孤高のメス 外科医当麻鉄彦(第6巻) の商品レビュー
不慮の事故により、台湾からの応援も頼めなくなってしまった脳死肝移植はどうなることかと心配されたが、見事当麻は成功をおさめる。しかしながら、そんな当麻を待ち受けていたのは賞賛ではなく、バッシングの嵐であった。 いよいよ最終巻。これを読んでいると、医療の制度にはなんてつまらない...
不慮の事故により、台湾からの応援も頼めなくなってしまった脳死肝移植はどうなることかと心配されたが、見事当麻は成功をおさめる。しかしながら、そんな当麻を待ち受けていたのは賞賛ではなく、バッシングの嵐であった。 いよいよ最終巻。これを読んでいると、医療の制度にはなんてつまらないしがらみが多いのだろうと思ってしまう。とりわけ、大学病院には。どういう方法が一番患者のためになるかということよりも、どこに顔をたてるかや、どうすれば今後の自分の出世に役立つかということばかりを考える医者のなんと多いことか。医師を志した時に誰でも持っていたであろうはずの心を、忘れている人間がここまで多いものなのか。結局当麻も、様々な抑制によって日本にいる意味を見失ってしまい、台湾に渡る結末になっていることからも、実際医療の現場で働く作者が同様の疑問を抱いていることが伺える。
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ラスト。最後はこうせざるを得なかった、というか、他の選択はあるまいなあ。台湾医師が出てきた段階で読めていた。それだけ当麻先生が、今の日本の医療界で現実離れした存在であるということだろう。フィクションなのだし熱くなることはないと思いつつも、ちょっとした反感を感じてしまうのは仕方ない...
ラスト。最後はこうせざるを得なかった、というか、他の選択はあるまいなあ。台湾医師が出てきた段階で読めていた。それだけ当麻先生が、今の日本の医療界で現実離れした存在であるということだろう。フィクションなのだし熱くなることはないと思いつつも、ちょっとした反感を感じてしまうのは仕方ない(笑)ユメマボロシの理想論を振りかざす、聖職者のような理想的な非人間的な医者に、だんだんとなって行ってしまったなあ(笑)
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天才外科医当麻鉄彦が、外国での研鑚をつみ帰国し、田舎の総合病院で執刀する中、いろんな軋轢等になやみつつ新医療に取り組む。大学病院の実川と生体肝移植を試みる。実川への風当たりが強くなる中、まだ日本では法令化されてない脳死の肝移植を当麻は成功させ一躍脚光を浴びるが、昔からの肝移植学会...
天才外科医当麻鉄彦が、外国での研鑚をつみ帰国し、田舎の総合病院で執刀する中、いろんな軋轢等になやみつつ新医療に取り組む。大学病院の実川と生体肝移植を試みる。実川への風当たりが強くなる中、まだ日本では法令化されてない脳死の肝移植を当麻は成功させ一躍脚光を浴びるが、昔からの肝移植学会とかの偉い面々からは四面楚歌となる。そんなおり母親の知人から台湾の病院に是非にと請われる。第六巻
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あぁ、これってあの漫画だったんだ。と今更ながら知りました。 ちょっと最後は、物足りない感が残ったものの、最後まで飽きずに読破できました。
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目の前に肝移植でしか救い得ない患者がいたので、ためらわず肝移植に踏み切った。もちろん、あくまでドナーとレシペント双方の同意の下であった。。。であるのに、不正医療として告発されてしまう。マスコミとか、学会で事前に何の連絡も無かったことが原因で。事前に連絡すれば、反対されるのは自明で...
目の前に肝移植でしか救い得ない患者がいたので、ためらわず肝移植に踏み切った。もちろん、あくまでドナーとレシペント双方の同意の下であった。。。であるのに、不正医療として告発されてしまう。マスコミとか、学会で事前に何の連絡も無かったことが原因で。事前に連絡すれば、反対されるのは自明であったのに。 密室裡にやってしまうのは確かにフェアではなかったんだろうけれど、だからといって、当節の実施可能な施設を限定(認定)してしまうのはいかがなものかと。それよりも医学界は外科医の能力そのものをしっかりと認定する努力をすべきだというのが、著者の訴えたかったことのようです。 ただ、最後の結末は、前巻あたりからある程度予想できていたものですが、日本人として少々残念な決断でした。 (2007/7/21)
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医者が書いた小説。 全6巻と長い小説だが、一気に読んだ。 医者が書いているだけあって、かなりリアルで、おもしろかった。 ただ、主人公は非常にマジメで、裏がなさすぎて、感情移入しにくい。 そのあたりも含め、山崎豊子の「白い巨塔」とも似ている。
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最終巻は、やはり凄い。主人公が自身の医療倫理を喝破するシーンは「そうだそうだもっと言ってやれ!」の思い。ラストの主人公の選択も、『医療界に対する「やるせなさ」』と『その後の活躍』を伺わせる。全6巻 飛び飛び(刊行が一ヶ月に2冊づつ)だったけど十分に愉しんだ。
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