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きみのためのバラ の商品レビュー

3.8

43件のお客様レビュー

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2009/10/29

池澤夏樹は翻訳も好きだけど、 彼自身の書く物語も大好きです。 海外のいろんな場所が舞台になっていて、全然知らない土地のことなのに、私の感覚をその地に連れて行ってくれます。 何が一番好きというのは言えなくて、 どのお話も全部好きといいたいです。

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2012/01/04

人間には一生において一度、といったら 大げさかもしれないが、そう滅多には起こらない 奇跡のような出会いから別れまでの時間に 遭遇する事がある。 奇跡、と言っても、もし、別の人間が 作品中で登場人物達の身に起こる 「出会いと別れの時間」を同じように 体験したとしても、その人間の心...

人間には一生において一度、といったら 大げさかもしれないが、そう滅多には起こらない 奇跡のような出会いから別れまでの時間に 遭遇する事がある。 奇跡、と言っても、もし、別の人間が 作品中で登場人物達の身に起こる 「出会いと別れの時間」を同じように 体験したとしても、その人間の心が、 自分の身に起こった体験を 「奇跡」として受け止める状態でなければ、 それはただの「出来事」であって、心に留める事無く すぐに忘れ去られていくものなのかもしれない。 各作品中に登場する主人公や人物達は、 「出会いと別れ」の舞台となる土地の人々にとっては 「余所者(よそもの)」であり、様々な事情によって、 心がいつもとは違う状態に置かれている者ばかりである。 そんな彼らが、本来ならば 出会う事のなかった人達と巡り合い、短時間であれ、 心を通わせる事によって生まれるやりとりが 神から与えられた宝物のような時間となる。 ヘルシンキで出会った親子、 その父親が抱える複雑な想いとは? メキシコで出会った美しい少女に ふさわしい贈り物とは? ミュンヘンで一緒に食事をした友人が語ってくれた 「人生の広場、パリ」での想い出話の内容とは? 沖縄で出会った男女の、 数奇な運命を背負った恋の顛末とは? 世界各地で、泡のように儚く生まれては消える 奇跡のような出会いと別れ。 著者の怜悧な筆が、そんな出会いと別れの場面を まるで映画の一シーンを切り取ったかのように 美しく描いた短編小説集。

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2009/10/04

忙しくて、正気を失いかけて、本屋に駆け込んで買ってきた。 ものすごい癒されてる。うっかり何度も、泣きそうになっている。

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2009/10/04

<メモ>都市生活/レギャンの花嫁/連夜/レシタションのはじまり/ヘルシンキ/人生の広場/20マイル四方で唯一のコーヒー豆/きみのためのバラ 2008/10/8 読了。

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2009/10/11

人々の出会いと別れをつづった短編集。 外国の話が多くて、ちょっと旅行した気分になっちゃったり。 この世界にはたくさんの人間がいるんだな やっぱり一番最後のお話が好きです

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2009/10/17

池澤夏樹というと南国の色彩を描く作家だと思っていたのに、この作品では北の香りのする国も題材に描いていたのが意外であった。「ヘルシンキ」という作品が心に響いた。別れた娘とのつかの間の逢瀬を楽しむ男に出逢い、たまたま自分が持っていた橇をその娘に貸してあげる話である。橇で遊ぶ娘を眺めな...

池澤夏樹というと南国の色彩を描く作家だと思っていたのに、この作品では北の香りのする国も題材に描いていたのが意外であった。「ヘルシンキ」という作品が心に響いた。別れた娘とのつかの間の逢瀬を楽しむ男に出逢い、たまたま自分が持っていた橇をその娘に貸してあげる話である。橇で遊ぶ娘を眺めながら、男二人でぽつぽつと会話する。つかの間の、別れれば二度と会わない相手の人生の一頁を知る。 文章が上手いのかというと、個人的にはどうだかなぁと思う。この作家は文章というよりも、先に「絵」がある。絵を言葉に落とし込んでいく作家だ。文章自体に魅力はないが、そこに描かれる色彩が豊かだ。画家の感性で書いている文章だなという気がする。 様々な外国での短編集だが、この作家は旅を好む作家なのだろうか。空気感が上手く切り取られていて、自分も訪れたこともある各所の描写に、うん、分かるなぁと頷いた。 友人からの誕生日プレゼントにいただいた心に残る一冊である。「どうしてこの本を選んだの?」と何か含みがあってのことだろうかと聞いたら、即座に「表紙が綺麗だったから」。思わず微笑んでしまった。確かに。美しい青いバラの表紙である。でも、「きみのためのバラ」は実は青じゃないんだけどね(笑)

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2009/10/07

2008.01.18. 池澤さんの名は知っていたけれど、なんだか難しそうな文章を書いていそうという勝手な偏見で、今まで1度も読んで事がなかった。アホウな事をしていた。文章が巧いのはもちろん、漂う空気がとても上品で静か。なんだか傍観者のような文章だと思った。「レシタションのはじまり...

2008.01.18. 池澤さんの名は知っていたけれど、なんだか難しそうな文章を書いていそうという勝手な偏見で、今まで1度も読んで事がなかった。アホウな事をしていた。文章が巧いのはもちろん、漂う空気がとても上品で静か。なんだか傍観者のような文章だと思った。「レシタションのはじまり」が1番好き。

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2009/10/07

・短編集。共通しているのは海外が舞台ということ、かな。どれもしっとりとした雰囲気でよいです。「都市生活」と「人生の広場」がすきかな。

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2011/08/01

恋 と呼ぶにはあまりにも脆い そう まだ 出来上がっていない砂の城のような そんな物語たち。最初に 1つ目の物語を読んですごく 心がほわほわと温かくなった。時間の関係で 続きは少し経ってから読んだのだけれど、徐々に ほわほわ感が薄れていった。どこか遠くの街角で ほんの少し関わり合...

恋 と呼ぶにはあまりにも脆い そう まだ 出来上がっていない砂の城のような そんな物語たち。最初に 1つ目の物語を読んですごく 心がほわほわと温かくなった。時間の関係で 続きは少し経ってから読んだのだけれど、徐々に ほわほわ感が薄れていった。どこか遠くの街角で ほんの少し関わり合う 人生の本流ではないかもしれない そんなあわあわとした心地よさは 1つ目とラストにある。

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2009/10/04

旅の途中、出会いと別れを美しく切り取った短編集。掲載誌の年度を見ると十年分の短編が収録されているんですね。『連夜』の密やかな官能。『レシタションのはじまり』のどこかユーモアを含んだ視点。『きみのためのバラ』の真っ直ぐな想い。どれも印象的な物語でしたが、この3編が特に好きです。

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