きみのためのバラ の商品レビュー
『レギャンの花嫁』『ヘルシンキ』『人生の広場』『20マイル四方で唯一のコーヒー豆』『きみのためのバラ』が好き(殆ど(笑))『20マイル〜』は特に良かったように思う。 こういう小説たちもあっても良いと思いました。むしろ、こういう生き方憧れます(笑)
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「レシタションのはじまり」という短編が結局一番面白かった。星新一作品を思い出す。 先に発表された作品「やがてヒトに与えられた時が満ちて… 」で作者はヒトが争うという感情を肯定しているようにもとれるように書き表していましたが、この「レシタションのはじまり」ではむしろ爪を抜かれた猫に...
「レシタションのはじまり」という短編が結局一番面白かった。星新一作品を思い出す。 先に発表された作品「やがてヒトに与えられた時が満ちて… 」で作者はヒトが争うという感情を肯定しているようにもとれるように書き表していましたが、この「レシタションのはじまり」ではむしろ爪を抜かれた猫になってしまった人々を肯定しているようにもとれて興味深い。 他にもバラと少女の印象が読み手にスナップショットのように焼き付けられる 表題「きみのためのバラ」。誰もが(決して同じではないが)似たような経験があるかもというような夜遅いレストランでの短い時間を描いた「都市生活」。肉体とこころ、先祖と自分、土地とそこに宿る魂の不思議を感じる「連夜」など。サラリと読む事も深読みすることもできる8つの物語。
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初読み作家。タイトルに惹かれ購入。 様々な場所で、ただ通り過ぎるだけだった人たちが一瞬の奇跡のように出逢う。“会話”を交わせなかった一日の終わりのディナーで目の合った男女。妻を殺して義父から逃げる男の出会った“逃げる人々”の教えてくれた奪い合う気持ちを攫ってしまう言葉。幸せになる...
初読み作家。タイトルに惹かれ購入。 様々な場所で、ただ通り過ぎるだけだった人たちが一瞬の奇跡のように出逢う。“会話”を交わせなかった一日の終わりのディナーで目の合った男女。妻を殺して義父から逃げる男の出会った“逃げる人々”の教えてくれた奪い合う気持ちを攫ってしまう言葉。幸せになるはずだった花嫁の、絶望としなやかなというには苦しい強さ。父との関係に罅を持つ少年の切ない変化への憧れと小さいが確かな前進への気配。異国を舞台とした(沖縄も入っているけれど)その場所の空気とともに織られる他愛ないが故に後から意味を持つ一瞬を描いた短編集。洗練された文章というのかもしれない。やわらかさというよりしなやかさ、そして芯の真珠のような発光で物語を照らす。久々に好きになった男性作家。
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評価★4つと迷った。他の作品をたくさん読みたくなる魅力のある文章。もっと上がありそうだから、今のところは★3つ。
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短編集。 最初あまり面白くなかったけど だんだんさみしい雰囲気を感じるようになり 良いな、と思えた。
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言葉なんて覚えるんじゃなかったと、強く後悔する時がある。そんな瞬間に、池澤夏樹の本は効く。つたない英語しか話すことができなくなった少年の話を、わかるなぁとしみじみ感じながら読む。日本語の通じない場所で、手持ちのわずかな日本語を大事に読みたいとき、持っていたい本だった。
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おもしろかった。『ヘルシンキ』『きみのためのバラ』とか、『連夜』『レシタションのはじまり』とか…好きを選ぶのは難しいがどれも一定して良かった気がする。旅の要素よりも作家の文章のその質感を欲するみたいな読書だった。
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この物語の随所で、本を閉じて目を瞑りたくなる瞬間に出会った。 涙涙の感動、悲しさではなく、 寂しさと人間の持つ見えない絹みたいな暖かさが同時に感じられる。 幸と不幸、または不安と安堵が混ざり合ってる瞬間。 池澤さんの作品全てに僕はそれを感じます。
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2011.1.27-2.12 短編集。レシタションのはじまり...には、引き込まれた。平行して、ノルウェイの森を読んでいたが、この本を読むと、やはり池澤夏樹は良いなと再確認した。
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「花を運ぶ妹」が面白かったので 池脇氏の本を探して読んだ。 けど、花を運ぶ妹、とは全然違ったかなー ちょっと期待はずれだけど、 異国の空気と、おいしそうな食事シーンは良かった。
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