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SPEEDBOY! の商品レビュー

3.3

38件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2023/08/23

舞城王太郎作品の主人公には変わり者も少なくないが、今作の主人公は他者と自分を比較するような視座を持っているという点で特異的だ。主人公の成雄は「自分が他者にドライな人間である」という自負を持っているようだ。そういう考えを持ち始めたのも彼の生い立ちや、脚が異常に早いという特性によると...

舞城王太郎作品の主人公には変わり者も少なくないが、今作の主人公は他者と自分を比較するような視座を持っているという点で特異的だ。主人公の成雄は「自分が他者にドライな人間である」という自負を持っているようだ。そういう考えを持ち始めたのも彼の生い立ちや、脚が異常に早いという特性によるところもあるだろう。とにかく彼は「自分は人と違って冷めている」と信じているし、冷めた人間として行動しているからそういった自分の風変わりな側面をも諦めようとしている。そして、自分は人間ではないのかもしれないと思いながら走り続け、やがては時空の中で迷子になってしまう。 解体され統合を書きながら時空を彷徨う彼の姿は、「スローターハウス5」よりさらに重症だ。 なにもかもめちゃくちゃだけど、お姉ちゃんに叩かれたり好きな女の子に叩かれたりとか、人生の偶然の中で他者と触れながら少しずつ自身の統合に向かって歩みを進めていく、人間讃歌。 過去作よりもさらにSF度が高く、次作の『ディスコ探偵水曜日』に向けた布石としてもいい付けられそうだ。 一応収録作がこの一作だけなので長編の位置づけなのかもしれないが実際のボリュームは少なく中編くらいのノリでサクッと読めた。

Posted byブクログ

2014/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 友人、家族、世界、愛―すべてを置き去りにして、鬣の生えた少年スプリンター・成雄は、速さの果てを追う!! そこに何があった? 何が見えた?? ―誰がいた。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ

2014/03/04

主人公以外の4人の登場人物達をシャッフルして微妙に設定を変えた7パターンの短編集?とか、音楽で言ったらコンセプトアルバムって感じの連作集?とか、ちょっと説明しにくい本。 とりあえず軸は“鬣の生えた少年スプリンター・成雄”の物語。 舞城作品って、読めば読むほど各作品に繰り返し登...

主人公以外の4人の登場人物達をシャッフルして微妙に設定を変えた7パターンの短編集?とか、音楽で言ったらコンセプトアルバムって感じの連作集?とか、ちょっと説明しにくい本。 とりあえず軸は“鬣の生えた少年スプリンター・成雄”の物語。 舞城作品って、読めば読むほど各作品に繰り返し登場する人や物や場所のイメージが頭の中にバンバン堆積してきて、「行間」どころか「冊間」まで埋め尽くされそうな気がするんですよね。 とか言って、スッキリハッキリ理解できる作品ばかりじゃないんですけど。むしろ置き去りにされて唖然とする事の方が多いんですけど。 筋の通った説明よりも、ただひたすら脳内を舞城成分で満たしていくのが心地よい……そんな小説の楽しみ方がこの世にはあるのだ、って事を勝手に教わったのが舞城作品なので、それを200ページ弱で体験できる『SPEEDBOY!』はお気に入り。

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2014/02/15

舞城作品2作目。 『九十九十九』が「難解すぎてついていけない」だったのし対し、 こちらは、「速すぎてついていけない」作品でした。 登場人物など一部の設定は共通なのですが、こちらは各話が完全に独立した物語となっており、ある意味「短編集」な作品となっています。 主人公の成雄は、...

舞城作品2作目。 『九十九十九』が「難解すぎてついていけない」だったのし対し、 こちらは、「速すぎてついていけない」作品でした。 登場人物など一部の設定は共通なのですが、こちらは各話が完全に独立した物語となっており、ある意味「短編集」な作品となっています。 主人公の成雄は、背中に鬣が生え、誰よりも速く走ることができ、音速をも超えることができる少年という設定ですが、物語の展開もやたらと速い。 さらに、200ページもないのであっという間に終わります。 その上先述のような特徴があるので、油断するとあっという間に置いていかれてしまいます。 色々な意味で「スピード感」を味わった小説でした。

