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カラスのジョンソン の商品レビュー

3.6

9件のお客様レビュー

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2024/01/14

明川哲也は、大好きなドリアン助川さんの別名。そして、この本、これまで読んだ中で一番と言っていいほど好きな本になった。 実は先日、ゴミ出しでカラスと一悶着、いや…二悶着あったばかりで、フラットな気持ちで読めるか心配だったが、そんな薄っぺらい感情は関係ない世界でした。 ひなの時...

明川哲也は、大好きなドリアン助川さんの別名。そして、この本、これまで読んだ中で一番と言っていいほど好きな本になった。 実は先日、ゴミ出しでカラスと一悶着、いや…二悶着あったばかりで、フラットな気持ちで読めるか心配だったが、そんな薄っぺらい感情は関係ない世界でした。 ひなの時、敵に襲われ傷ついているところを、母子家庭の親子に保護され、ジョンソンという名をもらう。 カラスの家族と、里津子と陽一親子の話だ。 ジョンソン目線で語られるところは、多くの言葉を知らないカラスの語りということもあり、とても比喩的で詩的で、直ぐには理解できずゆっくりと読み進める。 だからこそ、ジョンソンが目にしたもの、感じたことが刺さるように自分に入ってくる。 ジョンソンに子供が生まれた時、心からおめでとうと思った。実は生命の誕生を本当に喜んだことは今までなかったのだが、それ程ジョンソンに肩入れしていたのだろう。 ジョンソンと妻の緑光が家族を守ろうとする姿に心を打たれた。日頃、自分の家族すら良ければそれでいいという傾向の強い多くの人間を見ていて、家族を守ろうとする姿勢があまり好きではなかった。自分や自分の家族に害が及んだら嫌だから、困っている人や悪しき習慣を見て見ぬ振りをするという世の中を辟易しているから。だが、こんな偏屈な私でも、腹の底から温かいものが生まれてくる程に、ジョンソン家族は愛おしかった。 とても辛いお話ではあるけれど、そこに一貫してある愛、強さ、弱さなど混ざり合って、心がぐちゃぐちゃになった。この本が偉大すぎて、全く上手く表現できない。 ドリアン助川さんは、色々な賞を総なめにして当たり前と思うほど偉大な作家さんなのに、どうしてそこまで評価されていないんだろうと不思議に思う。でも、本当に素晴らしい作家さんって、案外そういう立ち位置の方が、作品の質を保たれるという意味でも、読者としてはありがたいのかもしれない。 とてつもない名作でした。

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2018/10/22

舞い上がるカラスの飛行風景は、 将来明るそうなのに、 人間のエゴがそれを阻む。 まっすぐに生きているのに、 母子の生活は前に進まない。 サラッとした文体なのに、 読んでいて苦しかった。

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2011/03/10

号泣。ゲラがぐちゃぐちゃになりました。動物ものに弱いので自分からは近寄らないようにしていたのに、仕事というのは容赦無しだ。と、思った一冊

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2012/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少しうーんと思ったのが、ジョンソンと陽一一家との関係がどんどん薄くなっていったとことです。 ジョンソンと陽一の境遇は似てるとはいえないけれど、楽な人生ではないという部分では仲間というか同士みたいなものだと思うのですが、ゆえにジョンソンが楽しいとき(緑光といるとき、子どもが生まれたとき)は陽一も楽しいし、陽一がつらいとき(母親が捕まってしまったとき)はジョンソンもつらい、という構成を予想していたので、そこがいまいち繋がってないように感じてちょっと思ってたのと違うなあとは感じました。 しかし、この人の本を読むと(「オーロラマシーンにのって」を以前読んでいます。 もう一冊読みましたが、あまりよく覚えていません;)、人生というものを体感した気分になります。 特にこの話や「オーロラマシーンにのって」の中の草と蜘蛛の話に出てくる人生(主人公は人ではないですが・・)は決して幸せであったり、楽なものではなく、読むだけでもつらいのに実際自分がもしこのように苦しい人生を歩むことになったら・・・などといろいろ考えます。 なので正直つらかったのでもう読みたくない・・・という意味の☆二つであり、小説自体はとてもいいと思います。 なんだかあまりこの方は知名度が高くないようですが、もっと読まれたらいいのになあと思います。(実はすでに有名だったらごめんなさい)陽一が自殺を考えるところははっ!としてしまい、やりすぎでは?と作者に対し思ったのですが、それは小説として、ということであり、現実社会にはそれ以上につらい事実もあるんだよな、と思い「やりすぎな作者」(・・・)以上にやりすぎでは?と思った自分が冷酷だなと感じてしまいました。

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2009/10/04

ほとんど★5−!途中で何度も胸が詰まり目にジワワ〜ッと涙が滲みました。痛くて酷で苦しい場面がたくさんあったのだけど、それだけじゃない…この本を読めてホント良かったです。 ジョンソンと緑光が交わるシーンは、読んでてかなり胸がドキドキしました…カラスなのに!まるで人間のラブシーンを観...

ほとんど★5−!途中で何度も胸が詰まり目にジワワ〜ッと涙が滲みました。痛くて酷で苦しい場面がたくさんあったのだけど、それだけじゃない…この本を読めてホント良かったです。 ジョンソンと緑光が交わるシーンは、読んでてかなり胸がドキドキしました…カラスなのに!まるで人間のラブシーンを観てるかのようでした。

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2009/10/07

本当にカラスのお話だったよ…。ちょっとびっくり。 ものすごく切ないお話でした。でもすこしだけ優しい。

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2009/10/04

カラス好きな私としては、ハートウォーミングストーリーを期待したのだが・・・。 臓物とか、グロいし表紙のあどけなさとは無縁の世界。 陽一との再会もなければ、母は執行猶予のついた窃盗癖女。万引きは列記とした犯罪だ。それにそれに・・・カラス駆除の描写が生々しすぎる。。 読み終わっ...

カラス好きな私としては、ハートウォーミングストーリーを期待したのだが・・・。 臓物とか、グロいし表紙のあどけなさとは無縁の世界。 陽一との再会もなければ、母は執行猶予のついた窃盗癖女。万引きは列記とした犯罪だ。それにそれに・・・カラス駆除の描写が生々しすぎる。。 読み終わってどんより。 そして著者プロフィールを見てびっくり。 ドリアン助川やん。。 こんな暗いのもうヤだ。 2008年2月20日

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2009/10/07

これは好き!切ないけど。「痛みを知ってる人にしか痛さはわからないし、痛さを知っているからこそ優しくなれる」そんな感じ。

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2009/10/04

母子家庭に拾われたカラスはやがて父親になる。カラスは少年が庇護すべき存在であると同時に、喪われた父親でもあったわけだ。少年が父親からもらえなかったものを、少年から与えられたカラスは、それを我が子に与えようとするが… 通勤電車の中で、思わず涙ぐんでしまった。いい話だ。

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