記憶の書 の商品レビュー
「白い果実」から8年後,ウィナウでそれなりに落ち着いて暮らしていたクレイ.ウィナウの人々を襲ったビロウによる攻撃,眠り病.その治療薬を求めてビロウを追い求める旅に出る.それは,ビロウの過去(記憶)への旅であり,クレイ自身の愛の遍歴でもある.記憶の書にまつわる考察は,心理学など持ち...
「白い果実」から8年後,ウィナウでそれなりに落ち着いて暮らしていたクレイ.ウィナウの人々を襲ったビロウによる攻撃,眠り病.その治療薬を求めてビロウを追い求める旅に出る.それは,ビロウの過去(記憶)への旅であり,クレイ自身の愛の遍歴でもある.記憶の書にまつわる考察は,心理学など持ち出すまでもなくなかなかに面白い.また,今回もどうしようもないクレイの行動にイライラしていたが,ビロウの息子となった魔物ミスリックスの純粋さに癒された.
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少し文章が端的だなっと思ったら、翻訳者が違っていた。ショック・・・・ 人の頭の中に世界が合って、愛しい人を見つけてまた溺れるっという主人公。相 変わらず変わらない性格だな~っと思いつつ。そこがまた面白かったりもする。 彼の頭の中では愛しい人は人として表現されるが、実は彼が切望して、やり始めると辞められない代物だったり、それを示す行為の表現も面白かった。 そして、すぐ堕落してしまう主人公とは別の主人公、悪魔の人間は、見た目は悪魔だけど、礼儀正しい人として素敵な存在。このギャッップもまた面白い。 ただ、今回は少々狭い世界だったと思う。そして驚きもあまり無く、面白い世界観なので4。 備忘録: クレイが平和の地に移り住むが自分が傷つけた愛した人からは目もみてくれず、反省と懸命に自分なりに生きる。そんなときその地の人々が奇病に係り、以前居た廃墟の地へ行き、彼らの治すための薬を探すたび?というかビロウの頭の中。
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読了。 リライトした人が変わったからか、クレイの印象が前作よりもフレンドリーになった。 これでもかと繰り広げられる、幻想につぐ幻想はこの作品でも健在だ。 続編の『緑のヴェール』も読みたいなぁ。
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『白い果実』に続く3部作の2作目。原題『Memoranda』。原題カッコイイなー。 訳者が山尾悠子から貞奴になり、だいぶ雰囲気が変わった。読みやすくはなったものの、軽い感じになってしまった。山尾さんのが良かったかな-。 しかし、作品自体は相変わらず面白いです。またもや、クレイの前...
『白い果実』に続く3部作の2作目。原題『Memoranda』。原題カッコイイなー。 訳者が山尾悠子から貞奴になり、だいぶ雰囲気が変わった。読みやすくはなったものの、軽い感じになってしまった。山尾さんのが良かったかな-。 しかし、作品自体は相変わらず面白いです。またもや、クレイの前にビロウがたちはだかる。今度の舞台はビロウの頭の中。ビロウの天才的な才能は、自分の頭の中に記憶の宮殿を創り、自動的に発想を創造していくシステムを築き上げたことによるものだった。魔物が仲間になったり、銀色に輝く“水銀の海” の空中に浮かぶ島など、奇想天外、ストーリーの予想がつきません。幻想的な世界観は、『白い果実』でも思ったけど、村上春樹の世界にも通ずるものを感じます。クレイは女性に対して相当ウブですな。女慣れしていない男がまたも美しい女性に翻弄されます。次の『緑のヴェール』で完結。楽しみです!
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「記憶の書」(ジェフリー・フォード:貞奴・金原瑞人・谷垣暁美 訳)読了。「白い果実」の時のような毒気が今回はすっかり抜けてしまっているような気がする。ゾワゾワしないんだよう。もしかしたら私がジェフリー・フォードに慣れてきてしまったせいなのか?
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前作「白い果実」で極上の幻想文学を味わったその舌の根も乾かないうちに、なんて豊潤な世界を繰り広げてくれるんだろう。今度は記憶というミクロコスモスなんて!現実離れにもほどがある!!(誉め言葉)この毒と棘に満ちた美しい世界は、けっこう強いお酒なので薄暗い静かな場所でソファーに身を沈め...
前作「白い果実」で極上の幻想文学を味わったその舌の根も乾かないうちに、なんて豊潤な世界を繰り広げてくれるんだろう。今度は記憶というミクロコスモスなんて!現実離れにもほどがある!!(誉め言葉)この毒と棘に満ちた美しい世界は、けっこう強いお酒なので薄暗い静かな場所でソファーに身を沈めながらちびりちびりと飲る、それが正解。
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“理想形都市”崩壊の八年後、独裁者ビロウの策略で、クレイたちのコミュ ニティーに奇妙な“眠り病”が蔓延した。シティの廃墟に戻ったクレイは、 独裁者自身も同じ病いに冒されていることを知る。特効薬の手がかりを探し に、崩壊が始まっているビロウの“記憶の宮殿”に潜入したクレイは、...
“理想形都市”崩壊の八年後、独裁者ビロウの策略で、クレイたちのコミュ ニティーに奇妙な“眠り病”が蔓延した。シティの廃墟に戻ったクレイは、 独裁者自身も同じ病いに冒されていることを知る。特効薬の手がかりを探し に、崩壊が始まっているビロウの“記憶の宮殿”に潜入したクレイは、銀色に 輝く“水銀の海”の空中に浮かぶ島で、不可思議な四人の人物に出会うが…。
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