負け犬の遠吠え の商品レビュー
どんなに働いていても…
どんなに働いていても、30過ぎて結婚していない・子なしは負け犬。一見、一昔前のフレーズを思い出してしまう。しかし、しかし。そんなフレーズも理論だった説明でぐっと来てしまうのがこの本の凄いところ。
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競争社会が是となっている世間で流布される "勝ち組" "負け組" という言葉の分断を忌み嫌う私は、本書に記される "勝ち犬" "負け犬" という女性のあり方の是非を問いただす主題に当初は戸惑うも、その...
競争社会が是となっている世間で流布される "勝ち組" "負け組" という言葉の分断を忌み嫌う私は、本書に記される "勝ち犬" "負け犬" という女性のあり方の是非を問いただす主題に当初は戸惑うも、その礎にある男性優位や因習の滑稽が絶妙な例え話を加味しながら露呈していく過程に喝采を送りたくなる。すると次第に競争ヒエラルキーの愚かさや前例踏襲の狭義が女性の足枷になっていることに気づく。比べることの無意味さを、遠吠えとして締めくくる構成が巧い。男女問わず読み応えがある。
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「女として不幸」はモテない、結婚できてない子供を産んでいないこと。 「男として不幸」は仕事ができないこと。 仕事はバリバリだけど男女関係はガバガバな男性に対して、世間はそれ男としてどうなんだ、、なんて感想は持たないし、なんなら仕事も恋愛も真面目にできないその負け犬っぷりは一種のキ...
「女として不幸」はモテない、結婚できてない子供を産んでいないこと。 「男として不幸」は仕事ができないこと。 仕事はバリバリだけど男女関係はガバガバな男性に対して、世間はそれ男としてどうなんだ、、なんて感想は持たないし、なんなら仕事も恋愛も真面目にできないその負け犬っぷりは一種のキャラクターとして美化されることすらある。逆にそれを女性がやるとなんとなく痛々しさが残る。 そういう感覚って、いくら制度面で男女平等に近づいたとしたって簡単には変わらないよな〜〜って改めて思うとともに、今まで性差を感じない環境にいたからこそ、この先の社会人生活が恐ろしく感じられた。にしても、その感覚どこで身につけたんだろ私たち...。 社会人なりたての自分的には「いびってくる負け犬は若さへの執着がゆえ」って話も印象深かった。お局がいたらこの人は若さに嫉妬してるんだ、自分も昔は若さの恩恵にあやかってたはずなのにね...(苦笑)ぐらいのマインドでいたいな。 自分が30歳になって再読したらまた感想も違ってくると思う。その時の世間的な負け犬要素がどんなものになってるのかは分からないけど、女としての幸せが、果たして自分の幸せになり得るのかどうかは見定めなきゃな〜〜と思った。
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何事もそうだけど、「負け犬にならないための10ヶ条」とかは相手の好みによるから全てこの通りに実行した人が成功するとは限らないと思うけど、全体的に色々学ぶことが多かった。そして周りにこの本で定義されている「負け犬」はたくさんいるから凄く共感できることも多かった。この本は2006年に...
何事もそうだけど、「負け犬にならないための10ヶ条」とかは相手の好みによるから全てこの通りに実行した人が成功するとは限らないと思うけど、全体的に色々学ぶことが多かった。そして周りにこの本で定義されている「負け犬」はたくさんいるから凄く共感できることも多かった。この本は2006年に最初発売されたからそこからまたさらに日本のと世の中の風習が変わってさらに独身女性が増えたと思うし、少なくとも私から見たら全く「負け犬」とはその人たちのことを思っていない。ただ、最後に出ていたオスの負け犬たちのインタビューをちらっと読んで、まともな人って本当にあまり残っていないんだろうな、こういう人にはなりたくないなって思った。
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3.5 実にくだらないけど、うまく言語化されてて面白かった。 解説の中の「静かな自己肯定」っていうのが本当にうまくこの本を表してるなあと思った。 「女性誌というのは、読みすぎるとバカになりますが、読まなさすぎるとブスになるのです。」
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負け犬とは 未婚、子ナシ、三十代以上の女性のこと 負け犬の事だけで、1冊丸々良く書けたなぁ 負け犬を上手い具合にカテゴライズされていたり するけれど、読んでいて別に楽しくないのは 私が負け犬ではないからなのか?
