なぜこの方程式は解けないか? の商品レビュー
ガロワ理論の肝である「対称性」(シンメトリー)を分かりやすく紹介するとともに、ガロワの人生や死の謎についても詳しく考証している。難解なガロワ理論だが、この本のおかげで、グループ(群)に分けること、対称性を調べることが物事を解明するヒントになることが分かった。
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著者の「黄金比はすべてを美しくするか」が、面白かったので、2作目も読んでみる。 「対象性」の概念を中心に、その数学的な探求の物語とそれから説明できる様々な物理的現象などなどを、人物紹介などを交えながら、楽しく説明してくれる。 ある意味、「対称性」という概念が、物理学の根底...
著者の「黄金比はすべてを美しくするか」が、面白かったので、2作目も読んでみる。 「対象性」の概念を中心に、その数学的な探求の物語とそれから説明できる様々な物理的現象などなどを、人物紹介などを交えながら、楽しく説明してくれる。 ある意味、「対称性」という概念が、物理学の根底にあるということは、さまざまな本で説明されているわけで、前著のような「これも黄金比なのか!」という驚きは少ないかな。 でも、物理学だけに留まらず、レヴィ=ストロースの構造人類学(「親族の基本構造」)についても紹介してあるし、さらには認知心理学や進化理論的な観点からも論じられている。さらには、音楽や絵画にも話が広がっていくところは、著者ならではの視点の広さかな。 既に海外では出版されている次回作”Is God a Mathematician?"に期待。
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タイトルを見た時には解けない方程式が世の中に複数あって、それらを紹介し、原因を説明していくような本だと思っていた。しかし、副題に「シンメトリー」とあるとおり、そうではなく、解の公式で解くことができないことが証明された五次方程式を主題においておいて、ガロアが群論を用いて証明したこと...
タイトルを見た時には解けない方程式が世の中に複数あって、それらを紹介し、原因を説明していくような本だと思っていた。しかし、副題に「シンメトリー」とあるとおり、そうではなく、解の公式で解くことができないことが証明された五次方程式を主題においておいて、ガロアが群論を用いて証明したことを取り上げ、その群論のシンメトリックなところをとくと述べている本である。 音楽や物理学にも群論的な考えを拡大しているので、純粋な数学の知識だけでは読んでいてもわからなくなるし、一気に読んでしまわないと流れを見失うような本だった。ガロア信者でないと厳しいかもしれない。
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これはガロア理論というよりは対称性、群論をテーマに、方程式の解の公式に関する歴史、そしてアーベル、ガロアの登場、対称性の物理への展開といった歴史を生き生きと伝える良書。おもしろいです。著者は宇宙物理学者なので物理色が出ています。こういう本を学生時代に読むと数学に興味を持つ人が増え...
これはガロア理論というよりは対称性、群論をテーマに、方程式の解の公式に関する歴史、そしてアーベル、ガロアの登場、対称性の物理への展開といった歴史を生き生きと伝える良書。おもしろいです。著者は宇宙物理学者なので物理色が出ています。こういう本を学生時代に読むと数学に興味を持つ人が増えるでしょうね。私も息子にはこうした本を是非読んでほしいと思っています。なかなか中学校や高校の数学だけでは数学のおもしろさはわからないと思います。
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途中までがおそろしく退屈。でもガロアの話あたりから滅法面白くなる。 エミー・ネーターという人、知らなかったが、連続対称性と保存則の同一性、革命的に面白い。
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「 5 次より高次の方程式には一般には代数的解法 は存在しない」というのはよく知られていますが、それを証明しようとした数学者に焦点をあてた一大数学叙事詩。 出てくるのはアーベルとガロア。とくにガロアの天才性と人生の数奇さに著者はいたく心をひきつけられたようで、その死にいたるまで...
「 5 次より高次の方程式には一般には代数的解法 は存在しない」というのはよく知られていますが、それを証明しようとした数学者に焦点をあてた一大数学叙事詩。 出てくるのはアーベルとガロア。とくにガロアの天才性と人生の数奇さに著者はいたく心をひきつけられたようで、その死にいたるまでの歩みを詳細につづっています。 最終的に5次方程式に解がないことを証明するにあたり、ガロアは「群」という考え方を導入します。このことによって数学の解法が一気に加速度的に深まったのでした。 「群」はそれを拡張していくと「対称性」を見出すことができます。 そしていろいろな法則、自然の成り立ち、DNAの配置等にその「対称性」を見出すことができるのです。 この本はそれをやさしく、興味が深まるように読者を誘導してくれます。 しかし、数学で基本的には世界は成り立っているのではないかと、深く考えさせられる一冊でした。
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