深追い の商品レビュー
⚫︎今まで読んだ中ではかなり警察色が出てくる。部署も様々で閑職から王道まで。 ⚫︎やっぱり短い中での起承転結は上手い。駄作がない。まあ、警察は人生の色々な厄介ごとが絡んでくるから、エピソードはそれこそ無限大だから、構想には事欠かないのかもしれない。しかし、逆に言えばなんでも書けて...
⚫︎今まで読んだ中ではかなり警察色が出てくる。部署も様々で閑職から王道まで。 ⚫︎やっぱり短い中での起承転結は上手い。駄作がない。まあ、警察は人生の色々な厄介ごとが絡んでくるから、エピソードはそれこそ無限大だから、構想には事欠かないのかもしれない。しかし、逆に言えばなんでも書けてしまうから話が広がりすぎると短編の中で収拾がつかなくなる。非常に微妙なバランスの上に成り立っているのだと感心する。 ⚫︎一体どんなふうに書いているのだろう。やっぱりがーっと一旦書いて、どんどん削って筋肉質な文章にするのだろうか…
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表題作含む7編収録の短編集。三ツ鐘市にある三ツ鐘署に勤務する鑑識係や少年係、会計課長など様々な職種の人達が遭遇した事件。そして、その事件をきっかけとして見えてきた風景を描く骨太の警察小説。 警察小説ではあるが、主役は刑事ばかりではない。様々な職種にスポットを当てることで、いろ...
表題作含む7編収録の短編集。三ツ鐘市にある三ツ鐘署に勤務する鑑識係や少年係、会計課長など様々な職種の人達が遭遇した事件。そして、その事件をきっかけとして見えてきた風景を描く骨太の警察小説。 警察小説ではあるが、主役は刑事ばかりではない。様々な職種にスポットを当てることで、いろいろな役割を担う人がいるから回っているのだと感じるし、それぞれに背負っている人生があるのだなとも思える。それぞれの作品に独特の味があり、短編とは思えない濃厚さが楽しめる。
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警察ものだが、サラリーマン小説と言ったほうが印象に近い。 組織で生きる人間の「ストレス」と「義務」が物語を動かす。全編に渡り漂う湿度はストレスの表現が成功しているからだろう。 気が重いのに読み進めてしまうのは、サラリーマンの行動原理が「ストレス」と「義務」だから共感してしまってい...
警察ものだが、サラリーマン小説と言ったほうが印象に近い。 組織で生きる人間の「ストレス」と「義務」が物語を動かす。全編に渡り漂う湿度はストレスの表現が成功しているからだろう。 気が重いのに読み進めてしまうのは、サラリーマンの行動原理が「ストレス」と「義務」だから共感してしまっているのだと気づかされた。 ・深追い 死んだ被害者の遺留品を手元に置いている主人公。死んだ事実を知っているはずの被害者の妻から毎晩のように今夜のおかずの連絡が入る…。 ・引継ぎ 親子二代に渡って刑事の主人公。父親の代に取り逃がした窃盗犯が館内に現れる…。 ・又聞き 子供の頃に自分を助けて死んだ大学生の命日に通い続ける主人公。警察官となった今、あの日の真実を探る…。 ・訳あり 上司とぶかり所轄に飛ばされた主人公。ある日、キャリアについた悪い虫を調べてほしいと本庁の同期から相談される。上手く行けば戻れるかもと期待するが…。 ・締め出し 管内のパチンコ両替店で殺人が起きた。所轄の主人公は聞き込み中に中学の頃の同級生と再開する。バーテンダーとなっていた同級生に虐げられていた関係の主人公は…。 ・仕返し 管内のホームレスが死亡する。死亡した夜、所轄に訪れていた事実を隠そうとする主人公の次長。調査を進めるうちに小学生の息子のいじめ問題も絡み…。 ・人ごと 拾った種を持ち主に返そうと、主人公の経理課長は調査を開始する。持ち主は家屋敷を売り、高層マンションに独り暮らしをする老人だった…。
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短編集…横山秀夫さんは何を読んでも楽しい。 警察官であって、普通に社会人なのだから当たり前だけどきれいではない過去や現在がある。 刑事ものを読むと陰も陽もカッコいいな〜と思うけど、こんな地味な(失礼な表現スミマセン)警察官が大半で普通なのだから、やっぱり警察官は大変だ。 「締め...
