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櫻守 の商品レビュー

4.1

23件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2014/07/26

高度成長真っ只中の日本で静かに桜を守り続ける「櫻守」、頑固に自分の終の住処を作る老人のお話の二本の短編で構成されている。 個人的には、「櫻守」の方が好き。守り、伝えるというのはとても大変なことで、桜は里桜に限る、それは手入れが大変なものだから。でも、現在の有名な桜はだいたい里桜...

高度成長真っ只中の日本で静かに桜を守り続ける「櫻守」、頑固に自分の終の住処を作る老人のお話の二本の短編で構成されている。 個人的には、「櫻守」の方が好き。守り、伝えるというのはとても大変なことで、桜は里桜に限る、それは手入れが大変なものだから。でも、現在の有名な桜はだいたい里桜のような気がする。 やっぱり、美しさが違うと思う。 静かに文章が流れていく作品である。

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2014/07/23

標題の「櫻守(さくらもり)」と「凩(こがらし)」の二編。 おそらく初めての水上勉です。 自分が生まれる少し前の作品。 どちらも素晴らしいですが、どちらか選ぶなら櫻守。 正直、田舎を出ている身としては山や樹を守ることから逃げている気持ちと、木を接ぐ大変さが理解できないことからのめり...

標題の「櫻守(さくらもり)」と「凩(こがらし)」の二編。 おそらく初めての水上勉です。 自分が生まれる少し前の作品。 どちらも素晴らしいですが、どちらか選ぶなら櫻守。 正直、田舎を出ている身としては山や樹を守ることから逃げている気持ちと、木を接ぐ大変さが理解できないことからのめり込めない部分があります。けれど、無償で桜を守る、ただその行為、その行為が生んだ徳、その奇跡が心を打ちます。 最後の一文「人間は何も残さんで死ぬようにみえても、じつは一つだけ残すもんがあります。それは徳ですな・・・」に感動。

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2013/11/21

私が子供だからか、 職人肌の人だったり お年の人目線なので、 あまり感情移入も出来ないし、 少し退屈に思えた。 あまり伝えたいこと、というのも 理解できなかった。 櫻守は桜の華やかな印象は キャッチできたが、 背表紙にある 「情熱を傾けつくした」 という言葉に違和感。

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2013/11/06

読みやすい文章と納得できる展開で感情移入できるところが好き。2編収録だが表題作より2作目の「凩」の方がいいと思った。親の気持ちと人生を振り返る心境が自分のことのように伝わる。名作だと思う。

Posted byブクログ

2013/05/19

伝統を守る二人の男の人生の物語。 自分がそれぞれ暮らした土地が舞台になっていて、その歴史を知ることができた。

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2011/08/24

「櫻守」と「凩」の二編からなるこの一冊。買ったのは確か2年くらい前。初めて読んだときもいいな~って思ったんだけど、つい数日前、「櫻守」をゆっくりゆっくり読んで感動。水上勉氏の方言の現し方は大変すぐれているんじゃないかと勝手に思っている。舞台になっている地方の方言を聞いたわけではな...

「櫻守」と「凩」の二編からなるこの一冊。買ったのは確か2年くらい前。初めて読んだときもいいな~って思ったんだけど、つい数日前、「櫻守」をゆっくりゆっくり読んで感動。水上勉氏の方言の現し方は大変すぐれているんじゃないかと勝手に思っている。舞台になっている地方の方言を聞いたわけではないけども、その地方とその時代の独特の雰囲気が伝わってくる。 地味な一人の男の人生を静かに力強く描いた「櫻守」。引き続き、「凩」も楽しませていただいています。

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2010/09/27

昨年だったと思うが、氏の「飢餓海峡」を読んだのが最初でそれ以来である。 「櫻守」 主人公は、竹部庸太郎と彼に教えられながら、桜の保護育成に目覚めていった一人の庭師:弥吉の物語である。竹部は学生時代から桜に取り憑かれ、生涯を桜の保護育成に捧げた。彼の言葉を借りれば、現在全国にはび...

