司馬遼太郎対話選集(10) の商品レビュー
文春文庫 司馬遼太郎 対話選集 10 民族と国家を超えるもの それぞれ異なる対談者なのに 前後関係を感じさせる編集が素晴らしい。1冊を通して、民族や国家は どういうもので、どういう両刃性があり、民族と国家をどう超克するかを 伝えている 民族と国家を超えるには、その不...
文春文庫 司馬遼太郎 対話選集 10 民族と国家を超えるもの それぞれ異なる対談者なのに 前後関係を感じさせる編集が素晴らしい。1冊を通して、民族や国家は どういうもので、どういう両刃性があり、民族と国家をどう超克するかを 伝えている 民族と国家を超えるには、その不合理性を みんながわきまえるしかなく、「郷に入っては郷に従え」という態度でのぞむほかないという結論 岡本太郎 との対談では、文化が 自然に入ってきて、何となく混じり合ってきた自由さ、その文化が国家のフィルターがかかることで 不自由になる様子がよくわかる 梅棹忠夫 との対談では、文化の不自由さを「文化は不信の体系」と表現し、他人の文化を信じず、自分自身の文化しかない体系と捉えている 民族について、梅棹忠夫は 「すばらしいものであると同時に 恐ろしいもの。両刃の剣を素手でつかんでいるようなもの」と表現 民族の重要条件を 言語を含む文化の共有とし、民族意識は優劣判断につながると指摘。その優劣判断が、他民族支配の上に立った 統治機構としての帝国主義に至ったとする論調。
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一通り読んで思うのは、しっかりとした歴史観と知識と行動力に裏打ちされた対話は、どこまでも自由に広がるということ。 ◯お互いに国家が重すぎて、国家を通してしか相手の人文地理がわからないというのは、不自由 ◯文化というのは互いに不合理なもの ◯普遍原理の持つ力が小さくなってきた...
一通り読んで思うのは、しっかりとした歴史観と知識と行動力に裏打ちされた対話は、どこまでも自由に広がるということ。 ◯お互いに国家が重すぎて、国家を通してしか相手の人文地理がわからないというのは、不自由 ◯文化というのは互いに不合理なもの ◯普遍原理の持つ力が小さくなってきたので、民族問題は個別解決しかない。 ◯国連は消防団であって警察ではない。極地的に鎮静させるということだけ。原理性がないからかえっていい。 ◯物事を識別して統合する心の働き(大局的に事態を捉え、その中で明日を考える能力)、イデオロギー中心と正反対が上等な能力
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