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狐狸庵読書術 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2024/07/09

遠藤周作の、本や読書にまつまるエッセイを集めたアンソロジー。今までどの本で既出なのかのリストが最後についているのは親切。どこかで読んだものも内容が重複する話もあるが、ひとつのテーマで、考えられて配列されたアンソロジーで読むとまた新たな印象があって興味深い。

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2016/09/02

「味読」という言葉は使えるな。 あまり興味のない作家のエッセイは読むもんじゃないな。 文体、内容も固めでまさに寝転がって読むような本ではなかった。

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2011/04/27

読書術と銘打っているいるが、大して読書術や作家論にページ数を割いているわけでなく、一冊の本としてはやや残念な出来となっている。 書き下ろしの単行本を文庫化したものではなく、エッセイや評論を編纂したものなので仕方ない面もあるのだけど。 正直1・5・6章だけ読めばそれで十分のよう...

読書術と銘打っているいるが、大して読書術や作家論にページ数を割いているわけでなく、一冊の本としてはやや残念な出来となっている。 書き下ろしの単行本を文庫化したものではなく、エッセイや評論を編纂したものなので仕方ない面もあるのだけど。 正直1・5・6章だけ読めばそれで十分のような気がした。 遠藤周作の読書術は至って明快なのだが、反面相当な根気がいる方法だと思う。 乱読よりも一人の作家の全集を読み込み、その作家の読んできた作品を読むことを薦めている。 例えば遠藤周作を小説からエッセイまで全て読み込んで、そこから彼の好きなモーリヤックやグリーンといった小説家に移行する・・・というもの。 個人的には無理だと思った。 どんなに優れた作家であろうが駄作・駄文を読むのは飽きるし、何より乱読してしまった今からそういう読書法を実践しても遅いだろう。 また偏りも出てくるに違いない。 そういう意味で遠藤周作は偏った作家であるとは思うので合点はいくのだけど。

Posted byブクログ

2011/02/27

 「狐狸庵(こりあん)先生、遠藤周作。違いがわかる男のネスカフェ・ゴールドブレンド」  ってTVCM覚えている人は40歳以上だね。  10年前に亡くなられた著者の、「読書」にまつわるエッセイを再構成して最近出た本です。  中高生の頃、著者の『ぐうたら人間学』とかの『ぐう...

 「狐狸庵(こりあん)先生、遠藤周作。違いがわかる男のネスカフェ・ゴールドブレンド」  ってTVCM覚えている人は40歳以上だね。  10年前に亡くなられた著者の、「読書」にまつわるエッセイを再構成して最近出た本です。  中高生の頃、著者の『ぐうたら人間学』とかの『ぐうたら○○学』のシリーズをよく読んだ。田舎の本屋で、團伊玖磨の『パイプのけむり』シリーズと並んで、エッセイ・随筆のコーナーを占領していたものだった。  よれたセーターを着て庭で不器用に体操してるみたいな、件のCMの映像といい、『ぐうたら』というタイトルといい、どこか間の抜けたオジサンみたいな印象を抱いてしまっていた。子供でしたから、物事の深読みはまだ出来てませんでした。  『沈黙』とか映画化もされた『海と毒薬』などのシリアスな作品群は「頼まれて仕方なく、鼻くそとかほじりながら書いた」式のことこを『ぐうたら』ナントか学のなかで読んでいて、すっかり信じ込んでいた。  今回本書の中で「私の長崎」を読んで、ようやく真実が見えた気がした。  著者曰く、長崎の魅力、「あじ」とは、その歴史がもつ「大きな二つの顔」だという。  求道的な顔とエピキュリアンの顔とであるという。  長崎の魅力として語られている二つの顔って、著者の狐狸庵先生自身の魅力そのものでもあるのじゃないだろうか。今は大人の私には解る気がする。  だがこの二面性を一つの人格の内に持ち合わせるって、苦しいだろうねえ。これも今の私になら解る気がする。  そういえば、あの時代に「花粉病(症じゃない)」という病名を初めて知ったのは『同棲時代』という上村一夫の劇画だった。今では信じられないことに、30年前ごろは何万人に一人という奇病だった。  同じように鬱病も珍しい病だった。  その「鬱病」なる病名を中学生だった私が始めて知ったのも『ぐうたら』ナントか学だった。  「そういや私、鬱でしてね」みたいな珍妙な言い方にくすくす笑っていたものだった。  今にして思えばなんと軽薄な理解であったことか。  そして、作家の心の深い真実に触れてしまったならば、なんと切ないことであろうか。  狐狸庵センセー、若気の至りでしたがごめなさいでした。

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2009/10/04

■狐狸庵先生の経験的読書術 ○Aという作家なら作家の作品を全集でまず読む…Aの小説は もちろんのこと、その日記、書簡まで全て読む。(P14) ○これがすめば、Aが影響を受けた作家に手を広げるのである。 大体、1人の作家は自分だけの力、自分だけの個性で文学的開眼 をしては...

■狐狸庵先生の経験的読書術 ○Aという作家なら作家の作品を全集でまず読む…Aの小説は もちろんのこと、その日記、書簡まで全て読む。(P14) ○これがすめば、Aが影響を受けた作家に手を広げるのである。 大体、1人の作家は自分だけの力、自分だけの個性で文学的開眼 をしてはいない。彼は必ず同世代や先輩の作品に影響を受けて いるか、外国の文学、あるいは古典の中に、愛読書というものを 持っているはずである。(P15) ■これは内的動機を持った後の作業であろう。全く読書に興味を 持っていない人がこれはできないから。 【 結 論 】 1:自分で何か問題をもって本を読むと頭によく入る。 2:1人の著作家のものを全部読むこと。それからその人の影響を 受けた本に手を拡げる。 3:読書の姿勢や時間にはやはり各人うまいやり方があるから、 それを発見すること。 ■パラレル・リーディングは誰もがやっていることなのだな…。 ○ロンドンに行けば、グレアム・グリーンの『情事の終り』の 小説をまた読みなおし、そこに出てくる通りや教会や公園を地図 で探して翌日、暇をみてそこを歩く。ロンドン塔や大英博物館に 出かけるよりも、その訪問のほうがはるかに私の好奇心を満足 させたし、またグレアム・グリーンの小説技術の一部を知る上で 勉強になった。(P52)

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