昨年だったと思うが、氏の「飢餓海峡」を読んだのが最初でそれ以来である。 「櫻守」 主人公は、竹部庸太郎と彼に教えられながら、桜の保護育成に目覚めていった一人の庭師:弥吉の物語である。竹部は学生時代から桜に取り憑かれ、生涯を桜の保護育成に捧げた。彼の言葉を借りれば、現在全国にはびこっているソメイヨシノは、最も堕落した品種で、本当の日本の桜といのは、ヤマザクラ、サトザクラだという。同感!!彼は私財を投じて、こうした日本固有の桜を育成すると同時に、御母衣ダムに沈む寺の当時樹齢400年の桜:エドヒガンの移植に成功した。http://www.jpower.co.jp/sakura/collection/col00500.html 「凩:こがらし」 宮大工の倉持清右衛門の考え方や行動も「櫻守」に出てくる弥吉と似ていて、親譲りの土地と家を守って一人静かに先祖からの土地に住み続ける。この文章にも、桜の事が書かれている。 「桜というもんは、大きゅうなれば、自分の身を喰うて空洞になりよる。五十年目頃から、皮だけになって行き始めよる。ひとりでに若木が根を張る。皮の力におぶさって若木は、次第に親の根を喰うて、親は子に根を与え、生きてゆくうちに一体になって幹はさらに太くなる。百年を生きる桜は、どれが子やら親やらわからんものとなる」 何やら人生とオーバーラップしてしてしまう。3/3(土)に行われる、現代の桜守の一人、佐野藤衛門さんの講演が今から楽しみである。

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2010/09/17

櫻守は、桜に合う土、桜の配置、桜の保存や接木の仕方 桜の楽しみ方までをも主人公の弥吉が時に感動し、 時に落胆しながら語ってくれています。 師匠の竹部(モデルあり)曰く、染井吉野は日本の桜でも いちばん堕落した品種だそうです。 本当の日本の桜というものは山桜や里桜だという。 「櫻...

櫻守は、桜に合う土、桜の配置、桜の保存や接木の仕方 桜の楽しみ方までをも主人公の弥吉が時に感動し、 時に落胆しながら語ってくれています。 師匠の竹部(モデルあり)曰く、染井吉野は日本の桜でも いちばん堕落した品種だそうです。 本当の日本の桜というものは山桜や里桜だという。 「櫻守」にしても「凩」にしても 合理性の名の元に本来の姿を壊し、また別物を生み出し 保存という都合の良い解釈の上に胡座をかき、 魂の入らないモノに囲まれて満足している現代と呼ばれる時代の 姿勢に対しての痛烈な風刺であると共に、守り継いで行くという 本当の意味を教えてくれる作品だったと思います。 あぁ~すごいモノを読んでしまった。

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2022/07/13

情報科教員MTのBlog (『櫻守』を読了!!) https://willpwr.blog.jp/archives/51484287.html

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2009/10/04

表題作「櫻守」が特によかった。 表現が美しいのに現代語らしいテンポをうしなわず、情景や会話の様子が目に浮かぶようだ。 二人の男の人生を丹念に描きながら、樹齢四百年の古桜を移植する大仕事、人生の終焉までをあたたかく、時に哀しく描く。 信念と技のある人が理解者をもってやりたいことをす...

表題作「櫻守」が特によかった。 表現が美しいのに現代語らしいテンポをうしなわず、情景や会話の様子が目に浮かぶようだ。 二人の男の人生を丹念に描きながら、樹齢四百年の古桜を移植する大仕事、人生の終焉までをあたたかく、時に哀しく描く。 信念と技のある人が理解者をもってやりたいことをする様は清々しい。 それに比べて「凩」は人生の悲哀の色が濃すぎて、若輩の私にはつらかった。 こちらも宮大工の男の晩年を描き、丹念で素晴らしいのだが、子供たちの世代の、古いものをいたずらに古いからと切り捨てるやり方に憤りを覚えながら、死への恐れを見つめて自分の技を注ぎこんだお堂を建てる。 そこにはそれを見つめる友の目線もあるが、大半にはその寂しさも心からは理解されずに終わる。

Posted byブクログ