岩波文庫の80年 の商品レビュー
なんでこんなにおもしろいんだろう。書目が刊行順に並んでいるだけなのに。もちろんリストだけではなく、岩波文庫の歴史と、定価の基準や整理番号の変遷なんかも読めるのだが、どれをとっても興味深く、とにかくおもしろいんである。 岩波文庫が創刊されたのは、1927年(昭和2年)7月10日。...
なんでこんなにおもしろいんだろう。書目が刊行順に並んでいるだけなのに。もちろんリストだけではなく、岩波文庫の歴史と、定価の基準や整理番号の変遷なんかも読めるのだが、どれをとっても興味深く、とにかくおもしろいんである。 岩波文庫が創刊されたのは、1927年(昭和2年)7月10日。今年の7月で80年を迎える。本書は2月の新刊として出た。いわば「ハンディな<岩波文庫資料集>」だ。当然、戦争中も刊行していた。そのときの状況は「大戦時における岩波文庫」で読めるが、言論統制により削除処分や増刷中止が命ぜられたこともあったという。 創刊から現在までに刊行されてきたたくさんの岩波文庫を眺めていると、歴史を感じざるをえない。両親が生まれた年には、そして自分の生まれた年には、いったいどんな岩波文庫が刊行されていたのか、それを知るのも感慨深いものがある。今なおこうして岩波文庫を読めることが、とてつもなく幸福なことに思えて仕方ない。 実はこの本、買おうか買うまいか迷ったのだが、つくづく買ってよかった。これを買う前から、文学作品に対する熱が上がっていて、国内、海外問わずこれまで読んでこなかった名作といわれるものをどしどし読んでいきたいと思っていたのだが、本書によってその情熱をますます燃やしている。(2007.3.1)
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『岩波文庫80年』(岩波文庫編集部)は、岩波文庫の2月の新刊。 岩波文庫は周知のように町の小さな書店では扱っていない。 だから遠くまで買いに行ってようやく手に入れた。ということで、本作だけれど、文庫発売80年間の刊行順全書目リストが入っているのはもちろんだけれど、ぼくとして...
『岩波文庫80年』(岩波文庫編集部)は、岩波文庫の2月の新刊。 岩波文庫は周知のように町の小さな書店では扱っていない。 だから遠くまで買いに行ってようやく手に入れた。ということで、本作だけれど、文庫発売80年間の刊行順全書目リストが入っているのはもちろんだけれど、ぼくとしては「岩波文庫略史」と岩波茂雄の書いた「岩波文庫論」がおもしろかった。
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