ハズバンド の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いつもと変らぬ日が続くものと思っていた矢先の突然の異常事態。 今回のクーンツは怪物が登場するわけでもない、超能力を持った人間が出るわけでもなく、妻の誘拐という日常を襲う突然の凶事をテーマにしているので、逆にいつも以上に逼迫感があった。 クーンツは導入部が巧いとよく云われるが今回もその評判にたがわぬ求心力を持っている。 いきなりの誘拐犯からの電話から始まり、そして街を歩いていた人がいきなり撃たれて死亡する。そして現れた警察は明らかに自分を疑っている。のっけからどんどん主人公を追い込んでいく。 そして兄から明かされる誘拐事件の真相。一介の庭師に訪れた凶事が実は犯罪に手を染めていた兄に起因しているとは。しかも偏狂的な教育者の両親に育てられ、半ば性格を歪められた兄弟の中でも優秀で人を惹きつける魅力溢れた兄その人が実は狂える犯罪者だったという事実。 ここら辺の畳み掛けはクーンツのもはや独壇場だろう。よくこんな設定思いついたものだと感心した。 その後も主人公ミッチェルは息つく暇もないほど追い詰められる。 手の汚れた資産家によって、離れた荒野に連れられ、始末されそうになったり、尊敬していた兄に打ち勝ち、金を得るも、その直前でタガートの訪問を受け、気絶させたり、そしてそのために警察に追われたり、逃亡の際に車を盗もうとしたのがばれて、警察に包囲網を敷かれたりと色んな仕掛けを用意してくれる。 ここまで主人公を窮地に追い詰めながらも、常に物語はハッピーエンドに締めるのがクーンツの特徴なのだが、今回はその物語の収束の仕方があからさまに唐突だったのにビックリした。 妻を助けるべく、殺人、盗難、監禁、窃盗、警官襲撃、盗難未遂、誘拐未遂、そして更に盗難、殺人を起こした男が無事に妻を取り戻した後、彼らの前途は多難だと思っていたのだが、いきなり次の項では4年後の生活になり、全てが丸く収まっているのには唖然とした。 奥付を見ると2006年の作品であるから新作であるのには間違いないのだが、この飛躍的な物語の決着のつけ方はかつてのクーンツの悪い癖を彷彿させた。アメリカを代表する作家のやる仕事ではないのではないかと率直に思う。 今回の作品の底に流れているのは、人は愛のためにどこまで出来るのかというテーマだ。物語も大きく3章に分かれており、それぞれ「愛のために何をするか」、「愛のために死ねるか。人を殺せるか」、「死がふたりを分かつまで」という風に愛を至上としてどこまで自己犠牲出来るかと謳っている。 そして今作品のタイトル『ハズバンド』に込められているのは、妻が愛の誓いを立てた者は夫のみなのだという思いだ。 これは結婚式によくある誓いの言葉なのだが、これを単なる台詞でなく、主人公の行動の原動力としているところがすごい。あんな常套句を元にこういう物語を考えるのだから、それはそれでクーンツの非凡なところなんだろうけど。 とどのつまり、ひっくり返せば本作においては愛の名の下では、何をやっても許されるのだと開き直っている感じがしないでもない。 だから最後に物語を剛腕でねじ伏せたのか。 それともこれはクーンツが実の妻に宛てたラヴレターの一種なのか。 う~ん、変に勘ぐってしまうなぁ。
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たいして稼ぎがあるわけでもないのに、妻を誘拐され身代金を要求されてしまった庭師の奮闘と 夫婦の愛の物語 よくあるクーンツ臭がちらほら 妙な方向に話が転がるのはちょっと面白かったけど、他の作品に比べると弱め。ただ他のは人も書いてる通り暇をつぶすには最高の本 昔、書店で「善良な男...
たいして稼ぎがあるわけでもないのに、妻を誘拐され身代金を要求されてしまった庭師の奮闘と 夫婦の愛の物語 よくあるクーンツ臭がちらほら 妙な方向に話が転がるのはちょっと面白かったけど、他の作品に比べると弱め。ただ他のは人も書いてる通り暇をつぶすには最高の本 昔、書店で「善良な男」を買う際、この二冊と平積みで並んでいて「善良な男」を選んでからもう10年以上経ち。ようやく読むことができた。 あちらは主人公がレンガ職人(だったかな) 似たようなパターンで、微妙に主人公の精神面や、肉体面の技量にバリエーションを与えてる。 この人の作品の場合、主人公の職業はそんなに重視されてなくて やはり困難に立ち向かう姿に焦点が当たるのが良い。
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久しぶりの娯楽小説。ディーン・クーンツさんの作品は外れがない。ウォッチャーズ以来の大ファン。この作品も楽しませてもらった。
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「ハズバンド」平凡な庭師の妻が誘拐される…貴方は愛する者のために人を殺せますか? http://youyou-bookmovie.blog.so-net.ne.jp/2015-12-23
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クーンツの愛しい系譜。 いろんな風呂敷を広げるのも好きだけれど、とにかく愛しいお話もいい。 ラストが『ザ・クーンツ』なところも好き。 ☆が少ないのは、クーンツにしては入り込むまでに時間がかかってしまったため。
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クーンツの新刊だよ!!!! ありがとう、ハヤカワ文庫。これからも、しっかりクーンツを出してくれ。 カテゴリーをホラーにしたけど、どっちかというとミステリーっぽいです。SFちっくなところはありません。でも、ホラー。 造園業をしている主人公の妻が誘拐された。犯人は、到底払え...
クーンツの新刊だよ!!!! ありがとう、ハヤカワ文庫。これからも、しっかりクーンツを出してくれ。 カテゴリーをホラーにしたけど、どっちかというとミステリーっぽいです。SFちっくなところはありません。でも、ホラー。 造園業をしている主人公の妻が誘拐された。犯人は、到底払えない金額200万ドルを要求してくる。そして、本気であることを証明するように、通行人を射殺する。 いきなり絶対絶命状態から始まって、おおおおって展開で進んでいきます。も、ネタばれになるので言いませんが、とにかく山場をもってくるのが上手い。もうページをめくる手がとめられないぐらいの面白さ。 主人公は、その教育が正しいと信じ込んでいる両親に虐待されて育ったんだけど、妻によってその泥沼から抜け出している。このバックボーンがすごく効いてる。虐待されたから、これで、だからこそ妻への愛ゆえに力をつくす、まさに愛の物語なのだ。 最後の1行まで愛にあふれてます。 やっぱりクーンツは面白い。最高です。
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たたみかけてくる感じは間違いなくクーンツなんだけど、いまひとつ物足りない。幅の広がりもなく、物語に余裕もない。何を焦ったのか終わらせ方も中途半端。残念。 といっても、高尚ななにかを彼の小説に求めるわけではないので、まま、時間潰しの一冊としては良品なんだけどね。
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