闇の戦い(2) の商品レビュー
「コーンウォールの聖杯」と続けて読んでみると「いきなり『みどりの妖婆』を読ませるのは酷です評論社さん」と訴えたくなる。それくらい伏線回収部分が多かった。 この巻でドルー兄弟達とウィルが結びつくが、ウィルはあくまで<古老>として目立たない存在であろうとする。ドルー兄弟達が主役。これ...
「コーンウォールの聖杯」と続けて読んでみると「いきなり『みどりの妖婆』を読ませるのは酷です評論社さん」と訴えたくなる。それくらい伏線回収部分が多かった。 この巻でドルー兄弟達とウィルが結びつくが、ウィルはあくまで<古老>として目立たない存在であろうとする。ドルー兄弟達が主役。これが最後の「樹上の銀」に繋がっていくんだなぁ~なんて今更思ったり。 カエサルのガリア戦記でも「枝編細工で作った大きな像に生贄を詰めて火をかける」というガリー人の風習が書かれているので、コーンウォールのどこかにそういった習慣がある/あったのだろうと思う。 この本に出てくる「他人の不幸が幸せな人もいる」(意訳・実際の台詞は全然違うものでした)という考えは読んだ当時、思春期だった心に突き刺さった。ファンタジーというのは現実社会に出る前に、若い者に世の中を教えてくれる緩衝装置でもある。
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主人公に3人の兄弟が加わってくる。イギリスのコーンウォール地方で聖杯を探すとなると、舞台装置は出揃い、怪しげな画家の「闇」と光が戦うことになる。この小説は、もう半世紀以上前に書かれたもので、現在のファンタジーなら出てくる、ドラゴンや魔法使いや妖精とかの定番登場人物が出てこない。そ...
主人公に3人の兄弟が加わってくる。イギリスのコーンウォール地方で聖杯を探すとなると、舞台装置は出揃い、怪しげな画家の「闇」と光が戦うことになる。この小説は、もう半世紀以上前に書かれたもので、現在のファンタジーなら出てくる、ドラゴンや魔法使いや妖精とかの定番登場人物が出てこない。その代わりが、アーサー王伝説になるらしい。特別な人間だけが戦うのでなく、一般の人間も参加するのが、面白さを増加させているかもしれない。呪文も古い言葉だし、土地の伝説や儀式がまだ特別なものとして生きている(形骸化されていない)のがいいなあ。
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