50年前の憲法大論争 の商品レビュー
ここのところの読書の流れで、憲法制定時についてのものを読み続けている。本書は昭和31(1956)年3月16日金曜日に開かれた第24回国会衆議院内閣委員会における憲法調査会法案についての公聴会の議事録。日本国憲法制定10年が経ち、憲法改正のために、内閣に憲法調査会を設置する法案につ...
ここのところの読書の流れで、憲法制定時についてのものを読み続けている。本書は昭和31(1956)年3月16日金曜日に開かれた第24回国会衆議院内閣委員会における憲法調査会法案についての公聴会の議事録。日本国憲法制定10年が経ち、憲法改正のために、内閣に憲法調査会を設置する法案について、国際法学者・神川彦松、憲法学者・中村哲、法社会学者・戒能通孝を公述人として公聴会が開かれている。本書はその50年後の時点での刊行であるが、占領下におけるものである、あるいは、自衛隊・自衛権についてどう考えるという憲法改正の議論は、その後の浮き沈みことそあれ、この時点のものを抜け出ていないように思う。 ちなみに、神川公述人が法規範の効力を国際法上の効力と国内法上の効力にわけて公述している点は、法学者界隈では自明のものだが、一般的には認識されていないものではなかろうか。
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その時代の国会の空気感を知るにはよい。改憲論議としては、賛成派の国際政治学者の議論がお粗末すぎて、合理的な議論をするための参考にはならない。当時の9条改憲の思惑が議論の焦点にならないよう避けつつ、改憲の議論を始める根拠を示そうとするから、こんなことになるのだろう。本書で一番印象的...
その時代の国会の空気感を知るにはよい。改憲論議としては、賛成派の国際政治学者の議論がお粗末すぎて、合理的な議論をするための参考にはならない。当時の9条改憲の思惑が議論の焦点にならないよう避けつつ、改憲の議論を始める根拠を示そうとするから、こんなことになるのだろう。本書で一番印象的だったのは、巻末付録の衆院本会議議事録での下川議員の発言だった。戦争の記憶がまだ生々しく、自民党と社会党がどうしたって歩み寄れそうな感じがしない。そんなことを実感させてくれる。
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実際、この半世紀でまったく議論が深まってこなかったという点に衝撃を受ける。 新書の作り方として、この手もありなのかな、と。
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本書は、昭和31年3月16日に開かれた「第24回国会 衆議院内閣委員会公聴会」の議事録である。内容は、憲法改正についてであった。当時は、サンフランシスコ平和条約が締結されたこともあり、独立を回復した我が国では憲法改正の機運が高まっていた。 公聴会であるから民間の公述人を呼...
本書は、昭和31年3月16日に開かれた「第24回国会 衆議院内閣委員会公聴会」の議事録である。内容は、憲法改正についてであった。当時は、サンフランシスコ平和条約が締結されたこともあり、独立を回復した我が国では憲法改正の機運が高まっていた。 公聴会であるから民間の公述人を呼んで意見を訊き、その意見に対して国会議員である内閣委員会委員が質問を加えるというスタイルである。、 この3人の公述人が凄いメンバーである。日本国際政治学の父とも呼ばれた神川彦松、近衛文麿のブレーンとして活躍した中村哲、特に入会の研究で名をなし後に公害問題で活躍することになる法学者戒能通孝。 おおよそ日本国憲法改正にまつわる論点の大きなものは、この公聴会で出尽くしている。そう考えるに足るほどの議論が展開されている。逆に言えば、こと憲法問題において、我々は50年前と何も進歩していないということか。
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50年前とは思えない、わかりやすさと緊迫感。これ以降、憲法論議が深まっていかなかった、というのもうなずける。おのれの生き様をひっさげて、議論に臨む姿勢は、どれも甲乙つけがたい。現在、改憲論議が盛んだが、ここまで体をはった議論はなかなか見られない。現在の改憲派も護憲派もどこか観念的...
50年前とは思えない、わかりやすさと緊迫感。これ以降、憲法論議が深まっていかなかった、というのもうなずける。おのれの生き様をひっさげて、議論に臨む姿勢は、どれも甲乙つけがたい。現在、改憲論議が盛んだが、ここまで体をはった議論はなかなか見られない。現在の改憲派も護憲派もどこか観念的、薄っぺらに思えてしまう。
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