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2003年に刊行されて超話題となった酒井順子さんの本。ご存知の通りドラマにもなりました。 20年前は自分がまだガキだったので「そんなもんかねー」っつう程度の印象。女性から見た男性としての自分のことを見つめ直したりは決してしなかったし、1人で生きる女性の心の中など想像しようともし...
2003年に刊行されて超話題となった酒井順子さんの本。ご存知の通りドラマにもなりました。 20年前は自分がまだガキだったので「そんなもんかねー」っつう程度の印象。女性から見た男性としての自分のことを見つめ直したりは決してしなかったし、1人で生きる女性の心の中など想像しようともしなかった。 今回読み直して分からなかった女性の様々な感覚も少し分かるようになった気もします。 ちょうど20年ということでインタヴューなども読みましたが酒井さん。本当に思考のセンス抜群です。 今の時代を生きる負け犬さん達にも是非お読み頂きたい一冊でございます。
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負け犬=未婚、子ナシ、三十代以上の女性のことを指す 2004年の流行語大賞トップテン入りし、ドラマ化もされたらしい。 著者酒井順子さんの「家族終了」が面白かったので、タイトルでチョイスした本書でしたが、まあよくぞ「負け犬」というワンテーマでここまで書ききったなと感心するばかりです...
負け犬=未婚、子ナシ、三十代以上の女性のことを指す 2004年の流行語大賞トップテン入りし、ドラマ化もされたらしい。 著者酒井順子さんの「家族終了」が面白かったので、タイトルでチョイスした本書でしたが、まあよくぞ「負け犬」というワンテーマでここまで書ききったなと感心するばかりです。もう20年前の本なので、当時の時代感と現在では少し違うのかも知れませんが、より未婚化が進んでいる現在の方が先鋭化されている状況と言えるかも知れません。 40代既婚オジサンからすると、真ん中辺にあったコラム・オスの負け犬で、30代半ば以降の未婚男性にはこういう問題がある5類型が面白かったです。自分も結婚してなかったらこうなってただろうなと思います。まあ、男の場合は未婚でも負け犬みたいな呼ばれ方はされないので、そういう人生もありなのかなとは思いますが。
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面白かった。文章が上手いなと思った。所々、上手い例えや言い回しにニヤけながら読んだ。 自分の人生の今のタイミングで読めて良かった。今の時代、結婚しようがしまいが正直どっちでも良いと思うが、私は結婚しようと思いました。 負け犬に痛快に寄り添ってくれる、良い本です。
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エッセイストの著者が、30代、独身、子なしの女性を負け犬と定義して、なぜ彼女達は負けてしまったのか説いている一冊。 賛否両論あると思うが、負け犬達は、好奇心旺盛で純粋であることが特徴というのは激しく同意する。 36歳まで負け犬だった私も、とにかく好奇心旺盛。20代の頃はもっと沢山の経験を積みたかったため、結婚なんて人生の墓場だと思ってきた。 そして、純粋という部分は、好きな人とじゃないと結婚しないと決めて、婚期を逃すパターンだと思う。 20代後半で結婚していく勝ち犬達は、好きとか恋愛は置いておいて条件だけで結婚していく人もいる。 負け犬にとって、それは許しがたい行為。 どんなに美人で仕事ができる女性でも、未婚なら負け犬と定義してしまうこの本は、乱暴な印象を与えるが、読んでみるとそんなことはない。 著者自身が負け犬なので、負け犬達への愛を感じる。 林真理子さんが指摘するとおり、著者が想定している負け犬とは、都会でバリバリ働く美しい女性のこと。 そして、勝ち犬とは都内で暮らすシロガネーゼ的な金持ち美人専業主婦マダムである。 残念ながら、ママチャリで髪を振り乱している、生活にいっぱいいっぱいの主婦は、勝ち犬とは言わないのである。
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