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輪違屋糸里(下) の商品レビュー

4.1

125件のお客様レビュー

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2024/10/03

なるほど。 後世に知られた近藤勇を局長とする新選組の成り立ちを、壬生郷士の妻たちと島原の芸妓たちの視点から語るということか。 新選組についてはいろんな角度から描いた作品を読んだけれど、最初の頃は決して純粋な義士ではなかった彼らが時代と権力者たちの思惑に呑み込まれて、他の道を選びよ...

なるほど。 後世に知られた近藤勇を局長とする新選組の成り立ちを、壬生郷士の妻たちと島原の芸妓たちの視点から語るということか。 新選組についてはいろんな角度から描いた作品を読んだけれど、最初の頃は決して純粋な義士ではなかった彼らが時代と権力者たちの思惑に呑み込まれて、他の道を選びようもなく使い捨てられた集団だということは一致している。 かっこいい逸話がありながらも、そのもの悲しさが語り継がれる本質の一つのように感じます。 それに加えて大部分が創作でしょうが歴史の表舞台に出てこない女性たちの強さを描いた点も本書の大きな特徴です。 壬生義士伝に負けず劣らずの素晴らしい作品でした。

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2024/09/07

上巻を読み終わって下巻の表紙を見た時、髪も服も乱れた芸妓のイラスト、これだけでもう胸が締め付けられた。 新選組と関わりを持った女性達の悲しく儚く強く生きたお話。新選組が脇役になってしまうくらいの女性の書き方で、とにかく感動、涙無しには読めなかった。

Posted byブクログ

2024/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

壬生義士伝シリーズ 第2弾。 続きものではないが、新選組を描いた作品。 壬生義士伝では新選組内部にいた者達をメインに描かれていたが、こちらは周りの女性達目線をメインに据えた描かれ方をされている。 新選組という名前が付く以前の壬生浪士の時代から、芹沢鴨を暗殺するところまでがこの物語である。 壬生義士伝では沖田総司はほぼ登場しなかったが、こちらは沖田の人柄などが多分に描かれいる。 貧困のあまり京都島原に売られて来た女性である糸里と吉栄の壮絶な人生やお勝、おまさ、お梅といったそれぞれ新選組と関わった女性達を通しても新選組が描かれている。 感想として、新選組を全く肯定出来ない。 人を無闇に殺して行く事が人心を掴み、時代を切り開く事に繋がると思えなかった。 ただそうしなくてはならない立場に置かれた気持ちは理解できたが、共感は出来なかった。

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2024/06/10

んー女絡みにしたからウエットな物語が挟まってヒューマンなドラマっぽくなってはいるが、結局嫌いだった新選組をますます嫌いになったのだった。

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2024/02/14

新選組のことは、新選組側からしか知りませんでした。 芹澤さんって、こういう見方もできるんだと感じた本です。

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2023/08/25

芹沢鴨が暗殺されるあの事件を島原大夫や前川家、八木家の女房、芹沢鴨と一緒に命を落とした梅といった女たちの視点で書かれている。 糸里天神と土方の別れのシーンは切ない。

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2023/06/15

新選組隊士たちの姿を彼らに近い女性たちの視点を中心に語らせながら(特に壬生の八木家のおまさ、前川家のお勝が多い)芹沢鴨暗殺の騒動を描く。 上巻で隊士のルーツや背景などを永倉に語らせているのだが、新選組初心者がいちいち躓き調べながら読んだのでめちゃくちゃ時間がかかってしまい。しかも...

新選組隊士たちの姿を彼らに近い女性たちの視点を中心に語らせながら(特に壬生の八木家のおまさ、前川家のお勝が多い)芹沢鴨暗殺の騒動を描く。 上巻で隊士のルーツや背景などを永倉に語らせているのだが、新選組初心者がいちいち躓き調べながら読んだのでめちゃくちゃ時間がかかってしまい。しかも史実と比べたりしてしまったのでとてもドラマティックなのにのめり込むようには読めなかったのが残念。 八木家のおまさがけっこう好きなキャラクターだった。糸里をタイトルにしている割には出番が少ないような…芹沢はどうにかならんのか(良い方に)?ばかり考えながら読んでいた。 シラフ時は侍然としているが酒が入れば乱暴者の姿。人斬りに躊躇わずも子どもに好かれるようなところがあったり。ほんまはええ人なんちゃうん?と思いきや史実を辿るとまぁまぁな狼藉を働いていたり女遊びは当たり前だったり、なんだか捉えきれなくてモヤモヤ。一人の人間の中には整合性が取れない両極をはらんでいるものだなぁと。 武士の世の終わり、京都守護職と新選組の関係、尊皇攘夷…新選組とはなんだったのか、と考えずにいられなくなる。 幕末から維新はとっても複雑だ。

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2023/04/29

物語の縦糸に新撰組があり、話はそれに横から幾重にも幾条にも絡まる女性たちと共に流れていく。 女性は心底惚れた男のためなら、あんなにも強くなれるものなのだろうか・・・。 浅田さんは、「女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい。」と結んだ。 親の愛を知らずに島原で育った女の、...

物語の縦糸に新撰組があり、話はそれに横から幾重にも幾条にも絡まる女性たちと共に流れていく。 女性は心底惚れた男のためなら、あんなにも強くなれるものなのだろうか・・・。 浅田さんは、「女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい。」と結んだ。 親の愛を知らずに島原で育った女の、剣にも勝る強さを描く浅田さんの筆にまたホロリとさせられた。 これも再読本の棚に入れる。

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2023/02/19

浅田次郎の新選組モノの女性目線版。 いやはや面白かった。一気に読んでしまいました。 物語としては文久三年の夏から芹沢鴨が暗殺される9月16日までの短い間の新選組とその周囲の女性達の物語。 一部沖田総司を語り部とする部分はあるが九割方は女性目線のお話。 この物語の面白いところは...

浅田次郎の新選組モノの女性目線版。 いやはや面白かった。一気に読んでしまいました。 物語としては文久三年の夏から芹沢鴨が暗殺される9月16日までの短い間の新選組とその周囲の女性達の物語。 一部沖田総司を語り部とする部分はあるが九割方は女性目線のお話。 この物語の面白いところは、史実上は我侭、酒乱、癇癪持ちの芹沢鴨を実に人間味豊かな本物の武士として描いている。 その反面、近藤勇は少し頼りなく、土方歳三は頭の切れる冷血漢として描かれています。 ペンの力の凄さを感じるこの作品は、題材が史実なだけに「大和屋の焼き討ち」「禁門の政変」最後のクライマックス「芹沢鴨暗殺」等の出来事は実際に起こったことですが、その史実に浅田次郎の推察(創作を含)で面白く味付けしてあり、史実を冷静に捉えないでこの小説だけ読むとまるで事実かと思ってしまう人が出るのでは? もちろん浅田流の泣かせる部分もしっかりありました。 浅田次郎恐るべし!

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2022/07/06

しんどかった それぞれの女性の強さに震えた 最後の景色がすごく綺麗で泣きそうになった 幸せになってほしい

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