すじぼり の商品レビュー

福澤徹三【著】

2018/11/18

組事務所に出入りするようになった大学生が巻き込まれる任侠世界のお話。

三流大学で就職を間近に控えた亮は、裏で大麻を販売しているクラブに、仲間と盗みに入るが見つかり、逃げ込んだバーで速水総業の速水組長と出会う。

助けてもらったことで、組の行儀見習いである松原にパソコンを教えることになり、組事務所に出入りすることに。

しかし、盗みに入ったクラブのケツ持ちで、速水総業とも親戚筋に当たる仁龍会と速水総業は抗争状態に。

そして仲良くなった松原は速水の弾よけになり亡くなってしまう。

もう関わるなと言われた亮だったが、親友・松原の仇討の決意を抑えることができず、松原も入れていた龍の刺青を入れる。

激化する抗争に巻き込まれる堅気の大学生が、任侠の世界から得るものは？

暴力シーンはかなりえぐいです。

亮や組員たちの生き様、心模様の変化が豊かで、かつスピード感ある青春バイオレンス小説。

ヤクザ小説としては、自分の中で3本の指に入るほど秀作でした。

2018/08/14

評価は３．

内容（BOOKデーターベース）
少年の瞳にうつる、壮絶に散ったやくざの生きざま。
ひょんなことからやくざ事務所に出入りすることになった亮。時代に取り残され、次第に生きる道を失っていく昔ながらの組の最期に立ち会う少年の目を通して、一つの時代の終焉を哀切と共に綴る瑞々しい青春極道小説！

青春極道小説・・・と言いながら本格極道小説だった。
人次々死んじゃうし結構本格的なかちこみやるし・・・男気のある出演者が多かっただけに残念。ハードボイルドの心づもりが無かったので読むのに心が苦しかった。

2016/03/15

ここ最近、立て続けに「これぞ任侠道‼(^o^)」という作品を借りて読んでいたので、主人公の大学生・亮にイライラし、何度罵声を浴びせたことか(*｀Д´)ノ！！！本を貸してもらった友人に亮に対するイライラぶりをぶつけて「まあまあ、落ち着きなよヾ(--;)」と言われる始末(-""-;)これから亮がどの道を行くにしても、マシな人間になってくれないと、亮の父親や彼女の菜奈、命を落とした人達が報われない！ι(｀ロ´)ノ

2014/10/04

基本アウトローやクライムノベルは良いな。
この話は大学生の主人公がヤクザの世界に足を踏み入れていくという設定でスピード感もあってこれぞ男の世界だなと楽しく読めた。
女を選ぶ時は一緒に食事に行ってわざと「金がない」と言え！その時にある行動を取った女と結婚しろ！というようなフレーズが妙に印象に残った。

2014/03/23

物語に引き込まれ一気に読んでしまった。この作者が描くやくざが登場する話はとても面白いと毎回思います。もちろん今回も！

2014/03/05

私の知らない世界は新鮮だった。
関わり合いにはなりたくない。
常に熱い思いを抱いて生きるってしんどそうだけど、羨ましくも思える。

2013/09/17

表紙みて、「彫刻」の話かと借りたら・・・
嫌いな「やくざストーリー」もんもんでした。
我慢して読み進んでいくうち、やめられないとまらない。
おもしろかった。

2011/04/23

完璧Ｖシネマの世界。やくざものはちょっとなぁ…、と思いながら読み進めていったが、決して正しいとは言えないまでも魅力的な構成員と、どうしようもなく駄目で流されやすいが、憎めない大学生の主人公。
大学生の視点で描くことで、やくざという非日常の世界を、より私たちにとってリアルな視点から覗ける気がする。
それなりに厚さはあるが、こいつは次にどう動くのだろうと気になってしょうがない登場人物たちの魅力と、ページをめくらずにはいられない展開によって、一晩で読み切ってしまった。
完成度高い作品だと思います！

2011/02/04

北九州市が舞台のやくざものということで、Iターンを思い浮かべて「あれは楽しかったな～」と思いながら読み読み…

亮のモラトリアム全開っぷりにやや辟易しつつも、周りの人間の個性に惹かれてページをめくる手は止まらない。

そして結末。
確かに、胸に残る……が…
ピカレスクロマン…か………
ずっしり来た。