1,800円以上の注文で送料無料

まぼろしの白馬 新版 の商品レビュー

4.4

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美しいイギリスのロマンティック・ファンタジー。 マリアが引き取られたお城には不思議なことが起きる。老牧師から自分の先祖と敵対する黒い男たちの因縁を聴き、マリアは自分が問題を解決しようとする。 洋服や小物、動物たち、また部屋や服などのディテールが素敵に描かれていてロマンティックな雰囲気を出している。先祖の話から大人たちの秘密まで、13歳のマリアは正しく受け止め、時には勇気を発揮してきちんと意見する。カッコよいヒロインである。

Posted byブクログ

2021/02/06

小学生の頃に出会って本好きになったの、まさかこの本?いやピアス? 記憶があいまいだけれど、この本も自然や動物、個性的な仲間たちが登場しまくりで楽しい。

Posted byブクログ

2021/02/08

『まぼろしの白馬』  推理小説・冒険小説・幻想小説・恋愛小説の要素もあり、人間のいいものに焦点をあてた話です。ストーリはロンドンで育った13歳の少女が孤児になって、デヴォンあたりの田舎の城でくらすことになって「おひめさま」になるんだけど、その責任も負うという話です。  動物も...

『まぼろしの白馬』  推理小説・冒険小説・幻想小説・恋愛小説の要素もあり、人間のいいものに焦点をあてた話です。ストーリはロンドンで育った13歳の少女が孤児になって、デヴォンあたりの田舎の城でくらすことになって「おひめさま」になるんだけど、その責任も負うという話です。  動物もかわいいし、人間もそれぞれ事情をかかえているけど、基本的によい人間で、そこに幻想がくわわる。舞台は田舎ではでな出来事はないけれど、そこに住む人間のこまかい描写はとてもいいです。  原題はA Little White Horseで1946年の出版、アガサクリスティーが代表作を書き終わったあと、ムーミンの一巻がでた年のようです。著者はウェールズの神学者の娘で、劇も書いたエリザベス・グージです。  タイトルは地味だけど、この本をとても好きなひとがいるようで、ハリー・ポッターをかいたローリングスもほんとうに好きみたいだ(I absolutely adored……と英語版の表紙に書いている)  映画化もされていて「ムーンプリンセス」とかいう題である。 いいことばを原文からひろってみた。 There's nothing like protecting someone more frightened than one is oneself, she thought, to make one feel as brave as a lion.(ライオンのように勇敢になるには、自分よりおびえているだれかを守ることにまさるものはない。) All the best things are seen first of all at a far distance. (いちばいよいものは遠くからはじめてみたものです。)

Posted byブクログ

2018/08/09

宮崎駿さんが『本へのとびら』のなかで紹介していたので、図書館から借りてきて読んでみた。 今回は物語の世界に入り込むことがなかなかできなかった。何でだろう? 最近読んだ岩波少年文庫のいくつかの本では、大人の私でも自然にその世界に入り込み、楽しめたのだけれど… ジブリがアニメーション...

宮崎駿さんが『本へのとびら』のなかで紹介していたので、図書館から借りてきて読んでみた。 今回は物語の世界に入り込むことがなかなかできなかった。何でだろう? 最近読んだ岩波少年文庫のいくつかの本では、大人の私でも自然にその世界に入り込み、楽しめたのだけれど… ジブリがアニメーション化してくれると、何となくつぎはぎのように感じられてしっくりこなかった部分々が、なめらかに流れて、素敵な作品になることだろう。 作者の父は神学校の副校長だったそうで、その影響が所々で感じられた。 主人公の少女は孤児になったが、悲愴さは全くなく、むしろ新天地で新しい人々と接しながら、伸びやかにたくましく暮らしていく。こうした描き方は『秘密の花園』や『赤毛のアン』、『エミリー』などにも共通していて、私の好きな設定だ。 孤児でなくても、昔は奉公に出されたり、養子に入ったりと、実の親元を離れて生活する子どもがたくさんいた。そのほうが、子どもは大きく羽ばたく機会に恵まれることだろう。

Posted byブクログ

2017/05/31

主人公の少女やお相手の少年、登場人物が魅力的なのはもちろんのこと、スパニエル犬、猫、犬、子馬、獅子、うさぎといった主人公の周りに居る動物が、あたかも人間かのようにのびのびと個性をもって動く様、自然が意志をもっているかのように描写されているところにも、このお話の面白さがあるのかなと...

