姿なき占領 の商品レビュー
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最近になって一時期もてはやされた「規制緩和」という言葉が、いつの間にか「規制改革」という言葉にとって替わっていることに気が付いた。その言い換えの一つの理由は本書で指摘される第三分野の保険ビジネスをめぐる規制の動きを追えばおのずと明らかになる。つまり、「規制」は外資が参入しやすくするためには「緩和」されねばならないが、逆に外資が十分に利益を独占していない状況では彼らの育成を援助するために「強化」せねばならないのである。規制「緩和」だけではないからこの状況は「改革」であるそうだ。 まともな感覚の持主なら、耳を疑うような状況がまさにこの21世紀の日本で起きようとしている。このような理念も国益も無視した恣意的な利益誘導を「改革」と呼ぶことなど到底できない、という著者の怒りの叫びが行間から溢れている。 全ての日本人に読んでほしい、熱い、そして重い一冊である
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