべきでしょう。 個人的には作者の書いていることにまったく共感で...
まずは作者の付記を先に読むことをお勧めします。 この本で語られる「彼」こと柴田が自著でこの本のことを非難していると言うことは、予め知っておいた方が良いし、それについて作者がどう考えているかも知った上で、この本は読まれるべきでしょう。 個人的には作者の書いていることにまったく共感できないし、今後、この作家の本を読むことがあっても何らかのバイアスを書けて読むことになるんだろうと思いますが。 大事な本編の内容についても、タイトルの下山事件がどうこうというより、下山事件を追っている自分を観て、と言われているような印象。 面白くないとは言わないけど、要注意の一冊。
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1949年、当時設立されたばかりの国鉄総裁の下山氏が電車に轢かれて死亡した。自殺として処理された下山氏の死には不自然な点が多く、昭和のミステリーの一つとして、過去様々な調査が行われ、複数の検証書籍が出版されている。本書も下山ケースの謎を解くべく、テレビ番組ディレクター出身のジャー...
1949年、当時設立されたばかりの国鉄総裁の下山氏が電車に轢かれて死亡した。自殺として処理された下山氏の死には不自然な点が多く、昭和のミステリーの一つとして、過去様々な調査が行われ、複数の検証書籍が出版されている。本書も下山ケースの謎を解くべく、テレビ番組ディレクター出身のジャーナリスト、森達也氏が真相解明を試みる。 50年以上前に起こった事件とはいえ、一部の当事者は存命で、不名誉を危惧する人もいた。はっきり言って、こういうことに首を突っ込むことは、命を危険にさらしているともいえる。森氏の使命感を強く感じる。よくこんな古い事件を調べたと思う。文章構成もさすがで、引き込まれる。 内容が内容だけに、批判する書評も多いが、私はこの本はすごいと思った。特に後半は、本を閉じることができないほどのめりこんだ。当事者の名前がたくさん出てくるので、一気に読んだほうがいい。下山氏が自殺ではなく殺されたのだとしたら、誰がどうして殺したのか。戦後すぐの時代なので、GHQの思惑や、共産党と右翼の闘いの歴史とも重なる。 下山氏が気の毒でならない。著者は結論は読者に任せる形にはしているが、本書を読んだ人には答えがはっきりわかるようになっている。今日の日本の繁栄は下山事件があったからなのか?その問いへの答えは私には出せなかったけれども。
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下山事件についての新事実や結論を期待していたわけではありませんが非常に残念な一冊でした。 著者の森さんは「他殺」の観点から書いているのですが、終始ごたごたしており事件について向き合って動いているように思えませんでした。 ずーーーっと言い訳。そして結局、宙ぶらりんのまま終わり。 ...
下山事件についての新事実や結論を期待していたわけではありませんが非常に残念な一冊でした。 著者の森さんは「他殺」の観点から書いているのですが、終始ごたごたしており事件について向き合って動いているように思えませんでした。 ずーーーっと言い訳。そして結局、宙ぶらりんのまま終わり。 本の中で指摘している他の下山事件本の著者本についてとの差異は読んでいないので何とも言えません。 でもブログなどのSNSよりも修正しにくい「本」という媒体で批判めいたことを書いていてよいのでしょうか? 下山事件自体の情報も雑誌や文献などの引用ばかり。 当事者やそれに近い人のインタビューはほとんど少ないです。がっかり。 事実か思い違いかは別にしてもこの本を書いた意味がわからないほどオリジナリティがない。 このことに気づいてから読むのが苦痛でした。意地で読んだけど。
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1949年7月5日、初代国鉄総裁・下山定則が出勤途中に行方不明となり、翌6日未明常磐線五反野ガード下の線路上で轢死体となって発見された。 通称「下山事件」である。 戦後のこの時代のことを、ほとんど何も知らない。 自分が生まれていないどころか、親たちですらこの世に存在していない。 ...
1949年7月5日、初代国鉄総裁・下山定則が出勤途中に行方不明となり、翌6日未明常磐線五反野ガード下の線路上で轢死体となって発見された。 通称「下山事件」である。 戦後のこの時代のことを、ほとんど何も知らない。 自分が生まれていないどころか、親たちですらこの世に存在していない。 日本国でありながら、国旗である「日の丸」の掲揚が許されない時代があったことなど、まったく知らなかった。 同様に、当時の政治事情やアメリカとの微妙な関係についても何も知らない。 松本清張さんがこの時代のことを「日本の黒い霧」に書いているらしいが、残念ながら読んだことはない。 政治犯の釈放に合わせた共産主義容認の流れ。 組織化し強大な力を持ちつつあった組合への対策。 相次ぐ鉄道関連事故の発生により、メディアを含む世論は一斉に共産主義=怖ろしいという考えに傾いていく。 作品の中に登場する多くの固有名詞。 私ですら知っている有名な名前をあれば、たぶん知る人ぞ知るといった名前も登場しているようだ。 事件の背景にある見えない力を恐れ、文字通り墓場まで秘密を抱えて逝った人も多いのだろう。 何が真実なのか。結論は出ないまま作品は終わっている。 丁寧な取材で掴んだ多くの証言。 個々に見えていたものの後ろに隠されていた意外な繋がり。 戦後とは想像もつかないほど混沌とした時代だったのだろう。 その裏で誰が何のためにどんなことをしていたのか。 確かなことは、その時代があったからこそ今の日本があるということだけだ。 「下山事件」は「三鷹事件」「松川事件」と共に語られることが多いらしい。 三つを総称して「国鉄三大ミステリー事件」と呼ばれている。
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実際にあった事件。予備知識なしで読んだので何もかも新鮮で最後までひといきに読んだ。 昭和の大事件。こんなにも他殺につながる状況でも自殺と処理される。謎めいていて面白い。
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