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色男の研究 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2018/03/02

日本の文学史における「色男」の系譜をたどり、その意味の変遷を明らかにしている本です。 一つひとつの話題はそれなりにおもしろいのですが、全体を通して読むと、やや散漫な印象を受けます。ただしそれは、あつかっている内容が多岐にわたっていることによるだけでなく、著者が「ロマンティック・...

日本の文学史における「色男」の系譜をたどり、その意味の変遷を明らかにしている本です。 一つひとつの話題はそれなりにおもしろいのですが、全体を通して読むと、やや散漫な印象を受けます。ただしそれは、あつかっている内容が多岐にわたっていることによるだけでなく、著者が「ロマンティック・ラヴ・イデオロギー批判」の枠組みを前提に個々の事実を裁断していて、事実そのものに語らせるような仕方で議論が展開されていないように感じてしまうからではないかという気がします。

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2010/07/14

[ 内容 ] 近代以降、私たちは粋な「色男」の遊び方、生き方を、あらかた忘れてしまっている。 そして、代わりに「恋愛」を覚えた。 この「恋愛」はだれにでもできる。 何の技量がなくてもできる。 民主的だが、ひとりよがりのものでもある。 人に分かってもらえなくてもいい、そんな意識が「...

[ 内容 ] 近代以降、私たちは粋な「色男」の遊び方、生き方を、あらかた忘れてしまっている。 そして、代わりに「恋愛」を覚えた。 この「恋愛」はだれにでもできる。 何の技量がなくてもできる。 民主的だが、ひとりよがりのものでもある。 人に分かってもらえなくてもいい、そんな意識が「恋愛」の基本だ。 こんな「恋愛」を卒業するために「色男」の技をちょっと思い出すのも悪くはない。 この本で模索しているのは、そのための手がかりである。 [ 目次 ] 第1章 色男とは何者か 第2章 恋の「マニュアル」―オウィディウスから「ポパイ」まで 第3章 色男の淵源としての色好み 第4章 明治・大正の色男 第5章 ダンディズムと色男 第6章 女たらしという職業―ヒモとジゴロ 第7章 媚薬・誘惑・虚偽 第8章 にせ色男 第9章 悪い男の魅力 第10章 女たちの復讐―取り憑かれる男たち 第11章 色男の行方―恋愛・ディスコミュニケーション・オタク [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2009/10/07

 サントリー学芸賞受賞作というので買って読んでみたが、今一迫ってこない。なぜか。確かに著者は古今東西の書物に通じているように見えるし、おもしろい箇所もある。とりわけ、後半のサブカルチャーとも言うべき部分は面白い。(著者の漫画論の方が面白いのかも知れない『マンガは欲望する』)しかし...

 サントリー学芸賞受賞作というので買って読んでみたが、今一迫ってこない。なぜか。確かに著者は古今東西の書物に通じているように見えるし、おもしろい箇所もある。とりわけ、後半のサブカルチャーとも言うべき部分は面白い。(著者の漫画論の方が面白いのかも知れない『マンガは欲望する』)しかし、それ以外は話題があちこちにとんで散漫な感じを受ける。逆にもう少し読みたいと思ったらその章は終わりという箇所も少なくない。書き方もどこかもってまわったようなところがあって好きになれない。著者はもともと遊女を研究するつもりだったらしい。ところが佐伯順子さんが先にやってしまった。それで「色男」にしたという。著者自身はまわりからドンファンだから、こんな研究を始めたのだろうと冷やかされたりもしている。もちろん否定はしているが、あながちうがった見方とも思えない。要するに研究の動機もはっきりしないところがある。これがなぜ学芸賞なのかよくわからないという本だ。

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2010/03/26

面白かった。面白かったのだが、正直なところ、「だから何」という印象も拭えない…。 これなら氏家幹人の本と「悪女入門」を一緒に読んだ方が面白かっただろう。 あまりインパクトがないのだ。 もう一度読んでおこうと思う。 ただ、「永井荷風が最後の色男」「モテナイ男が主人公になる」「粋な男...

面白かった。面白かったのだが、正直なところ、「だから何」という印象も拭えない…。 これなら氏家幹人の本と「悪女入門」を一緒に読んだ方が面白かっただろう。 あまりインパクトがないのだ。 もう一度読んでおこうと思う。 ただ、「永井荷風が最後の色男」「モテナイ男が主人公になる」「粋な男は滅びたのか」などの話題は非常に気になった。

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