主人公の少女やお相手の少年、登場人物が魅力的なのはもちろんのこと、スパニエル犬、猫、犬、子馬、獅子、うさぎといった主人公の周りに居る動物が、あたかも人間かのようにのびのびと個性をもって動く様、自然が意志をもっているかのように描写されているところにも、このお話の面白さがあるのかなと思いました。訳者の石井桃子さんの訳が本当に素晴らしい。本の中に自分の世界を見出す少女が心に住んでいる皆様、ぜひお読みください、ロマンスあふれる世界がここにはあります。世界が一瞬、素敵なピンク色に染められます。

Posted byブクログ

2015/01/28

暖炉にりんごの木を燃やしてお部屋をいい香りに、ベッドはラベンダーの香り、朝露に濡れたスノードロップの花束、マリーゴールド色のバター、ユニコーン、お茶会のフェアリーケーキ、暮らしをピンクで彩る、野うさぎ、焼きリンゴにハチミツ、よそ行きの街頭にすみれの花束、乙女心をくすぐる物語。

Posted byブクログ

2013/12/27

ロマンチックな女の子向けファンタジー。 美しくない女の子が孤児になって、地方の領主である遠い親戚の所へ行く。そこには美しい風景と、奇妙な召使いと、家にまつわるなぞがある。 これだけ書くと「秘密の花園」みたいだけど、あれよりも幻想的でファンタジック。 宮崎駿がこの作品が好きだと言っ...

ロマンチックな女の子向けファンタジー。 美しくない女の子が孤児になって、地方の領主である遠い親戚の所へ行く。そこには美しい風景と、奇妙な召使いと、家にまつわるなぞがある。 これだけ書くと「秘密の花園」みたいだけど、あれよりも幻想的でファンタジック。 宮崎駿がこの作品が好きだと言っていたけど、よくわかる。少女の成長、謎と歴史でできた古い城、異形の者たち、特別な能力のある動物など、ジブリアニメでなきゃおかしいくらいの設定で、(もちろんこの本がずっと古いわけだから)、こういう児童文学が宮崎駿の血肉となったのであろうことは想像に難くない。 だから、宮崎作品が好きな人はすごく楽しめるだろうし、そうでない人も、本当によくできた作品だし、ディテール(身につけるものや料理や自然の風景)が素晴らしいうえ、完璧なハッピーエンドなので、読んで厭な気持にならない。 エリザベス・グージの作品で翻訳で読める作品をこれ以外に知らないが、人生に一冊、こういう本が書ければ幸せだろうな、と思う。

Posted byブクログ

2012/03/18

児童文学の名作。 内容を忘れたので、再読。 大人にも読める描写を含んだファンタジックな内容。 マリアは父親を亡くして、遠縁の従兄にひきとられることに。 母を早く亡くし、赤ちゃんの頃から家庭教師のヘリオトロープ先生に育てられた。 ずっと一緒だった先生も同行するので、そんなに寂しく...

