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みんな元気。 の商品レビュー

3.3

65件のお客様レビュー

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2010/12/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『みんな元気。』は舞城王太郎の短編小説集。文庫版は、単行本と収録作品が異なるそう。さて、僕は日本現代文学の中で、今一番舞城王太郎に萌えています。村上春樹とか村上龍とか阿部和重とかは売れている(阿部和重は微妙だけど)から教養として読んでいるという感じ。中原昌也は好きだけど、読むと影響で、仕事中すごい体が痛くなるし、精神病的症状、絶望状態が現れるから、正直大好きでもあまり読みたくない(笑)。 舞城は残酷表現もあるけど、ある種の理想とか正しさとか、理想も正しさも成立しえないこんな時代に志向しているから、読んでいて体が痛くなることはない。だから好き。そんな生理的理由で小説の好き嫌い決めていいのかという問題もあるけど、今日も舞城推します。というわけで、『みんな元気。』文庫版から名言、名文をお届けします。 <Dead for God>より 『神の怒りも罰も助けにならない。神は試すために怒り、罰するのだ。試されるのは人の気持ちで、神はそいつの気持ちを試すためにそいつの命を奪うことだってある。罰は相手を許すために与えられるものだが、神の罰はあくまでも人間全体に対して与えられるので、一部の人間は死ぬ。人類はダメージを受け、神の気が済んだところで許される。  でも本当は、神なんて人の心中にしかいない。試されたつもりになるのも許されたつもりになるのも心の中だけだ』 (p.175) 『誰かを殺すことが、その殺人者をも一部殺すように、誰かを生むことが、それをする父親、母親をも一部さらに生かすことがあるかもしれない』(p.193) ~~~ さて、表題作『みんな元気。』とか、また家族の問題。日本近代文学伝統のテーマです。もう現代なんて家族という族、崩壊気味だし、一人暮らしの無縁人の方が多いだろうけど、舞城は家族を描きます。家族も交換可能、家族も選択可能。ああでも家族なんてもう文学で扱わなくていいんじゃないか。文学はフィギュア萌えとかゲームキャラ萌えとか、家族がいないことを補完するというか、家族なんて必要なくする仮想現実をもっと真摯に描かないと、仮想現実化の進む社会で存在意義を喪失すると思える。 なんてこともう何年も前から言われていることだろうし、文学の失効化なんてくいとめられないだろうけど。それでも小説を求めていると、舞城が輝いて見える。

Posted byブクログ

2010/11/01

「みんな元気。」「Dead for Good 」「矢を止める五羽の梔鳥」の三作が収められている この人の本は「阿修羅ガール」に続いて二冊目 あいかわらずシュールで若い女の子言葉で 下ネタたっぷり暴力たっぷりくるので振り落とされそうになる それでも時々“本当のこと...

「みんな元気。」「Dead for Good 」「矢を止める五羽の梔鳥」の三作が収められている この人の本は「阿修羅ガール」に続いて二冊目 あいかわらずシュールで若い女の子言葉で 下ネタたっぷり暴力たっぷりくるので振り落とされそうになる それでも時々“本当のこと”がかいまみられて 自分にとってはいい引きになっている でも実は、そんな“本当のこと”も必要ないのかもと思うくらい この作家の “薄っぺらさ”にとられかねない世界のギリギリをいく感じは好きだ

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2010/10/10

読みかけて忘れていた…。以前も書いたが舞城大好きで文体だけで読めちゃうんだけど、特にこれは気がつくと普通に時間が前後してて挙句いきなり未来の架空子供とか旦那がでてくるから、置いてきぼりくうかんじがあった。そして相変わらずとっぴょうしない。面白かったけどね。もちっとシンプルでいかっ...

読みかけて忘れていた…。以前も書いたが舞城大好きで文体だけで読めちゃうんだけど、特にこれは気がつくと普通に時間が前後してて挙句いきなり未来の架空子供とか旦那がでてくるから、置いてきぼりくうかんじがあった。そして相変わらずとっぴょうしない。面白かったけどね。もちっとシンプルでいかったんじゃ?って感じかな。 でもねえ、じんせいのせんたくが、人の首チョン切るくらい大変だとか言っちゃうこの人がやっぱ好きなんだと思う。 空から落下して、お姉さんと、弟と、好きな人とが一生懸命に自分を受け止めにきてくれたら、本当に幸せだ。でも一人しか選べないときがきたとしたら 私の透明魔人は誰かなあ…。

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2010/07/11

舞城さんはタブーを軽々と破壊していくようなエピソードを出してくるけれど、そのわりには文章のそこここに精神の健全さがにじみ出ているように思う。軸足はあくまでモラルに置いていますって感じなので、下劣あるいはスプラッターな描写もつい穏やかな気分で読んでしまう。「山ん中の〜」は前半の怒濤...

舞城さんはタブーを軽々と破壊していくようなエピソードを出してくるけれど、そのわりには文章のそこここに精神の健全さがにじみ出ているように思う。軸足はあくまでモラルに置いていますって感じなので、下劣あるいはスプラッターな描写もつい穏やかな気分で読んでしまう。「山ん中の〜」は前半の怒濤の勢いが、「みんな元気。」は後半の感傷が印象的だった。

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2010/06/03

いくら舞城とはいえ、やりすぎ。やりすぎコージー。コージー富田。一気に読めばもっとおもしろかったかも。3つめの短々編はすごく面白くなりそうなところで終わって残念無念。

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2010/08/20

舞城氏の女の子の一人称小説すごく好きです。 舞城作品の女子ははっきりしてて行動力があってすごいなあいいなあと思う。

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2010/05/07

「みんな元気。」 夜中に目ざめると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった…。 今までに増して意味が分からない。舞城作品は分からないとこがよいのだけどこれはちょっといろいろ詰めすぎ...

「みんな元気。」 夜中に目ざめると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった…。 今までに増して意味が分からない。舞城作品は分からないとこがよいのだけどこれはちょっといろいろ詰めすぎたかもしれない。たぶん家族愛の話。 「 Dead for Good」 バイト先の友人が狂的サディストで薬を盛られて散々いたぶられてから身体が不自由で時折奇声を発するようになった主人公は、まともな仕事につくことが出来ずに職を転々とするが老人ホームで働くようになってなんとかなった。サディストの友人は海外でテロリストを捕まえていたぶり殺したり変態に売りさばいたりしてそれをいちいち手紙で報告してくるので「早く死ね」といつも返事を送るのだが、それでも主人公は彼を友達だと思っているのであった。 「 矢を止める五羽の梔鳥」 西暁町で繰り返される山火事と殺人の謎の話。最早わけわからない。

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2010/04/12

空飛ぶ家族? 家族の交換?? 家族って愛ってなんなんだろ??? 不思議かわいいダークな世界観

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2010/03/25

前半は山口家が楽しすぎてスリリングで竜巻で迫力。 あえて特別な能力を持っていない主人公がまぶしい。 裏表紙にもあるとおり、愛と選択と、あと可能性の物語。 MVP:朝ちゃん

Posted byブクログ

2019/01/16

この人の短編集初めて読んだ バチバチ火花がはじけるような文章を書くのに、長編の方が向いてるのはどうしてだろう 短編なのにおさめようとしていないのが、良くも悪くもこの人のスタイルだからか 我が家のトトロが好き

Posted byブクログ