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2013/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思い込みやしがらみを全て取り払って行った末にマッハの速度で走れるようになった主人公、成雄。孤高の精神性を持つ彼が、同じように速く走るランナーや、後に恋人となる女の子との出会いを通じて何か変わるかと思いきや何も変わらない連作短編集。 鬣って結局何だったのさ。思いつくまま書きたいことを書き散らしている印象。ライトノベルだしなあと思ったら『群像』に載ってたらしい。あれって純文学寄りの雑誌じゃなかったんだ。 大人に成る機会を得られないまま成長していく少年は社会的に問題があるが、本人は気にしていないので狭い世界でそれなりに上手くやっている。細かいことを超越して生きるのは容易ではないが、少年時代には誰もが望むことであり、成雄はこうなれたらいいのにと夢想するそのままが描かれている。

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2012/08/12

成雄の切ない物語だった 「責めてないよ。責められてると思ってるだけだよ。それは成雄くんがなにか悪いことしたと思ってるからでしょ」

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2012/06/20

成雄、超サイヤ人、アラレちゃん、誰が一番速いかな!?w マイジョウ作品の中で一番『放り投げ』っぷりが激しいかも……なんの解決も解明も解説もありゃせんぜ♪ 己で考えてみなしゃんせっ(^∀^)>

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2012/04/06

舞城王太郎の成雄シリーズ。 「ものすごく速く走る」という体感的で映像的な快感を文章上で表現していて、とにかく森や海上を疾走していく映像イメージがバンバン頭の中に浮かんでくるのが読書体験として面白かった。 話は成雄シリーズお馴染みのモチーフである山と獣と人間と速度と意志の話だが...

舞城王太郎の成雄シリーズ。 「ものすごく速く走る」という体感的で映像的な快感を文章上で表現していて、とにかく森や海上を疾走していく映像イメージがバンバン頭の中に浮かんでくるのが読書体験として面白かった。 話は成雄シリーズお馴染みのモチーフである山と獣と人間と速度と意志の話だが『山ん中の獅見朋成雄』『獣の樹』などと比べるとメタファーが多すぎるわりに説明不足感が酷くてほとんど何がなんだかよくわからないことに。ただ全体的に良くも悪くもトーンが軽めで舞城作品特有のドライブ感もあるのでわりと読みやすくはあった。とにかくスピード感の描写に注力されている小説だったという印象。気持ちいい。 この『SPEED BOY!』をもって、とうとう現在出ている舞城作品は全て読破してしまった。現行の小説家では三本の指に入るほど好きな作家なので、もう読むものがないというのは本当に寂しい。 全作読んでみて、初期では『煙か土か食い物』、最近では『ディスコ探偵水曜日』が飛び抜けていたと思う、と、同時に、作品同士が直接的、あるいは精神的な部分で繋がりあっていて全てが一つの小説のようだったとも思う。 舞城の何が好きだといって「起承転結がついて謎には解答があって作品内で全てが完結していなければならない」という物語の呪縛から解き放たれている自由さが好きだ。プロレスラーで言えば反則技ばかりするヒールだ。 愛しております。新作が待ち遠しい!

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2012/01/16

F15戦闘機よりも速く走る人が出てくるSFもの。 カッコいい小説になりそうなところを、敢えて違う方向に持っていくのが舞城王太郎らしい作品。 短編が7章で、登場人物がすべて重なっているので、話がつながっているのかと思いや、全く関係ない。 最終章で混乱しつつも、読書中は楽しかったこと...

F15戦闘機よりも速く走る人が出てくるSFもの。 カッコいい小説になりそうなところを、敢えて違う方向に持っていくのが舞城王太郎らしい作品。 短編が7章で、登場人物がすべて重なっているので、話がつながっているのかと思いや、全く関係ない。 最終章で混乱しつつも、読書中は楽しかったことを評価して☆三つ。

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2011/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人はどのようにもなる可能性がある、それを自分で決めつけるな ってことなのかな?と思ったけど。 変な説明がないぶん、「・・・ってことかな?」となってしまう。 それが好きか嫌いかは人の勝手なのでしょうが ほかの作品のほうが 考える暇もなく、ずどーんと突きつけられる感があって好きだった。 この作者は「言いたいことある!!」って感じがするから ちゃんと汲み取りたいと思える。

Posted byブクログ