人口が変える世界 の商品レビュー
急激に少子化・高齢化がすすむことが確実で、右往左往しているこのところの日本。だが、人口構成のいびつさが問題になっているのは、日本だけの話ではない。人口を切り口にして、各国の趨勢を占うという本書は、大きな説得力を持っている。もとは新聞の連載コラムだけあって、ひとつひとつのトピック...
急激に少子化・高齢化がすすむことが確実で、右往左往しているこのところの日本。だが、人口構成のいびつさが問題になっているのは、日本だけの話ではない。人口を切り口にして、各国の趨勢を占うという本書は、大きな説得力を持っている。もとは新聞の連載コラムだけあって、ひとつひとつのトピックは短く、読みやすくまとめられている。 ・一人っ子政策のゆがみで、将来超高齢化社会が到来する中国。男の子が欲しいという願いから、男女比もゆがみ、2020年には3000万~4000万人の男性が結婚にあぶれるという。 ・インドの人口は2035年までに中国を抜き、2050年には15億人に達する。きれいな末広がり型に人口が分布しているのも経済的にはプラス。 ・ロシアの自殺は、年5万人にものぼるという。アルコール中毒患者は3000万人。経済自由化で消費ブームに沸くモスクワに対して、東西格差が広がっている。2050年の人口は1億人強、日本にも抜かれ世界13位となる見通し。徴兵制のロシアでは、人口減によって軍人を確保できなくなることで、軍事的な問題も大きい。 ・エイズが社会問題として顕在化してから20年余。アフリカでは年間200万以上が死亡。平均寿命が40歳以下になる国も。30~40代の社会の中心世代の欠落で、国の基盤が崩れようとしている。 なーどなどなど。興味深いトピックが並ぶ。人口は国力、ということを実感するとともに、たんなる数だけではなく、年齢構成のバランスや、男女のバランスが崩れるとどんなことになるのかということが実例でわかっておもしろかった。
Posted by
ふと、題名に惹かれて読みだしてみたけれど その内容は当たり前で 単に経済的闘争の狭い視野のものでしかなさそうで 今の私に取ってはほとんど興味のないものだった
Posted by
ロシアで多発する自殺は男性の自殺率が高いこと。さらには30代から40代の働き盛りの男性の自殺が多いこと。 人の動きが世界規模で活発になっている。移民は経済や社会を活発化する。 中国からの移民がアフリカでは多い。 イスラエルにはタイの労働者が多い。2.6万人のタイ人がイスラエルで...
ロシアで多発する自殺は男性の自殺率が高いこと。さらには30代から40代の働き盛りの男性の自殺が多いこと。 人の動きが世界規模で活発になっている。移民は経済や社会を活発化する。 中国からの移民がアフリカでは多い。 イスラエルにはタイの労働者が多い。2.6万人のタイ人がイスラエルで就労している。 先進国の人口減と高齢化、発展途上国での人口増加が国際関係にどう栄光するか、真剣に研究されたことはない。
Posted by
本書は2005年に日経新聞に連載されたもののまとめ。紙面が限られることから文章が簡潔化されすぎているようで、やや読みにくい。リサーチしたデータの羅列が多く、解説部分は文章量が少なめ。 人口動態統計等からマクロな動向予測を解説した後、 現地の生き様を描くパートが続く。 ・イス...
本書は2005年に日経新聞に連載されたもののまとめ。紙面が限られることから文章が簡潔化されすぎているようで、やや読みにくい。リサーチしたデータの羅列が多く、解説部分は文章量が少なめ。 人口動態統計等からマクロな動向予測を解説した後、 現地の生き様を描くパートが続く。 ・イスラム人口の大幅な増加 ・中露の少子化 ・EUの新規加入国による人口増 ・移民受け入れでアメリカの人口増 ・アフリカではエイズにより中間層が大幅減少 読んでいて、それぞれの国のクロスする流れをグラフから把握するのが難しかった。 人口動態等を視覚化して見せてくれるサイトでワールドマッパー(http://www.sasi.group.shef.ac.uk/worldmapper/)があるが、こういったわかりやすさもあると良かったと思う。 章の間に挿入されたインタビュー部分には中国、ロシアなどの研究者の 詳細なコメントがある。現地の生々しい現実(中国の公的年金は破綻している、等)も述べられている。最後のアメリカ研究者の「少子化で兵士の多くが一人っ子になった場合、危険な地域に兵士を派遣することに抵抗が起き、戦争ができなくなる」という説は大胆だ。
Posted by
人口の動態が与える影響というものが、これだけすごいのか?!と衝撃を与える一冊である。日本は移民難民の受け入れにはうるさい国だが、人口問題から考えてみるとそれもまたむべなるものかなと考えさせられてしまった。1億2千万の日本国民なんて、帰化動植物の例にみられるように、あっという間に駆...
人口の動態が与える影響というものが、これだけすごいのか?!と衝撃を与える一冊である。日本は移民難民の受け入れにはうるさい国だが、人口問題から考えてみるとそれもまたむべなるものかなと考えさせられてしまった。1億2千万の日本国民なんて、帰化動植物の例にみられるように、あっという間に駆逐されてしまうのではないかと心配してしまう。民族や宗教紛争についても背景として人口問題を視点にすることでいろいろなことが見えてくるものである。
Posted by
日本の人口が減り始めたことが大きな話題になったけど、世界に目も向けると人口が増えている国も減りつつある国も多くの問題をかかえ苦悩している。そんな21世紀の姿を映し出す日経新聞での連載記事の書籍化。日本同様に急速に高齢化する欧州・ロシア・中国という大国の姿。人口が増え続け内戦の火種...
日本の人口が減り始めたことが大きな話題になったけど、世界に目も向けると人口が増えている国も減りつつある国も多くの問題をかかえ苦悩している。そんな21世紀の姿を映し出す日経新聞での連載記事の書籍化。日本同様に急速に高齢化する欧州・ロシア・中国という大国の姿。人口が増え続け内戦の火種が大きくなる一方の中東アラブ地域。グローバル化に伴いヒトの移動が安易になったことに伴う移民問題は受け入れる側、送り出す側の社会・経済に大きな陰を落とす。いささか断片的にすぎ、論点整理も出来ていないのが残念ではるものの、来るべき未来を「人口」をキーワードに見るとこんなにも不透明な未来が待ち受けているのかと暗澹たる気分になる。
Posted by
- 1