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吉原手引草 の商品レビュー

3.7

148件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    50

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知らない世界

吉原。花街であるのは有名だが、それ以上は知らない世界。吉原一の花魁・葛城は何故姿を消したのか?幾人もの証言から浮かび上がる、遊郭の真の姿。時代ものミステリとして、吉原を知る一冊として、楽しめる。

yama

2023/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

黒い屋根付きの大門だけが唯一の出入り口、という遊郭・吉原。 お歯黒溝にぐるり四方を囲われた、密室のように閉じられた異空間を騒がせた、吉原一の花魁・葛城の失踪事件の謎を紐解く物語。 関係者16名から聞き出す、という展開の連作短編集。さすがに16名も出てくると読む方もちょっと疲れてくるけれど、終盤、真相に近づくにつれ読むスピードも加速した。 総勢16名が自らの立場や葛城に対する思いを語る。 よそ者が滅多に知ることのない吉原ならではの風習や暮らしぶりも分かり面白かった。 16名の語る16通りの葛城は、実に天晴な人となり。葛城自身は最期まで登場することがない点も実に面白い。みんな勝手なことを語っているけれど、本当のところ葛城はどんな気持ちでいたのか、思いを巡らせつつ本を閉じた。 吉原の客だけでなく吉原内部のみんなを虜にし、いつも賢く肝がすわって男前な葛城のファンになった。

Posted byブクログ

2023/06/05

吉原一の花魁・葛城が突然姿を消した。 いったい葛城に何があったのか? その事件を追う謎の男が葛城に関わった者達への聞き取りをするという形で物語が進みます… 引手茶屋、見世番、番頭、馴染客、遣手婆… 独白形式で進むので吉原の仕組みは凄く分かる。 分かるけど長い!ちょっと飽きてきて読...

吉原一の花魁・葛城が突然姿を消した。 いったい葛城に何があったのか? その事件を追う謎の男が葛城に関わった者達への聞き取りをするという形で物語が進みます… 引手茶屋、見世番、番頭、馴染客、遣手婆… 独白形式で進むので吉原の仕組みは凄く分かる。 分かるけど長い!ちょっと飽きてきて読むのを何度も中断してしまった(*_*) だって16人もいるんだもの笑 ラスト近くなって真相が分かってくると俄然面白くなってきて、まぁ吉原の者達に愛されてた葛城‼︎ 凄いぞ葛城‼︎ アッパレである╰(*´︶`*)╯ 葛城の行末だけは謎なんだ…残念…

Posted byブクログ

2022/09/20

タイトル通り、吉原のシステムやそれぞれの役割が分かりやすく説明されていてスッと物語に入れる。インタビュー形式の進め方もテンポ良く読みやすくて引き込まれる。1日でぜんぶ読み終えてしまった。オチやインタビュアー側にもう少しほしかったけど、充分おもしろかったので満足です。

Posted byブクログ

2021/12/25

初めての作家さん。直木賞。 吉原に関わる人達から語られる遊郭の諸々。何が起きたのかさえわからない中で郭のしきたりのようなものから駆け引きなど興味深く奥へ奥へと少しずつ真相が…。浸って読めました。

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2021/03/07

花宵道中がとても面白く、もっと吉原の事をしりたいと思ったのでこちらを読みました。第137回直木賞です。 葛城花魁の周りの関係者17人へインタビューしながら、お話が進みます。 一人称での語りなので想像力をフル回転。それぞれの人に多少の胡散臭さや、どこまでが真実なんだろうという感...

花宵道中がとても面白く、もっと吉原の事をしりたいと思ったのでこちらを読みました。第137回直木賞です。 葛城花魁の周りの関係者17人へインタビューしながら、お話が進みます。 一人称での語りなので想像力をフル回転。それぞれの人に多少の胡散臭さや、どこまでが真実なんだろうという感じも、吉原の世界観がよく表れていると感じました。 登場人物が多いので、ごっちゃになりそうでしたがとても面白かったです。

Posted byブクログ

2020/08/22

タイムスリップ気分になれました 1人、1人と話し相手が変わるにつれ分かっていく真実。 知りたいことだけを話してくれる訳ではない話し相手。 昔っぽい口語で少し読みづらいのがとても粋でした

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2020/04/06

松井作品を初めて読んだ。前半は馴染めなく、読むのに時間がかかってしまった。後半は何となく予想した展開だった様な気がする。

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2019/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終盤、食い入るように読んだ。ゾクゾクするほど粋でカッコ良かった。吉原に生きる者たちの覚悟を見たという不思議な興奮で満たされている。 吉原で人を動かすには金が必要だとはじめから何度も刷り込まれるが、最終的に葛城は、金じゃない何かで最後の一押しをしている。ここが一筋縄ではいかない世界だなと思わされる。色んな人が一枚噛んでいる、ネタばらしの順番が絶妙だった。

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2018/03/13

吉原、花魁ってこういうサービスだったのか。作法やしきたりが細かく描写されていて、これさえ読めば、いつ廓に招かれても安心な一冊。表面上は色んなシステムで品が保たれてる気がするし、エロのための施設というより、夢を売るテーマパークだったようですね。 この行間を読ませる感じ。主役が出てこ...

吉原、花魁ってこういうサービスだったのか。作法やしきたりが細かく描写されていて、これさえ読めば、いつ廓に招かれても安心な一冊。表面上は色んなシステムで品が保たれてる気がするし、エロのための施設というより、夢を売るテーマパークだったようですね。 この行間を読ませる感じ。主役が出てこない語り。粋だ。

Posted byブクログ