獣の奏者(2) の商品レビュー
竪琴で王獣の母親の出す音を真似て、リランに餌を食べさせることに成功したエリン。しかし、リランに噛まれ、王獣が危険な生き物であることも認識せざるを得なくなる。やがて王獣と意思疎通ができるエリンとリランは王国の政治に巻き込まれていく…。 リランが思い通りになると思いきや、そうとはな...
竪琴で王獣の母親の出す音を真似て、リランに餌を食べさせることに成功したエリン。しかし、リランに噛まれ、王獣が危険な生き物であることも認識せざるを得なくなる。やがて王獣と意思疎通ができるエリンとリランは王国の政治に巻き込まれていく…。 リランが思い通りになると思いきや、そうとはならず、リランの王獣としての凄まじさは、『Ⅰ闘蛇編』を読んだ後に想像していたものを軽く超えるものでした。 エリンをはじめ、登場人物たちの葛藤が重なりに重なります。それぞれ何をすることが人として正しいのかを問いながら、決断を下していく姿にハラハラドキドキしっぱなし。 感動の王獣編の結末でした。
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人でも獣でも諦めずに語りかける主人公たちに心を打たれた。最後まで風を感じさせる世界観にも浸れて、良い読書体験だった。次巻も楽しみ。
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獣の奏者の2巻目。上橋菜穂子さんのお話、独特の世界観、人の名前や土地の名前とか覚えるのが最初大変だったけど、話もどんどん面白くなって引き込まれてあっという間に読み進められた。2巻は政治の話が絡んでくるから策略とか歴史とかも混ざってきて、単純にエリンとリランの絆の話じゃなくなってくる。主人公エリンを取り巻く周りの環境が大きく変わってくるお話。早く3巻借りて読みたい!!一気読みだった。
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ファンタジーとは「歴史の物語」だ! 以前、上橋菜穂子さんの『鹿の王』のレビューでファンタジーとは「地図の物語」だ!との名言を残した私ですが、それは良いファンタジー(面白いファンタジー)とは物語の表面に出てこないような細部に至るまで地図がしっかりと描かれている物語だという意味で、...
ファンタジーとは「歴史の物語」だ! 以前、上橋菜穂子さんの『鹿の王』のレビューでファンタジーとは「地図の物語」だ!との名言を残した私ですが、それは良いファンタジー(面白いファンタジー)とは物語の表面に出てこないような細部に至るまで地図がしっかりと描かれている物語だという意味で、地図とは地形であり、気候風土、動植物の生態系、民俗や宗教のことを指していて、その土台がしっかりしていることが物語に広がりを持たせています 本作で言えば、物語の軸である王獣と闘蛇の生態である その多くは謎に包まれているが、それは読者には明かされていないというだけで、詳細な設定があることは容易に想像され、そのことがこの物語の抜群の面白さに繋がっていると思う そして今回はそこに加えて、面白いファンタジーに必要な 要素として「歴史」を挙げたい 歴史とは国の成り立ちであり、血筋であり、伝説や掟であり、恨みであり誉れそして戦だ これらの設定が見えないところまで作りこまれていることが物語に重厚感を生んでると思う 本作で言えばリョザ神王国が生まれた伝説や、神王と大公の対立、霧の民が守り続ける戒律であり、獣王規範や闘蛇衆の掟ということになる 地図は物語に広さを与え、歴史は物語に重さを与える 地図が横の糸で歴史は縦の糸、織られた布がファンタジーて中島みゆきか!(ひどい結び)
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本作は下調べせず読み始めたので、この巻で一旦完結すると知らなかった。そのことは残念ではなく、逆にたった2巻でワクワクできて、なおかつ3巻以降別の話が楽しめるなんて最高だ。黒幕はなんとなく目星ついていたが、庇って脱臼したから違うのかなと、まんまと作者にひっかけられた。1巻と同様、話の腰を折るような余計な記述がなくストーリーに集中できる。そのくせ文章を読んでいるとエリンとリランのシーンをはじめ、頭の中で物語を思い描ける感覚があり、とても素晴らしい。中学生でも十分楽しめると思う。ナウシカ、ハリポタ好きは是非。
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一気に読み進めてしまう面白さがあった。 エリンとリラン、イアルがこれからどうなっていくのか。 予想はできそうやけど、その上を越える内容と圧倒的な読みやすさにハマってしまった。
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一巻の闘蛇編から二巻の王獣編まで、貪るように読み耽りました。ページを繰る手が止まらない! エリンが王獣リランとの絆を深めていく一方で、人と獣の間には超えられない一線があり、エリン自身も深く傷付く…… でも、彼女が王獣に向ける眼差しは、蜂飼いジョウンのもとで蜂の営みを観察していたの...
一巻の闘蛇編から二巻の王獣編まで、貪るように読み耽りました。ページを繰る手が止まらない! エリンが王獣リランとの絆を深めていく一方で、人と獣の間には超えられない一線があり、エリン自身も深く傷付く…… でも、彼女が王獣に向ける眼差しは、蜂飼いジョウンのもとで蜂の営みを観察していたのと同じ、深い洞察に満ちていて、だからこそリランと心通わすことができたのだなぁと感じ入りました。 作品全体に、生命や自然の造形への畏怖が散りばめられていて、とても清々しかったです。
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国と人、国がなす構図やそこにある欲深い人の愚かさ。 エリンとリラン、二人の間には一体どういった関係が成り立っていたのか。 最初から最後まで考えさせられた。 エリンがどんどん深い沼にはまっていくようで辛かったが、それでも我を曲げる事なく、強く進んでいく姿が印象深かった。 上橋菜穂子先生はこの物語はここで終わらせるつもりだったらしいので、昔見たアニメも完結となってしまったのでどこか虚しさの残る最後で悶々としていた記憶があった。 ここからの続きがまだあるとう事がワクワクして先が気になる。
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獣との交流は、私たち世界の動物との付き合い方も考えさせられます。猫を飼ってますが、うちの猫は幸せなのか考えてしまいます。
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