児童文学の名作。 内容を忘れたので、再読。 大人にも読める描写を含んだファンタジックな内容。 マリアは父親を亡くして、遠縁の従兄にひきとられることに。 母を早く亡くし、赤ちゃんの頃から家庭教師のヘリオトロープ先生に育てられた。 ずっと一緒だった先生も同行するので、そんなに寂しくはない。 ヘリオトロープ先生は厳しいが、マリアを素晴らしい女性に育てようと決意しており、マリアは信頼しきっているのだ。 ロンドンで知り合った男の子ロビンと会えなくなったことは気になっていたが。 岩の中に入っていくような構造のわくわくするような面白い荘園に、塔の中にある可愛い部屋。 荘園領主ベンジャミン・メリウェザー卿は中年で従兄というよりは伯父だが、見るからに温かい人柄。 マリアが朝起きると、綺麗な乗馬服が出されていたり。誰が世話してくれているのかすぐにはわからない不思議な生活。 まだらの小馬ペリウィンクルに乗って見て回った自然が美しい外の光景と、海辺で見えた一瞬の幻。 マリアが連れてきた犬のウィギンズ。館を自由に歩き回る猫のザカライア。マリアが罠から助けたウサギのシリーナ。としだいに仲間も増えていきます。 門番の女性ラブデイは、マリアが夢見た母親のよう。 咲き乱れる花や、美味しい食べ物。 料理は、台所を仕切っている小柄な老人マーマデュークが作っているとわかる。 フサフサのたてがみのある黄色い大きな犬・ロルフ。 ロルフと一緒ならマリアはどこに行っても良いが、海にだけは近づいてはいけないと言われる。 海で魚を捕るのは、森に住む「黒い男達」が独占しているのだ。 彼らはメリウェザー家の先祖ロルフと仲違いしたノワール卿の子孫らしい。 村の牧師と、再会したロビンから話を聞き、メリウェザー家の先祖が引き起こした争いが今も尾を引いていることを知ったマリアは…? 13歳の少女が勇気を奮い起こします。 1946年に、およそ100年前の1842年の話として書かれたので、古風な所はあります。 それもまた魅力。人の心に普遍的に訴えかける物に満ちていますね。 過去の争いも悲しみも洗い流され、皆が上手くいく心地良い展開。 挿絵はディケンズ風の衣装。 巻き毛とふくらんだスカートとボンネットが可愛い。

Posted byブクログ

2012/01/29

古い貴族、閉じられた館、孤児の少女、秘密の部屋、隠された宝石、姿が見えない使用人たち、不吉な「黒い男」、そして魔法めいた動物たち。ファンタジーのエッセンスをふんだんに持ち込みつつ、物語は「勇気と元気」を基調に進んでいく不思議なお伽話。いくつか?なところもあったけれど、まずはこの雰...

古い貴族、閉じられた館、孤児の少女、秘密の部屋、隠された宝石、姿が見えない使用人たち、不吉な「黒い男」、そして魔法めいた動物たち。ファンタジーのエッセンスをふんだんに持ち込みつつ、物語は「勇気と元気」を基調に進んでいく不思議なお伽話。いくつか?なところもあったけれど、まずはこの雰囲気を楽しむ。

Posted byブクログ

2011/12/09

イギリス南西部、デボン州に住むようになって、作者エリザベス・グージは妖精の存在を信じられるようになったという。森と入り江に囲まれ自然に恵まれた土地のその伝承と自らが見た夢から、この話が生まれたという。海の泡から現れる白馬の言い伝えを、伝説にはお馴染みのユニコーンとしている。 美し...

イギリス南西部、デボン州に住むようになって、作者エリザベス・グージは妖精の存在を信じられるようになったという。森と入り江に囲まれ自然に恵まれた土地のその伝承と自らが見た夢から、この話が生まれたという。海の泡から現れる白馬の言い伝えを、伝説にはお馴染みのユニコーンとしている。 美しくも影を伴い、不思議で、深遠な自然の伝承。そこに明るく才気煥発な少女マリアの物語が見事にあいまって、とても面白くて、ロマンティックな世界が楽しめる。 ファンタジックな面だけでなく、リアリズムも感じさせるのは、マリアや登場人物たちの頼もしくたくましい気質によるものが大きいのかもしれない。 ウォルター・ホッジズの挿絵によく表れているけれど、こういう古めかしくも落ち着きのある魅力的な雰囲気、結構、好きかも(笑)

Posted byブクログ