短編集…横山秀夫さんは何を読んでも楽しい。 警察官であって、普通に社会人なのだから当たり前だけどきれいではない過去や現在がある。 刑事ものを読むと陰も陽もカッコいいな〜と思うけど、こんな地味な(失礼な表現スミマセン)警察官が大半で普通なのだから、やっぱり警察官は大変だ。 「締め出し」警察官を終えた後もまた大変なのか!けど仕事を斡旋してもらえるのなら民間人より本人は安泰なのかな?
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地方都市の警察署を舞台にした短編集。 「仕返し」と「引継ぎ」はやや面白いもののやや物足りなさを感じました。 働く男性の本音が垣間見えるような気もしますが、年代も性別も違うからでしょうか、小説としては好みではありませんでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
架空の田舎町にある三ツ鐘署を舞台とした連作ミステリー。 警察小説。 刑事だけでなく鑑識とか落とし物係とかいろんな部署の署員が主人公となっていて、それぞれの得意分野で活躍もしくは落とし穴にはまる図式。 各編最後にドンデンが仕掛けられていて、人の業とか悲しみがしみじみと描かれており心に染み入る。途中でオチが読める話もないではないけれど、筋立てが面白いのでそのへんあんまり気にはならない。 で、なんと言っても最大の魅力が文章力で、小難しい言い回しも気取った表現もほとんどないのに、読めば読むほど登場人物たちに共鳴し感動が広がっていく不思議。 20年前の作品ゆえどうしても古臭さは否めないけど、それがむしろいい味となっていて、このまま中高の現国の教科書に採用したいくらい格調高く感じられる。 二十年三十年先にも間違いなく皆から愛されているはずの名著( ´ ▽ ` )ノ 面白かった( ´ ▽ ` )ノ しかし、地方警察が題材とあって何かこう、読んでると昨今人気のまんが「ハコヅメ」を彷彿とさせられちゃうな。 2022/08/23 #3381
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確かに警察にまつわる話やから、警察小説なんやけど… 人間ドラマって言う方がええ感じ。 事件があって、謎とかを解決みたいなミステリーチックやなくて、警察に勤めてる人を中心にしたドラマって感じの短編集7つ。 なので、ミステリーとかを期待して読むと「んっ?」って感じになるかもしれん。 ...
確かに警察にまつわる話やから、警察小説なんやけど… 人間ドラマって言う方がええ感じ。 事件があって、謎とかを解決みたいなミステリーチックやなくて、警察に勤めてる人を中心にしたドラマって感じの短編集7つ。 なので、ミステリーとかを期待して読むと「んっ?」って感じになるかもしれん。 確かに謎とかはあるんやけど… それが中心やなくて、人間ドラマ(強調し過ぎか…(^^;;) これは、これでええんとちゃうかな? とはいえ、スキっとする感じやなく、何か哀しい… 絶望的な感じやなく、哀しいっていう言葉が似合う。
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七作収録の短編集 三ツ鐘署を舞台にいろんな物語が楽しめました 警察の人が主人公 いろんな立場の人が主人公になってました 警察小説として楽しめた一冊です
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「深追い」横山秀夫著 1.購読動機 横山秀夫さん好きだから。新聞記者、警察そして犯人とあらゆる角度から事件を、いや物語を紡ぐ作家さんのお一人だからです。 2.『深追い』 短編集です。 ロクヨンや、半落ちなどの事件→展開→ハラハラ→え?!という展開を期待した場合は、評価は▲とな...
「深追い」横山秀夫著 1.購読動機 横山秀夫さん好きだから。新聞記者、警察そして犯人とあらゆる角度から事件を、いや物語を紡ぐ作家さんのお一人だからです。 2.『深追い』 短編集です。 ロクヨンや、半落ちなどの事件→展開→ハラハラ→え?!という展開を期待した場合は、評価は▲となるかもしれません。 私も読了後の感想が「物足りないかも、、、」でした。 しかし、、、 3.『深追い』魅力 ひとつの警察署に勤務する、それぞれ別の課で働く警察職員の物語です。 人間の感情は、喜怒哀楽で凸凹です。 この物語に登場する7人の職員に共通するのは「哀」です。 事件ではなく、人に焦点を当てた横山秀夫さんの世界も必見です。
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7つの短編で架空の三ツ鐘署が舞台になっていて、警察官の悲哀が描かれている。表題作の「深追い」と「人ごと」が良かったかな。深追いでは、事故死した亡夫のポケベルを介して中学同級生に邪な気持を抱く警察官の欲望がなんとも歪んでていい。
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